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デマ拡散の「バズプラスニュース」、ニコニコニュースなどで記事配信停止に BTSの「原爆看板」記事を問題視

韓国アイドル「BTS」の「原爆看板」記事をきっかけに、デマ拡散が問題視されていました。

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 ニュースサイトバズプラスニュースが配信した、「韓国アイドルBTSがユニセフ事務所に『原爆看板』持ち込み問題視」とのデマ記事を受け、ニコニコニュースなど一部ニュースサイトは、同サイトからの記事提供を一時停止しました。編集部では、バズプラスニュースが記事を配信していた4サイトに問い合わせるとともに、バズプラスニュース側にもコンタクトを試みていました。

 バズプラスニュースは11月11日、BTSが「原爆をモチーフにした看板」をユニセフの事務所に持ち込み、世界的な非難を招いていると記事で紹介。この記事は5000回以上リツイートされ、ニコニコニュースなどの提携先にも配信されていました。

 しかし翌12日、BTSが持っていた看板は原爆ではなく「飛行船」をモチーフにしたものであったとBuzzFeedが指摘。バズプラスニュース側はその後、タイトルや本文中の表現を「原爆看板→ミサイル看板」に変更しています。しかし、元記事が訂正された後も、ニコニコニュースなどの配信先では1週間以上にわたり「原爆看板」のまま記事が掲載され続けていました。

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修正前のバズプラスニュースの記事(左)と、修正後の記事(右)
ニコニコニュースに掲載された同じ記事(11月19日時点)。バズプラスニュース側が記事を訂正しても、こちらは1週間以上そのまま「原爆看板」のタイトルのままで掲載されていました

 「バズプラスニュース」は、現在集団訴訟の動きが持ち上がっている「netgeek」関連記事)などと同じく、匿名で運営されているニュースサイトの1つ。運営者については「Mr.Fox」という匿名の人物が編集責任者と書かれていますが、それ以外は、そもそも個人運営なのか企業運営なのかも含め一切が謎に包まれています。またサイト下の説明を見ると、「ニコニコニュース」「ガジェット通信」「Yomerumo NEWS(現『めるも』)」「デイリーニュースオンライン」「ネタりか」「Spotlight スポットライト」に記事を配信している(※)とあります。

※編集部が確認したところ、「ネタりか」は現在はバズプラスニュースの記事掲載なし。また、「Spotlight スポットライト」は既に閉鎖済みだったため、実質配信しているのは4サイト

バズプラスニュースのトップページより「記事配信先」一覧
バズプラスニュースのサイト説明。匿名の編集責任者以外、運営元についての情報は一切なし

 編集部では、上記6サイトのうち、既に記事提供を終了していた「ネタりか」「Spotlight」を除いた4サイトに対し、以下の質問を送付しました。なお、4サイトのいずれも、編集部が問い合わせた11月19日時点では「原爆看板」表記のままでした。

【質問内容】

  • 「バズプラスニュース」について、記事提供元として適切であると考えていますか
  • 記事提供元サイトの選定や契約にあたり、審査基準などは設けていますか
  • 契約の際、相手サイトが“匿名であること”はどの程度考慮されますか
  • デマやフェイクニュースについて何らかの防止策は行っていますか
  • 記事内容に誤りがあった場合、どのように対応していますか(今回の「原爆看板」記事が訂正されていないのはなぜですか)
  • 今後バズプラスニュースに対し何らかの対応をとる予定はありますか

ニコニコニュース

 問い合わせ後、当該記事を削除。バズプラスニュースについては一時配信停止に。

当初のニコニコニュースの記事(左)と、現在の記事ページ(右)

――「バズプラスニュース」について、記事提供元として適切であると考えていますか。
――記事提供元サイトの選定や契約にあたり、審査基準などは設けていますか。
――契約の際、相手サイトが“匿名であること”はどの程度考慮されますか。

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ニコニコニュース:ニュース配信にあたっては、一定の基準は設けて社内検討・判断をしておりますが、基準を外部には公開しておらず、ご理解いただけると幸いです。

――デマやフェイクニュースについて何らかの防止策は行っていますか。
――記事内容に誤りがあった場合、どのように対応していますか(今回の「原爆看板」記事が訂正されていないのはなぜですか)。

ニコニコニュース::誤報の疑いがある記事は、配信元メディアに事実確認の上で、該当記事の修正・削除の対応をしております。

――今後バズプラスニュースに対し何らかの対応をとる予定はありますか。

ニコニコニュース:個別メディアに限らず、不適切なニュースを配信するメディアについては、契約違反として、記事の削除や配信の停止等の措置をしております。本件も踏まえて、バズプラスニュースについては、一時配信停止の措置をとっております。

