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どうすれば「ぬい」をかわいく撮れるの? ぬいぐるみメーカー「サンライズ」にぬいの秘密と「ぬい撮り」テクニックを教えてもらった(2/2 ページ)

ぬい撮りファンのみなさま、お待たせしました。

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ぬい撮りをやってみよう!

――ではさっそく、実際にサンライズさんにお借りしたぬいを撮影しながら、ぬい撮りテクニックを伝授していただこうと思います。私は全くのぬい撮り素人なのですが、どう撮影すればイキイキして見えるんでしょうか。

須藤 この子(ぬい)が主体になるようにして、自分や生活感を消すのが基本的なポイントです。背景が入ってしまうときはものすごくきれいに片づけるか、あとはiPhoneなどのポートレートモードはかなり使えます。このモードにしてピントを合わせると背景がぼけるので、極力それで飛ばして、そのあとに加工アプリで彩度を上げるんです。それでもどうしようもないほど背景が汚れているときは、もう全部布で隠しちゃいますね。

背景をまっさらにした室内撮影(須藤さん撮影:うーぱ)
こちらも「うーぱ」のぬいと撮影小物のみ(須藤さん撮影:うーぱ)

――角度はどうしたらいいですか? 今真正面から撮影していたのですが……。

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須藤 私はよく……こう……地べたにはいつくばって、「その子目線」を追求してます(笑)。「そのキャラが見てる世界観」を大事にしたいんです。普通に上から撮影すると、その子の視界は撮影できないんですよね。なので、その子の視点に合わせて撮影をします。例えばぬいを後ろ向きにして撮影すると、顔は映らないのですが、「見てる」雰囲気を演出できますよ。

地面にはいつくばって撮影した写真(須藤さん撮影:うさパン)
「うーぱ」が見ている世界(須藤さん撮影:うーぱ)

――(数枚撮影するが、やはり会議室っぽさが消えない)なるほど、部屋で撮影するとき、周囲の生活感をどうなくすかは大きな問題ですね。

須藤 家では限界があるのと、ぬい撮りは「思い出感」が大事なので、家ではあまり撮影しないですね。ぬいぐるみとの思い出を撮りためて写真集を個人的に作ったりするので、季節感がある方がいいんです。1年間の思い出とか、ジャンルが終わるときに「今まで楽しかったな」みたいな感じでッ(涙声)……あー、思い出して泣きそう……。

――何があったかは聞かないでおきますね……。

紙タグ&織りネーム処理問題

――これ、紙タグは写ってしまっていいんですか?

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成田 紙タグ、取らない人もいますよね。

須藤 紙タグも含めてとっておきたい派の人は取らないですが、私は写真に写ってしまうので取る派です。織りネームも取りますね。

ネームタグは取る派ととらない派がいる(記者撮影:日昇葵)

――織りネームってはさみで切ると先端がとげとげしてしまうと思うのですが、それはどう処理するんですか?

須藤 それはですね、私検証したんです! 縦に細かく織りネームを切って、繊維をぴっぴっぴっと取っていくと先が残らないんですよ!

――プロだ!

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プロのテク。あくまで須藤さん個人の検証であり、必ず取れると保証するものではありません(記者撮影:日昇茜)

須藤 ただ綺麗に取れるかどうかは商品によりますね。軽めに縫ってある織りネームはすぐ取れるのですが、強めに縫われている個体がたまにあって、うまく取れない場合があります。そういうときはペンチなどを使ってぎゅっと引っ張ります(笑)。

成田 サンライズのぬいぐるみも商品による?

須藤 うちのは検証したので基本的に織りネームは取れますが、取りやすさは商品によりけりです。軽めに縫ってある子としっかり縫ってある子がいます。工場ごとの違いでもなくて、本当に個体差です。

――これ、ぬいぐるみ以外にも使えるテクニックですね。

ロケーションや小物、どう選ぶ?

