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吉本、岡本社長異例の5時間半会見、現地記者はどう見たか 記者席からは「最初の話と違う!」と怒号も(1/2 ページ)

会見会場ではなにが起きていたのか。

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 7月22日、吉本興業の岡本昭彦社長が所属タレントの直営業(闇営業)を巡る一連の問題や騒動について涙ながらに謝罪しました。5時間半に及ぶ会見を記者はどう見たのか、現場の空気をお伝えします。

14時開始の会見にマスコミは10時前から待機

 岡本社長会見の連絡が入ったのは21日20時30分ごろのこと。吉本興業の関連会社「よしもとアドミニストレーション」から22日に会見を開く旨が報道各社に通知されました。この連絡によると、マスコミ受付は12時30分からと記載されていましたが、スチール位置が先着順ということもあり、会場の開場間もない11時時点で既に25人のスチルカメラマンが集まっていました。

 受け付けでは名刺の提示が求められた後、「リリース(会見のお知らせ)を印刷したもの」を提示するよう求めていた他、「都合によりプレスパス(報道であることを示すシール)の確認を複数回行う可能性があるので、分かりやすい位置で貼ること」など珍しい注意事項もありました。

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 そこから待機列でべた座りして、会場への入場を待ちます。先頭集団のカメラマン・記者によると「9時前から現場周辺に待機していた」とのことで、待機列に並ぶ間も予定稿を書いたり、編集部に連絡したりと、各々あわただしい様子でした。

岡本社長の会見に集まったマスコミ

12時30分入場

 12時30分になったのでいよいよ会場への入場が始まりました。ロビーにぎっしりと集まったカメラマン、記者、レポーターが順番に会場入りしていきますが、この際にも吉本のスタッフや会場のスタッフがプレスパスを何度も確認していました。

 ねとらぼ編集部はスチルポイント中央2列目の位置。一部のカメラマンは早朝から現場入りしていたこともあり、既にこの時点でぐったりしている状況でしたが、吉本のスタッフたちが水を配ったり、声を掛けたりしているのが印象的でした。

 また近くにいたカメラマンは「宮迫博之さん、田村亮さんの会見開場は本当に小さくてすし詰めの状態だったが、今日の会場はかなり広くてありがたい。足が崩せる」と話していました。これについてねとらぼ編集部が吉本のスタッフに確認したところ、会見に訪れていたのはマスコミ約100社で、記者やカメラマンなど合わせて約300人。これは山里亮太さん、蒼井優さんの結婚発表会見と同程度の高い関心度だと言い、「あえて広めの会場を選んだと聞いている」とのことでした。

会見場裏から聞こえる異様な拍手

 そしていよいよ14時に迫るというころ、吉本のスタッフたちがあわただしく動き始めました。会見の始まる直前、資料を配布し終えた複数のスタッフがバックヤードに向かったかと思うと、突然「よろしくお願いします!(拍手)」という掛け声が聞こえてきました。これには記者やカメラマンも驚いた様子で「お詫び会見で拍手って初めて見た」「吉本アウトー!」と言った軽口も聞かれました。

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配布された当日の資料

会見スタート、芸能リポーターの質問に凍り付いた会場

 そしていよいよ始まった会見では、岡本社長の他、藤原寛代表取締役副社長、東京マネジメントセンター長の中村聡太さん、吉本興業ホールディングスの法務本部長・小林良太さん、よしもとアドミニストレーション広報室長の笠井陽介さんらが出席しました。

涙ながらに謝罪する岡本社長

 会見ではまず小林法務本部長から時系列に沿った経緯の説明が行われたほか、岡本社長から「今回、反社会的勢力からタレントが金品を受け取ってしまったことに関しまして、事務所を代表しまして深くお詫び申し上げます」と謝罪の言葉がありました。また宮迫さんや亮さんに対しても「ああいう記者会見させてしまったことに関しまして、2人に対して深くおわび申し上げます」と頭を下げ、2人の処分を撤回する意向を示しました。

冒頭では小林法務本部長から説明

 これには現地記者も騒然。「そもそも亮さんについては事実上は契約解除に至っていないのでは?」「なんで撤回するのか分からない」といった声がリポーター陣の居た席から漏れ聞こえてくる中、岡本社長は「コンプライアンスの徹底」「芸人・タレントファーストで物事を考える」といった方針を涙ながらに語りました。この様子については、会見開始から涙目だった藤原副社長も沈痛な表情を見せたほか、中村東京マネジメントセンター長も苦しそうな様子で聞き入っていました。

沈痛な表情を浮かべると中村東京マネジメントセンター長(左)と藤原副社長(右)

 その後は質疑応答の時間。一斉に手が上がる中、まず質問したのは、芸能リポーターの川内天子さん。「処分の撤回の理由」について尋ねますが、岡本社長は「会社の方針」と回答しつつ、うまく言葉を紡げない様子です。川内さんから「そうじゃなくて」とツッコまれる場面もありましたが、岡本社長はあふれ出る感情をうまく言葉にできない様子で、要領を得ない回答に終始しました。

 また続いて質問したのは芸能レポーターの石川敏男さん。「質問時は会社名と氏名を名乗る」というルールに沿わない「あの~社長ね」と話し言葉での質問にカメラマンからは「誰だ?」の声が上がったほか、後ろを振り返る人も多数。「テープは録ってないだろうな、とおっしゃったそうですがどんな意味だったのでしょうか」という核心を突く質問に岡本社長は言葉を詰まらせながら「金銭を受け取ったということがその場で分かったので、そういう被害に遭わせた方々のお金でもありますし、謹慎ということで1回目のフライデーさんに出た4人と2回目に出た7人、計11人に来てもらって。別々の部屋に集めて謹慎ということと、謹慎を発表するにあたってのリリースを見てもらうことと、その後のコメントの打ち合わせで話を進めておりましたところ、2回目の7人に関してはスムーズに終わり、一方1回目の4人の方は非常に時間がかかっておりまして。他方、関係各所にお伝えする準備、あるいは、リリース等ある中で、時間が掛かっているという連絡があったので、彼ら4人がいてるミーティングの部屋に僕も参加しました。そこにはうちのスタッフ2人と法務の人間と顧問弁護士と……」と細かい説明を続けますが、石川さんはここで「大変申し訳ないんですけど」と回答に割り込み「社長の中に『テープがどっかに流れたらつらい』という思いがあったんじゃないですか? 会話がテープに録られて表に出されたらまずいと」と再質問。

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 これについては「テープを録ってんちゃうのというのは、僕的にはそのミーティングがなかなか進んでいなかったので、しゃべりづらいのか、環境がちょっと違うのか。なので僕1人と彼ら4人で向き合ったときに、1つは冗談で『テープ録ってんちゃうの』と」と回答。これには石川さんから「冗談だったんですか?」と追及があったほか、カメラマンからは「冗談って……」という声が漏れ聞こえました。その後、岡本社長は細かい説明を再度続けましたが、最終的には石川さんが「分かりました。ありがとうございます。レポーターの石川敏男でした」と強引に切り上げ、次の質問へと移行しました。これには一斉に会場が凍り付き、社長の回答に対して記者席から「はぁ~?」という声も上がっていました。

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