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ガジェット通信

 回答はないものの、問い合わせ後、当該記事を削除。

当初のガジェット通信の記事(左)と、現在の記事ページ(右)

めるも

 問い合わせ後、当該記事を非表示に。バズプラスニュースについては「不適切と判断し、厳正なる対応を行う」とのこと。

当初のめるもの記事(左)と、現在の記事ページ(右)

――「バズプラスニュース」について、記事提供元として適切であると考えていますか。
――記事提供元サイトの選定や契約にあたり、審査基準などは設けていますか。
――契約の際、相手サイトが“匿名であること”はどの程度考慮されますか。

めるも:「バズプラスニュース」から記事提供された経緯としては、4年ほど前にバズプラスニュースの担当者から提案を受けたと聞いています。当時のYomerumo(現めるも)担当者がメディアを審査し、記事提供を受けるに至っています。審査基準は各種ございますが、社外へは開示は致しておりません。

 書面にて記事提供の契約を締結しており、そこには契約の主体となる運営元なども明記されているため、匿名で運営されているという認識は致しておりませんでしたが、今後は審査基準にサイト内での開示も含めるよう、整えてまいります。

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――デマやフェイクニュースについて何らかの防止策は行っていますか。
――記事内容に誤りがあった場合、どのように対応していますか(今回の「原爆看板」記事が訂正されていないのはなぜですか)。

めるも:全ての記事提供メディア様と、第三者の権利侵害などにつきましての取り決め文言を含めた基本契約の合意をさせて頂いております。

 記事を非表示対応にするにあたっては、いくつかの方法がございます。

(1)記事提供元からのfeedでの非表示フラグまたは、提供元からのご連絡

(2)読者からの記事内容への指摘

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(3)編集部による、サイト掲載不適切との判断

 1につきましては、通常、元サイトで記事が削除された場合、feedでの非表示フラグまたは編集部からの申し出などで、弊メディア側でも削除対応をさせていただくフローとなっております。今回、「バズプラスニュース」本サイトにて記事の訂正がなされたとのことですが、feedのフラグが立っておらず、また編集部からの申し出などはございませんでした。

 2につきましては、読者からは11月20日現在、とくにこちらの記事につきましては指摘は出てきておりません。

 3につきましては、編集部にて、目視にて記事の適切・不適切をチェックしております。不適切と判断されたものについては非表示の対応を行っております。しかしながら、1日1000記事以上の記事提供を受けており、全ての記事をチェック致しかねるのが現状でございます。今回、元サイトで記事が既に削除されているとのことですので、非表示対応をさせていただきました。

――今後バズプラスニュースに対し何らかの対応をとる予定はありますか。

めるも:あらためて、「バズプラスニュース」から提供を受けている記事を拝見し、編集部により不適切と判断いたしましたので、今後厳正なる対応を行ってまいる所存です。

デイリーニュースオンライン

 回答なし。現在も「原爆看板」表記のまま記事掲載中。

デイリーニュースオンラインの記事

ネタりか(現在は記事掲載なし)

 また、既に記事提供を終了していたネタりかにも問い合わせました。

ねたりかで「バズプラスニュース」の記事一覧を表示したところ。現在は「該当するネタがありません」と表示されるのみ

――現在、バズプラスニュースから記事提供を受けていますか。

ネタりか:以前提供いただいていたことがありますが、現在は掲載しておりません。

――現在提供を受けていないのはなぜですか。

ネタりか:個別の理由についてはお答えしておりません。恐れ入りますがご容赦いただけますと幸いです。

バズプラスニュース側には連絡つかず

 問い合わせの結果、4サイト中3サイトが記事を削除または非表示に、また2サイトはバズプラスニュースに対し「一時配信停止」あるいは「厳正に対処」という、かなり厳しめの対応を明言した形となりました。

 一方、バズプラスニュース側はこうした誤報に対し、どのように防止・対応しているのか。またなぜ元記事を修正しても、配信先ではそのままだったのか。編集部では、バズプラスニュースの問い合わせフォームから「BTSの記事について、なぜ配信先では訂正されていないのか」「記事に誤りがあった場合どのように対応しているか」「記事内容について、どのように取材・検証を行っているか」「運営元を伏せているのはなぜか」などの質問を送りましたが、期限までに回答はありませんでした。

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