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敷島製パンがイーストフード・乳化剤不使用の強調表示をやめると発表 「安全ではないものとの誤解を避けるため」

山崎製パンの発表以降、他社の動向が注目されていました。

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 敷島製パン(Pasco)は6月21日、「イーストフード、乳化剤不使用」などの強調表示をやめるとを発表しました。理由は「お客さまが、『イーストフード、乳化剤が安全でないもの』と誤解、誤認をされる可能性が少しでもあるのであれば、それを避けるため」としています。

敷島製パンが「不使用」強調表示をやめると発表(同社サイトより)

 業界最大手の山崎製パンは3月26日に、「『イーストフード、乳化剤不使用』等の強調表示について」とする声明を発表していました。「イーストフード、乳化剤不使用」の強調表示は不適切であり、直ちにやめるべきと主張するもので、他社の動向が注目されていました。

 山崎製パンの主張によると、そもそもイーストフードや乳化剤は国際的に安全性が公認されている食品添加物であり、これらの添加物なくしておいしい食パンや菓子パンを作ることはできないとのこと。

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 「不使用」強調表示がある食パンや菓子パンを分析したところ、代替物質を使用し表示義務を回避しているだけで、使った場合と何ら差はないとの見解で、「不使用」強調表示が、イーストフードの安全性に問題があるかのような誤認を消費者に与えていると同社は主張しました。

敷島製パンは超熟シリーズで「不使用」の強調表示をしていました

 敷島製パンは「超熟」シリーズで、2007年2月から強調表示を実施していました。同社の発表「『イーストフード、乳化剤不使用』等の強調表示と今後の取り組みについて」には、山崎製パンの分析結果に対する反論とみられる記述もあります。

 小麦粉、油脂には「乳化剤」と同等の成分が元々含まれているため、分析すれば微量に検出されますが、油分と水分を混ざりやすくする「乳化機能」を期待するものではありません。パン酵母の栄養として発酵の手助けをする「イーストフード」については、技術や設備の向上により原材料の栄養分だけで安定した発酵が可能になりました。

 しかしながら、同社でも食品衛生法に定められているイーストフードや乳化剤は安全であると認識しており、「不使用」強調表示をすることで、「イーストフード、乳化剤が安全でないもの」と誤解、誤認される可能性が少しでもあるのであれば、それを避けるため包装紙、販促物への「イーストフード、乳化剤不使用」などの強調表示はしないと決定したとあります。

 表示は、2019年7月以降から順次変更されます。表示がなくなっても、現在「イーストフード、乳化剤不使用」等と表示をしている商品の配合、製法に変更はなく、原材料(加工助剤※1、キャリーオーバー※2を含む)として「イーストフード」「乳化剤」は使用していないことに変わりないとしています。

(※1)加工助剤:食品の加工の際に使用されるが、(1)完成前に除去されるもの、(2)その食品に通常含まれる成分に変えられ、その量を明らかに増加されるものではないもの、(3)食品に含まれる量が少なく、その成分による影響を食品に及ぼさないもの。

(※2)キャリーオーバー:原材料の加工の際に使用されるが、次にその原材料を用いて製造される食品には使用されず、その食品中には原材料から持ち越された添加物が少量しか含まれていない為、その効果を発揮しないもの。

高橋ホイコ

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