寿司職人の狂気再び！　『将太の寿司』全話無料公開を漫画サイト「スキマ」が再開　笹寿司の悪行と春を迎えよう

　2018年秋に漫画『将太の寿司』（寺沢大介）シリーズの全話無料公開を行い、ネットの一部で将太の寿司ブームを巻き起こした漫画サイト「スキマ」。2月1日から「大好評につき」との理由で、『将太の寿司』『将太の寿司～全国大会編～』『将太の寿司2』の全話無料配信を期間限定で再開しました。やったー、寿司職人たちの狂気に再び出会える！

　『将太の寿司』シリーズは1992年から2000年にかけ『週刊少年マガジン』（講談社）で連載。都内の名店・鳳寿司で働く少年・関口将太が修行に励みながら、コンクールや対決でアイデアや努力によって他の職人に打ち勝ち、日本一の寿司職人を目指す物語です。いわゆる“料理対決漫画”の寿司版の金字塔であり、職人たちの寿司に注ぐ情熱、事細かな寿司の情報によって人気を博しました。

　しかし2018年秋に「スキマ」が同作を無料公開したところ、「あらためて読むと、職人たちの現実離れした行動が面白い」「というかクズが多い」と、ネットで感想やツッコミが集まり盛り上がることに。将太が寿司対決に勝つため毎晩仕事上がりに築地市場で目利きをして睡眠2時間の日々を送る――など寿司に対するブラックワーキングぶりもなかなかですが、特にやばいのは大手寿司チェーン「笹寿司」の悪行の数々です。将太や他の職人に勝つため、ざっとあげるだけでも次のような行為に及びます。

• 寿司コンテンストに出ようとしていた将太のお父さんが乗る船に細工をして転覆させ、障害が残るほどの重症を負わす
• お父さんの寿司屋の評判を落とすため店前にゴミをばらまく
• 将太にいい寿司ネタを回さぬよう、協力している水産会社の船を全部壊す
• 対戦相手より新鮮な甘エビを手に入れるため450万円ですごい水槽を作る
• 対戦相手の職人を、駅のホームから突き落として大ケガを負わせる

　こうした見どころにより人気に火がついた結果、スキマも無料期間を延長するなど、連載終了から18年経って謎の“将太の寿司ブーム”が起こっていたのです。残念ながら無料公開は11月末に終了しましたが、ありがたいことに2月からスキマで再び全話無料で配信されることに……！　作者の寺沢大介さんによる代表的な料理漫画『ミスター味っ子』『喰いタン』も同時に、全話無料で期間限定配信されています。

　無料公開期間は2019年3月31日まで。職人たちの狂気だけでなく、寿司を通した感動的なドラマも豊富にある名作なので、前回読破できなかった人は今回こそ読み終えたいところです。

（黒木貴啓）