なんかモノ作ってるオタクは全員いますぐ「レゴムービー2」を見てくれ 圧倒的優しさと自己肯定に打たれて「ウワーッ!!」ってなって多分死ぬ:マシーナリーともコラム
「マシーナリーともコラム」第8回は映画「レゴムービー」と「レゴムービー2」、あと「スパイダーバース」の話です。
バーチャルYouTuber、マシーナリーとも子による不定期コラム第8回(連載一覧)。今回はネタ打ち合わせという工程をすっ飛ばして「なぜか原稿がもうある」という理由で急きょ決まった「レゴムービー2」についてです。何げなくツイートに反応したら「原稿がね、できてしまっているんですよ……」ってそんなことある???(※)
※通常はダメです
ライター:マシーナリーとも子
徳で動くバーチャルYouTuber(サイボーグ)。「アイドルマスター シンデレラガールズ」の池袋晶葉ちゃんのファンやプロデューサーを増やして投票してもらうために2018年4月に活動開始。前世はプラモ雑誌の編集をしていたとも言われているが定かではない。現在はBOOTHでグッズを売ったりLINEスタンプ(1・2・3)を売ったりしている。スマホアプリ新しいのできました(iOS / Android)。旧アプリ(iOS / Android)や合同誌もあります。お仕事募集中。
YouTubeチャンネル:https://www.youtube.com/user/barzam154
「スパイダーバース」見て良かったオタク! 「レゴムービー」も見て!
見本だでサンプルだで。マシーナリーとも子よ。
いやーーーーーーーーー参った!! 参りました。なにがって? まだ2019年も3カ月ちょいしか過ぎてないのにおそらく今年のマシーナリーとも子ベスト映画が決まっちまったからよ。それは「レゴムービー2」。
おいおいおいおい! ちょっと待ってくれ。「ああレゴブロックね。別に興味ないからいいッスわ」と言わずに待ってくれ。このマシーナリーとも子の話を聞いてくれ。
まず、君たちのその意見も分かる。レゴブロック、興味ないよな。レゴランド、行ってないよな。無数に発売されてるレゴブロックがテーマのテレビゲーム、やってないよな。マシーナリーとも子もまぁ、じつはそうなんだよ。そのせいで前作「レゴムービー」も劇場で見ることなく、あとからネット配信で見たんだけど……まぁそれは後で話そう。
で、レゴブロックに興味がない君たち(という前提で話させてもらいます。だってレゴブロックに興味あったら見に行ってるだろ映画)に耳寄りな情報を与えたいんだが……。この「レゴムービー」シリーズの脚本と製作、「スパイダーマン:スパイダーバース」でも脚本・製作やってたフィル・ロードとクリス・ミラーなんですよ。どう? 信用できない? できるだろ? お前らだいたい「スパイダーバース」見て「すっっっっっげ!!!!」「エッッッッッッモ!!!!!!」ってなったでしょ……? 「レゴムービー」両作も、同じです。映像がすさまじく魅せてくれてスッゲ!!!!!ってなるし、お話がエモすぎてヤッッッッッベ!!!!! ってなるんだよ。だからここでシンプルに言わせていただきます。「『スパイダーバース』が良かったやつは全員『レゴムービー』『レゴバットマン』を見なさい」とな。マジで期待は裏切らないぜ。このマシーナリーとも子を信じてくれ今回ばかりは。
みんな許してくれる。優しいから
「レゴムービー」の素晴らしいところは圧倒的な「優しさ」。何が優しいかっていうと……私たちを「認めて」「許してくれる」優しさ。レゴブロックに限らず、全てのちょっとオタクっぽい、インドアな趣味を持ってる人。いい歳してオモチャが大好きな人。絵や漫画を描いたり、お話を書いたりするのが好きな人。そういうヤツら全てに「お前は楽しくやり続ければすげえヤツになれる! ヒネくれるな!」「そしてほかのヤツらを認めてやろう! そうするともっとスゴくなれるぞ!」と語りかけまくってくれるんだよ。これが本当に……本当に1も2も魅せ方、語りかけ方がスゴくて。
例えば1では途中まで「大人になったオタクが抱きがちな、キチンと整合性が取れた創作への疑問・批判」といった要素が出てくるんだけどさ……。「そういう頭の堅い考え方はよくなくて、自由な想像力を働かせられるヤツのほうがスゴイんだよ!」っていう流れになるわけ。よくあるよな。レゴブロックは自由だ! というお話なわけだな。でもこの映画のすごいところは、それで自由な想像力が、カタい創作をやっつける、というだけで終わらないところ。前者も肯定して、許してくれるんだよね。それがめちゃめちゃに優しすぎて私は「ウワーッ!!」ってなっちゃったの。これ、特定の遊びやコンテンツに長く触れすぎて「こだわり」が産まれちゃってるオタクは、絶対に見ていて自分のこれまでを省みてクリティカルヒット食らっちゃうと思うよ本当にすごいの。それでいて、許してくれる。ヤバい。優しすぎる。
