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「5Gでムクドリ大量死」デマ拡散 2018年にFacebookで流行したフェイクニュース

ムクドリが死んだのは5G試験のあった3カ月以上後で、無関係。

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 「5G通信の電波によりムクドリが大量死した」とのデマがSNSで拡散されています。

 発端は「女性自身」が8月28日に掲載した「ムクドリが大量死!次世代通信規格5Gはベルギーでは導入中止に」という記事。当該記事では専門家として医療・環境ジャーナリストの船瀬俊介さんの見解を引用しつつ、2018年にオランダ・ハーグでムクドリが大量死した事件について「5Gのマイクロ波が鳥たちの心臓を止めたということでしょう」と紹介していました。

Twitterで「5g ムクドリ」と検索すると、一時Biglobeニュースに配信された女性自身の記事が最上部に表示されていた

 ハーグで10月~11月にかけ、ムクドリの大量死があったのは事実(Snopesによると、ムクドリ337羽、モリバト2羽)。しかし当時その付近で5G通信のテストが行われた事実はなく、また同年6月28日に近くの地域で5G通信のテストが行われた際にも鳥の大量死などは報告されていませんでした。

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【8月28日21時追記】死んだ野鳥の種類、数、期間に誤りがあったため表現を修正しました

 フェイクニュースの検証を専門とする米「Snopes」は、5Gによるムクドリの大量死について、2018年11月に「False(嘘である)」と判定しています。Snopesによると、このデマを最初に大々的に記事化したのは、Erin Elizabeth氏のブログ「Health Nut News」。さらにその記事も、反5Gの陰謀系サイトを複数運営するJohn Khules氏がFacebook上で拡散していた内容を参照しながら書かれたものでした。

 確かにベルギーやスイスなど、健康への影響に不明点があるとして5G導入に慎重な国も存在します。しかし無根拠なデマは正確な検証や議論の妨げにしかなりません。この件でTwitter上では5Gのムクドリへの悪影響を信じる人が少なからず見られた一方で、「フェイクニュースである」との注意喚起も広く拡散されていました。

 なお「女性自身」では同じく8月28日に、丸山アレルギークリニックの丸山修寛医師への取材記事「発がん性を指摘する声も…“5G規格”で懸念される体への影響」も掲載。こちらの記事では「5Gは4Gよりさらに波長が短い高周波ですから、さらに危険度は増す」「丸山先生によれば、電磁波の影響で乳がんが心配される理由のひとつがブラジャーに使われているワイヤが電磁波を集めてしまうせいではと懸念されるとか。『ブラジャーもできればノンワイヤにするほうが安心です』」といった主張も展開していました。

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