怖い本を一瞬でハッピーエンドにする“最強のしおり”が誕生　「寺生まれのTさん」が全て解決

　「どんな怖い小説も一瞬でハッピーエンドにする最強のしおり」が、TwitterユーザーのRi-さむMSX（@RiMSX）さんに編み出されました。ネットで広まったコピペネタ「寺生まれのTさん」の一節が印刷されていて、本の文面に当てるとあらゆる展開が「破ぁーーーーーーーーーーーッ！」っと霊能力で吹っ飛ばされ、怖くなくなります。懐かしいっ。

　Tさんは寺生まれで霊感が強いとされる謎の人物で、その発祥は2ちゃんねる（現5ちゃんねる）の怖い話を扱うスレッドとみられています。さまざまなコピペに登場するTさんですが、その役割はクライマックス直前までじっくり描かれた怪奇現象を、「破ぁ！！」と一喝して消し去り、ホラーを一気にギャグ化するといったもの。下記の例のように、Tさんの活躍を助けられる側の視点で描き「寺生まれはすごい」で締める流れは汎用性が高く、多くの改変ネタが生まれることとなりました。

「つりましょうよ、あなたも……」俺は恐怖に震えながらも上を見上げた……

そこには、今話をしていた男性の首吊り死体が！！　男が言っていたのは「釣り」ではなく「吊り」だったのだ！！

気が付くと俺の目の前には無数の人影が「吊ろう……一緒に吊ろう……」と俺にささやいている。

「そこまでだ」聞いたことのある声、寺生まれで霊感の強いTさんだ。

影によって今にも吊り上げられそうな俺の前に来ると、自前の釣竿を振り回し「破ぁ！！」と叫ぶ、すると釣竿の糸が眩く光り、振り回した糸が剣のように次々と影を引き裂いてゆく！

ある程度影を振り払うと、Tさんの呪文によってまわりには光が走り、アッー！　と言う間に影は全滅した。

「Tさんも夜釣りですか？」そう尋ねるとTさんは俺を指差し「まあな、随分と小物を釣り上げちまったがな……」。

帰り道で聞いた話によるとあそこは自殺の名所で首吊りが首吊りを呼ぶ恐怖の橋らしい。

「すっかり日も上がっちまったな、どれ、街で女の子でも釣りに行くか」

そう言って車に飛び乗り爽やかに笑ってみせるTさんを見て寺生まれはスゴイ、俺はいろんな意味で思った。

（ニコニコ大百科より抜粋）

　Tさんのシステムを再現したしおりは、「さすがTさん」「もはや最強のお守り」「なんというデウス・エクス・マキナ」と好評。元ネタがやや古いため、これを機会にTさんを知ってファンになった人もいました。また、しおりが欲しいとの声に応え、作者は印刷用の原稿画像も公開しています。

画像提供：Ri-さむMSX（@RiMSX）さん