「スパイダーバース」と共通する根っこの精神
「レゴムービー」両作と、最初に引き合いに出した「スパイダーバース」は両方とも「オタクであることの肯定」を高いレベルで盛り込んでいると思う。どちらもモチーフになった作品について死ぬほどマニアックなネタ、リスペクトが盛り込まれまくっていて、かつ「レゴという無限に想像力を具現化してくれる素晴らしいおもちゃ」「スパイダーマンというスーパーパワーがあるということ以外はとてもふつうの、等身大の青年」を愛して、それらに突き動かされるヤツらのお話になっている。恐ろしいことにこれがもうすごい入れ子構造になっちゃってるんだよね。
「レゴムービー」のネタバレをしたくないから「スパイダーバース」で話すけど「スパイダーバース」ってスーパーヒーロー・スパイダーマンに憧れるマイルズが、ピーター・パーカーの弱さも知り、自分の弱さとも向き合い、最後は真のスーパーヒーローへと覚醒するお話なわけじゃん。リスペクトする存在や概念に近づくことで己を磨いていく話なわけだよな。で、その「スパイダーバース」という作品があまりにもモノすごかったおかげで映画を見たわれわれは見終わったあと、マイルズ君になっちゃうわけだよ。「こんなすごい映画を作れるようなクリエイターになってみてえ!」ってなっちゃうじゃん。なるよね?
で、そんなすごい作品である「スパイダーバース」はどうやって作られたのか、あれを作れるようなヤツらはどんなヤツらだったのか? というのを考えると「とにかくスパイダーマンを愛しリスペクトしまくっている、あまりにもスパイダーマンオタクである」というのが何よりも重いわけだよ。
社会から逸脱しがちなオタク、ナードに対して「でもオタクでありすぎることができればこんなすごい作品も作れるんだ! だから好きであることをやめるんじゃないぞ!」というメッセージでボコボコにわれわれの顔面を殴打してきてくれるんだよヤツらは! 大いなる力には大いなる責任が伴い、大いなる創作には大いなるオタクが伴うというわけだ。なにが言いたかったんだっけ。
つまり「レゴムービー」と「スパイダーバース」は「オタクであること」「愛に突き動かされること」をめちゃめちゃに肯定してくれる作品だっていうことだな。だから全てのオタク、全てのクリエイターに見てほしいと思うよ。とくに「レゴムービー」はスーパーヒーロー映画じゃなくてブロック玩具の映画だからより、何かを作るのが趣味や生活になっている人にはブッ刺さりまくると思うよ。
初代「レゴムービー」はアマプラで見られるから見て! そして映画館に行け!
さて、ここまで読んで「お前が『レゴムービー』を見てほしがってるのはわかったけど、結局どういう映画なんだよ内容について話せよ」とモヤモヤしてる読者の人類どももいると思う。私も話したい。でもな、これがこの映画の困ったところでぶっちゃけ「ネタバレ厳禁タイプの映画」なんだよ。「カメラを止めるな!」なんだよ。そして私もネタバレ踏まずに見た結果「えぇーーーーーーーーーーーーーーーーーお前お前お前さーーーーーーーーーー」ってなってしまったのでできればネタバレ踏まないように見るべきだと思う。
そしてさらに困ったことがもう一つ。現在絶賛公開中の「レゴムービー2」なんだけど、これがなんと「レゴムービー」の直接の続編っていうか、マジで1作目のラストシーンの直後から始まるタイプの続編なんだよ。当然1のキモの部分も明かした状態でお話が進むわけ。
正直「レゴムービー2」の上映館がかなり少ないし、あまりにも宣伝にお金かけてなさすぎて全然もうからなそうな気配がプンプンするので一刻も早くみんなに見てもらいたいんだけどこればっかりは1を見てから見に行ったほうが良さげなんだよな。だからみんな、まず急いで1を見てくれ。そして死んでくれ。多分死ぬぞ。とくになんかモノ作ってるヤツは死ぬ。絵を描いてるヤツ、文章書いてるヤツ、プラモ作ってるヤツ、おもちゃ買ってるヤツ、デザインやってるヤツ、バーチャルYouTuberやってるヤツ、お前らみんな死ぬ。許され、素晴らしすぎて死ぬ。俺たちのやってることはなんて尊いんだ……! と圧倒的自己肯定が出てきて死ぬ。みんなで「レゴムービー」を見て死にましょう。死ぬぞ!
そしてちょうどいいタイミングで現在、Amazonプライム・ビデオにて初代「レゴムービー」が配信中! これで君たちの退路は絶ったぞ。「レゴムービー」を見てね。見てください。見やがれー!
マシーナリーとも子でした。
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許せる!
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