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出版取次の「日本雑誌販売」が債務整理、法的手続きへ 取引書店の減少で業績不振
取引書店はピークの半分にまで減っていたとのこと。
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東京商工リサーチによると、出版取次の「日本雑誌販売」(東京都板橋区)が債務整理を弁護士に一任し、今後法的手続きを申請することが明らかになりました。近年は取引書店が落ち込んでおり、事業継続が困難になったとのことです。
1955年創業。書籍や雑誌の書店向け取次のほか、ゲームショップでのゲーム攻略本販売やインターネットカフェなどにも注力。一時は1000店超と取引実績があり、ピークの1993年4月期には約59億円の売上高を計上していたとのことです。
その後、書店の廃業や出版不況で業績不振に陥り、近年は約500店にまで取引書店が減少。2018年4月期の売上高は約22億3000万円にまで落ち込んでいました。
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東京商工リサーチによると、同社は法的申請時に数億円の負債が見込まれると説明しているとのこと。6月末まで出版元や書店からの相談を受け付け、返本などの処理を進めていくとしています。
取引先はインターネットカフェや成人向け書店が主体で、ネットカフェとの取引は大手取次が引き継ぐものの、成人向け書店などは取次の変更などの対応を迫られそうだとのことです。また、2016年3月には大手取次の「太洋社」が破産していますが、その際に日本雑誌販売が一部書店を引き継いでおり、こうした書店は再び取次の変更を迫られる可能性があるとしています。
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