須藤 ロケーションですが、やはり太陽光の下で撮影するのがよいです。背景の色味は彩度が高ければ高いほどいいですね。海や空をバックにしたり、季節のお花と一緒に撮影するのもおすすめです。

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ぬい撮りは季節感が大事(須藤さん撮影:うさパン)

――わあ、確かにお花と一緒に撮影するとすごくかわいいですね。

須藤 そうなんです! 遊園地はいつ行ってもお花があるし、どこで撮影しても「映え」ますよ。あとは小物ですね。この写真は海で浮き輪に乗せてみました。

海を満喫するうーぱ(須藤さん撮影:うーぱ)

――すごい! この浮き輪もぬい専用なんですか?

須藤 いえ、これはおそらくプールで使うドリンクホルダーだと思うのですが、ちょうどいい大きさだったのでぬい用にしました。

――最初からぬい用のものみたいにぴったりですね! 工夫次第でいろいろできるんですね。

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須藤 あと、室内の場合はシチュエーションを作ると面白く撮影できると思います。ぬいが生きているような雰囲気を出せればいいなと。こういうときも小物が便利です! ミニチュアサイズの椅子とか、100円ショップの生活雑貨のコーナーで探すとかなり使えるものが売っています。300円ショップもいいですよ。

こちらの椅子は100円ショップのものだそう(記者撮影:日昇葵、日昇茜)

――小物を使うとバリエーションが出て面白いですね。……これは……大きなベッド……。(何かを想起する記者)

須藤 これは販売してないんですけど、こう、2人をベッドに寝かせられたら楽しいかなって思って作りました(笑)。

おふとんが外せるダブルベッド(記者撮影:日昇茜、日昇葵)

――完全に「楽しい」じゃないですか……。商品化しないんですか?

成田 これは確か受注が集まらなかったんですよね……。

――これを……あそこにある花の背景を使って撮影すると……?(部屋の隅にあるピンクの造花がついたボードを指す)

これはいいのか(記者撮影:日昇茜、日昇葵)

須藤 ちょっと……やめたほうがいい!(笑)

成田 これはやばい。

――わあ……これは撮影して記事にしていいんですか……?

成田 自社キャラだから大丈夫です。

――(心が広い……)

ぬいの洗濯、どうする!?

――ちなみにぬいのお手入れってどうすればいいんでしょうか。

須藤 私のぬい、もうぼろぼろですよ(笑)。毛玉になるような衣装を着せたりしているので……。そういうときは人間用の毛玉取りを使います。でも毛玉ができるかどうかはぬいの生地によります。うちの子(サンライズのぬいぐるみ)は全然大丈夫ですよ。

――汚れてしまったときはどうしたらいいですか?

須藤 ぬいぐるみ用のスプレーが売っているので、まずはそれを使ってみてください! それを使って落ちなかったら、中性洗剤を薄めてぽんぽんとつけてもらって、叩いて手洗いします。

――ぬいのお洋服も手洗いですか?

須藤 私は手洗いです。中性洗剤を薄めて桶にためて手洗いをして、しばらくつけておきます。ネットに入れて洗濯機で洗う方法でもいけるらしいのですが、やはりパーツが取れてしまうとか、色落ちが怖いので、やったことはありません。

ぬい撮りチャレンジの成果

 須藤さんに教えていただいたことを駆使し、記者も「ぬい撮り」を実践してみました。

就寝前の次男(記者撮影:日昇葵)

 「ぬいが生きているような雰囲気を出す」「シチュエーションを作る」ことを意識して、「眠れぬ夜のぬい」を撮影してみました。背景の会議室っぽさを限界まで消すべく、あえて背景を暗くしながら、お顔ははっきりわかるように意識して加工したところがポイントです。ひつじのポンチョを着せることで、「ひつじを数えてはいるけれど、うまく寝られない」夜の寝室を表現できたのではないかと思います。

 しかしロケーションが室内であることもあり、須藤デザイナーのものと比べると、まだ工夫の余地はたくさんあるように感じます。「ぬい撮り」カルチャー、まだまだ奥が深そうです!

 

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