インタビュー

口コミからスマッシュヒット。自分探しタップゲーム「ALTER EGO」が生まれるまで(1/3 ページ)

カラメルカラムの大野真樹さんにインタビュー。

advertisement

 「衝動のあるところに、自我をあらしめよ」――2018年12月に配信されたカラメルカラムのスマートフォン向けゲーム「ALTER EGO」が、快進撃を果たしています。

 カラメルカラムは、大野真樹さんと白川龍さんが2014年に設立したアナログ&デジタルゲームスタジオ。ゲームやシナリオ制作、プロモーションなどを受託しつつ、これまでにオリジナルゲームを出版&配信しています。

 「ALTER EGO」はデジタルゲーム2作目として、12月28日に配信(iOS版は2019年1月3日配信)。「性格分析をしてみたい人」「文学や哲学、心理学に興味がある人」「私ってなにと自問自答を続けてしまう人」に向けて作られた、自分探しタップゲームです。口コミで広がり、連日ランキングの上位に。2019年2月現在、35万ダウンロードを突破するスマッシュヒットとなっています。

advertisement

 「ALTER EGO」はどのようにして生まれたのか。同作のキャラクターデザインを担当し、同人シリーズ「最悪にも程がある」も話題のいとう階さんとともに、カラメルカラム代表取締役社長の大野真樹さんに話を聞きました。


カラメルカラム代表取締役社長の大野真樹さんにインタビュー

「作りたいものを作るんじゃ~!」の叫びから生まれた「ALTER EGO」

――「ALTER EGO」は現在17万ダウンロード(※1月取材当時。現在は35万ダウンロード)を突破しています。これだけの反響を想定していましたか?

大野 全然想定していなかったです。自分の見込みだと、スタートダッシュで1~2万ダウンロードくらい、3~4カ月かけてプロモーションをして、1年かけて10万を超えれば大成功だろう、と考えていました。ところが1年かけてやっていくつもりの数字が2週間ちょっとで達成してしまい、もうパニックです。

――カラメルカラムは本作がデジタルゲーム2作目です。2014年にスタジオを設立して、初めて作ったのはアナログゲームとのこと。どのような体制で開発をし、デジタルゲームの開発に向かったのでしょうか。

大野 設立してからしばらくは僕と白川の2人体制で、単純にやれることが限られていたんです。最初に作ったオリジナル作品は残業をテーマにしたアナログゲーム「THE 残業」(2016年)です。

advertisement

オリジナルゲーム制作はアナログゲームから始まった

 その後、会社にエンジニアが加わったのをきっかけに、デジタルゲームも作れるようになりました。初めてのデジタルゲームは、反響が大きかった「THE 残業」をスマートフォン向けの脱出ゲームにしたもの。当時の企画書が手元にありますが、目標の欄に「世に出ること」と書いてあります(笑)。とにかく、まずは「作ること」が第一でした。

――そこからの第2作目が「ALTER EGO」。だいぶ作品の雰囲気が違いますね。

大野 ジャンル、ずいぶん違いますよね……。2018年の年始に酒を飲みながら「自分は、そして会社は、この先どうするべきなんだろう……」といろいろ考えていたんです。

 もともと自分はフリーランスのシナリオライターだったのですが、そこからゲーム会社に就職し、マーケティング担当としてプロモーションをやっていました。ちょっと生意気な発言かもしれませんが、予算を取るスキルや、やりたいことにマーケの理屈をくっつけてプロモをするスキルはあったと思います。でもそれってちょっと中途半端だなと。「マーケっぽいことを考えず、今年は作りたいものを作るんじゃ~!」と叫んで、寝て、朝起きて作り始めたのが「ALTER EGO」の企画でした。ちょうど約1年前のことですね。

――当時の企画書には、既に現在のキャッチコピーが完成していますね。

advertisement

大野 「衝動のあるところに、自我をあらしめよ」。もうほぼ完成していますね。目的に「作家性を打ち出す」しか書いてないんですが、本当にとにかく「作家性を打ち出すぞ!」という気持ちだったんだと……。コンセプトには「恥ずかしがらず作る」「悩める大人に刺さる」「選書にはこだわる」「小説を書く気持ちで」とあり、それはずっと変わっていません。


最初期の企画書。既に原型が完成している

いとう 「恥ずかしがらずに作る」というのがすごくいいですよね。私も漫画を描いているのですが、作品を作るのって、けっこう恥ずかしいんですよ……。でもそこで恥ずかしがっていると、いい作品にはならない。大野さん、「ALTER EGO」を作るのは相当恥ずかしかったのでは……?

大野 恥ずかしかったです。なんかもう「これは遺書か?」ってくらい自分を出していますから……。

       | 次のページへ

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

記事ランキング

  1. ザリガニが約3000匹いた池の水を、全部抜いてみたら…… 思わず腰が抜ける興味深い結果に「本当にすごい」「見ていて爽快」
  2. “プラスチックのスプーン”を切ってどんどんつなげていくと…… 完成した“まさかのもの”が「傑作」と200万再生【海外】
  3. 鮮魚コーナーで半額だった「ウチワエビ」を水槽に入れてみた結果 → 想像を超える光景に反響「見たことない!」「すげえ」
  4. 100均のファスナーに直接毛糸を編み入れたら…… 完成した“かわいすぎる便利アイテム”に「初心者でもできました!」「娘のために作ってみます」
  5. ズカズカ家に入ってきたぼっちの子猫→妙になれなれしいので、風呂に入れてみると…… 思わず腰を抜かす事態に「たまらんw」「この子は賢い」
  6. 柄本佑、「光る君へ」最終回の“短期間減量”に身内も震える……驚きのビフォアフに「2日後にあった君は別人」「ふつーできねぇ」
  7. 「巨大なマジンガーZがお出迎え」 “5階建て15億円”のニコラスケイジの新居 “31歳年下の日本人妻”が世界初公開
  8. 「秋山さん本人がされています」 “光る君へ”で秋山竜次演じる実資の“書”に意外な事実 感動の大河“最終回シーン”に反響 「実資の字と……」書道家が明かす
  9. 「私は何でも編める」と気付いた女性がグレーの毛糸を編んでいくと…… 「かっけぇ」「信じられない」驚きの完成品に200万いいね【海外】
  10. 「品数が凄い!!」 平愛梨、4児に作った晩ご飯に称賛 7品目のメニューに「豪華」「いつもすごいなぁ」【2024年の弁当・料理まとめ】