「三億円事件ツアー」で犯人と握手! ぶっ飛びタクシー会社三和交通のぶっ飛びツアーに参加してきた(3/3 ページ)
三和交通今回もマジやばい。
「多摩五郎」はどこに?
さて、事件はその後どうなったのでしょうか? 遺留品の多さ、目撃情報の多さから、簡単に犯人は割り出せるだろうと思われていました。しかし、捜査は難航。操作の鍵を握るのは“多摩五郎”の行方だと思われました。警察は1月20日に多摩五郎の捜索で大量の外勤警察官を導入。一斉点検に乗り出します。しかし、多摩五郎は見つかりませんでした。
ところが事件から4カ月たった4月9日、第1現場から北東へ約4キロ離れた小金井市本町の都住宅供給公社・本町住宅の来客用駐車場で、多摩五郎が発見されました。
発見したのは、同住宅に住む顧客からの依頼で車の下取り査定をするために訪れたトヨタのセールスマンと査定マンでした。査定をしていた際に、右隣あったシートカバーをかぶせられた車が気になり、何の気なしに中をのぞいたとたん、腰を抜かすほど驚きました。後部座席にジュラルミンケースが3個積んであったのです。
あんなに警察が捜したのに見つからなかったカローラが、こんな近くで見つかったことに捜査本部は動揺しました。しかも、航空自衛隊の偵察機の撮影より、多摩五郎は事件翌日の12月11日にはこの駐車場にとめてあったことが確認されたのです。
多摩五郎があった駐車場を見に行こう!
タクシーは多摩五郎が見つかった団地の駐車場へ向かいます。第2現場からおよそ20分、多摩五郎がみつかった駐車場に到着しました。そこは見渡す限り団地といった場所。これだけ多くの人が住んでいれば、駐車場に普段と違う車がとめてあっても、大して気に留めないのかもしれません。事件当時の写真と比べて、大きく成長した木が事件からの年月を物語っていました。
さあ、あなたは誰が犯人だと思いますか?
大人の社会科見学、いかがだったでしょうか? 筆者が読んだ資料には「不謹慎な話だ。『三億円事件』に思いを馳せると、心が躍る」という一節がありました。そうなんです。不謹慎な表現であることを承知で言うなら、三億円事件ツアーは聖地巡礼のようなもの。これが実際に起きたというのだから、そりゃあ、心が躍らないわけがないのです。
心躍らされる要因の1つは犯人が見つかっていないこと(不謹慎ですが)。山口運転手にも「犯人は誰か?」と推理を聞いてみました。そうしたら「最初は多摩五郎が見つかった駐車場の団地に住んでるヤツが犯人だと思ってましたけど、団地に車をとめて『ただいまー、おかあちゃん』『あんた、どうしたの、その大金は?』なんて、さすがにそんなことないですよねー」と話していました。斬新な推理です。
ついでに筆者の推理をお伝えすると、どう考えても、三和交通の営業所にあったロボットのタクシーが怪しい。どっからどう見ても怪しすぎ。筆者が独自に調査したところ、ロボットタクシーの料金メーターは72万6850円を指していました。これは宇宙に行って帰って来られる距離。きっと、アンドロメダ星雲の秘密基地に3億円が隠されているに違いない。
三和交通の「三億円事件ツアーリターンズ」でした。基本的にノンフィクションですが、正式な情報ではないため、信じるか信じないかはあなた次第でお願いしまーす。
参考文献
『真相究明ガイドブック 雨の追憶 図説 三億円事件』むらきけい著/文芸社/2005年
『三億円事件』一橋文哉著/新潮社/1999年
『三億円事件と伝書鳩 1968~69』吉田和明著/社会評論社/2006年
『私は真犯人を知っている 未解決事件30』文藝春秋編集部/文藝春秋/2011年
『水の肌』松本清張著/新潮社/1982年
(高橋ホイコ)
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