都内で見つかったバンクシーらしき絵 小池都知事が対応を説明 「贈り物だと思います」「落書きを勧めているわけではない」
小池百合子都知事がTwitterで報告し話題を集めていました。
覆面アーティスト・Banksy(バンクシー)の作品とおぼしき絵が都内に見つかったことについて、1月18日14時から開かれた都知事記者会見で小池百合子知事が感想や対応を説明した。
バンクシーは英ロンドンを中心に活動し、世界各地にストリートアートをゲリラ的に描く手法で知られるアーティスト。パレスチナ自治区のガソリンスタンド横の壁に、壁に火炎瓶の代わりに花束を投げようとするギャングの絵を描くなど、アートには社会への風刺やメッセージ性があることでも知られている。本名などプロフィールの多くが謎に包まれており、2018年10月にオークションで競売にかけられた代表作は104万2000ポンド(当時約1億5000万円)で落札された(関連記事)。
17日に小池知事はTwitterで、「あのバンクシーの作品かもしれないカワイイねずみの絵が都内にありました! 東京への贈り物かも? カバンを持っているようです」と、2枚の写真を投稿。1枚は、港区にある防潮扉に傘をさしたネズミの絵が描かれた写真、もう1枚はその隣でネズミと同じポーズで座る小池知事の写真だった。
小池都知事は会見で記者から感想を求められると「私が見に行ったり世間が盛り上がったりしているところが、バンクシーの思う所なんだろうと思いました。本物かどうかは専門家の意見を聞いてみないとわかりませんし、それを誰に聞くのか、果たして本人に聞くのか、そういったことを含めて非常にバンクシーらしさが満載だと思います」とほほ笑みながら述べた。
今後については「専門家の意見から聞いて進めていきます。公開できるのか、展示するのか。本人の了承は必要なのか著作権面の問題も出てくるので、今後少し時間がかかるように思います」と対応を説明。
一方で公共物に書き込まれたことに対し、「とはいえ落書きなので、落書きそのものを許すということではございません。小さくて美観を損ねるものではなく、大切な防潮扉の機能を阻害しているわけではありませんが、都民にとって役割を果たしている防潮扉に、この話題で多くの人が見に集まる可能性もあります。無用な混乱を招かないように対応しました」と述べた後、「かわいいネズミの絵でした」と言い添えた。
本当にバンクシーの作品だった場合、その社会への風刺やメッセージ性についてはどう思うか尋ねられると、「本人に聞いてみたいところですね。10年前からあるという声もありますし、バンクシーが(絵のあった場所の)近くでデザイナーとして働いていたという話もあるようです。ですがいろいろとうわさレベルです。じゃあどこに連絡して本人に確認するのか対応や意見を交わしていく……言ってみればバンクシーという人はその話題も含めてアートだと考える人だと思います。本物かどうかは別にして、バンクシーっぽいことにはなっていると思います」。
Twitterでの「東京への贈り物かも?」発言に賛否両論が起こっていることについては、「でも贈り物だと思います。ただ落書きを勧めているわけではございません」と言い切った。
(黒木貴啓)
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