レビュー

「凪のお暇」実は似た者同士、凪と慎二の“すれ違い”を検証してみた 慎二はこのドラマの“裏主役”だ(1/2 ページ)

職場の憧れ、我聞慎二(高橋一生)の行動が小学生レベルに見える。

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 7月26日に放送された「凪のお暇」(TBS系)の第2話。賛否両論渦巻く存在、我聞慎二(高橋一生)を目で追わずにいられない。彼は、このドラマの裏主役である。

凪(黒木華)の引越し先に、元カレ我聞慎二(高橋一生)が現れて…… イラスト/まつもとりえこ

慎二、また泣く

 全てを捨てて人生のリセットを決意した大島凪(黒木華)の目にふと入ったのはさまざまな支払い用紙。凪は危機感を覚え、失業保険の給付を受けるためにハローワークへ。そこで担当者ともめていた坂本龍子(市川実日子)に凪は勇気を出して話し掛け、仲良くなる。しかし、その後の食事で龍子は凪にパワーストーンを売り付けようとしてきた。今までなら断れなかったが、今回はキッパリ断って立ち去った凪。後を追い掛けてきた龍子は謝罪し、「こういうことをしてたら友だちいなくなっちゃった……」と悔やむ。同情した凪は普通の友だちとして龍子と付き合うことにした。

 ある日、凪は隣人の安良城ゴン(中村倫也)から近所の公園へバーベキューに誘われる。ゴンが持つゆるっとやわらかな空気に癒される凪だったが、ゴンと家に戻ったところで慎二と出くわす。凪は隣に住む白石うらら(白鳥玉季)と予定があると慎二を避けたのに、なぜか凪の部屋でみんなでトランプをする流れへ。結果、アパート住民らのほっこりした雰囲気を嫌がった慎二が部屋を出て、その後を凪は追った。慎二は素直な気持ちを凪に伝えようとするが、心にもない余計なことを言い、凪に平手打ちされてしまう。慎二はまた、号泣しながら帰っていった。

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凪が人生を変える原動力は皮肉にも慎二

 この作品は慎二とゴンの間で凪が揺れ動く恋愛ドラマではなく、凪が自立する姿を描く成長物語だと思っている。

 龍子からパワーストーンを売り付けられそうになったとき、凪の頭に慎二とのやり取りが思い浮かんだ。

 「俺が声掛けるほうだったら、凪に絶対声掛けるもん。だって、お前いい人そうだし。あっ、いい人ってのはどうでもいい人ってことな。ナメられてんだよ、お前」

 「あいつは変わる必要なんてないんだ!」とくだを巻く慎二の言葉は、凪が過去を捨てて奮い立つきっかけになることが多い。皮肉な話だ。

 慎二の言葉に傷付けられてきた凪のお暇の相手として、ゴンは重要な存在である。“芝ドン”するなど距離感ゼロで近付いてきて、「君、面白いよね」と自分を肯定してくれる癒やしの隣人。

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 何でも素直に口にするゴンと、不器用過ぎて凪に本心が言えない慎二。凪を傷付ける慎二と、凪を肯定するゴン。両極端な2人は、実はどちらも凪の成長の糧になっている。

2話の見どころ。慎二はまた、号泣しながら帰っていった イラスト/まつもとりえこ
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