「ぼっちがテニスやったら才能開花しちゃった話」と思いきや…… よくいる“主役キャラ”の裏でもがく“脇役”の漫画が熱い(1/2 ページ)
努力は裏切らない。
初心者が初めて挑戦したスポーツでたぐいまれなる才能を発揮する――天才プレイヤーを主人公にした漫画でよく見る場面から意外な展開を見せる漫画「佳作」が注目を集めています。作者は漫画家の魚豊(@uotouoto)さん。
何にも真剣になれず、恋愛も友情も無縁の昴。しかしテニス部のみのりに誘われて初めてコートに立つと、圧倒的な才能を発揮して部員の村岡を凌駕(りょうが)してしまいます。人生をテニスにささげてきた村岡ですが、昴は「主役」であり自分は「脇役」なのだと思い知ります。
テニス部に入った昴は瞬く間に物語の中心に。その影で村岡はただ一人、「俺にはテニスしかない」と血のにじむような努力を重ねていました。しかし「俺が主役になるなんて……最初から無理だったんだ」と絶望は深まるばかり。
「僕にはテニスしかないんだ」と昴が自分と同じようなセリフを言うのを聞いて、余計に格差を感じる村岡。それが彼の思いに火を付けます。そして迎えた部内の練習試合、村岡は昴に期待をかける空気に満ちたコートで彼と対峙します。みのりの応援で“覚醒”する昴に押される村岡。それでも彼の体をこれまでの練習が動かします。村岡は脇役の意地を見せられるのか――結末は自分の目で確かめてみてください。
天才プレイヤーが主人公と思わせて、実はその影に隠れた脇役こそが主人公だったという構成の妙と凡人が努力で天才に挑む展開に、「熱い」「泣いた」「こういう主人公が一番かっこいいよね」「『努力は裏切らない』という言葉は本当なんだと改めて思いました」と胸を打たれた人たちからの感想が寄せられています。
「佳作」は以前に『別冊マガジン』に掲載された読み切り漫画。魚豊さんは現在、マガジンポケットで陸上競技漫画『ひゃくえむ。』を連載しています。
「佳作」
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