レビュー

NHKよるドラ「だから私は推しました」不仲メンバーがステージでつかみ合い、マイクの奪い合いの5話 推しのこんな姿を見たら確実に泣く!(1/2 ページ)

リアル解散まであと1カ月……。

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 NHK「よるドラ」「だから私は推しました」(NHK・土曜23時30分~)第5話。

 大規模なフェスへの出場をきっかけに人気が出はじめていた「サニーサイドアップ」だったが、メンバー間の嫉妬や確執によって解散の危機が訪れる。

絶好調に見えたサニーサイドアップに解散の危機が訪れる イラスト/北村ヂン

女子集団で「ありそう」ないざこざ

 センターでリーダー、不動の一番人気だった原花梨(松田るか)。対して、おそらくファッションリーダー的ポジションで女子人気が急上昇している那須凛怜(松川星)

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 凛怜は、アイドル活動を「就活の一ネタ」と言い切っており、泥くさい営業仕事は学業を理由にして休み、おいしい仕事の時には張り切って参加。いかにも、もめ事を起こしそうな存在だ。

 その上、凛怜人気で調子に乗った運営が凛怜メインのイベントを企画。ピリピリムードの中、凛怜センターでライブがはじまるが、歌詞をうろ覚え状態で歌はズクズク。ブチ切れた花梨はマイクを奪い取って自分で歌う。凛怜は花梨を突き飛ばしてマイクを奪い返す。ザ・地獄絵図!

 自分が激推ししているアイドルグループが、目の前でこんなケンカをはじめたら、確実に泣く! こんなことになるまで、メンバーを放置している運営がクソ過ぎるという話ではあるのだが……。

 中心メンバーふたりの不仲が決定的となり、解散がちらつき出すサニーサイドアップ。しかし、学生時代いじめられていたという栗本ハナ(白石聖)は「あそこしか私の居場所ないんで」ということで遠藤愛(桜井ユキ)に相談をし、解散を阻止しようとする。

 これまでは、アイドルにドハマリしていくオタク側を中心に展開していたが、今回はアイドルの楽屋裏をのぞき見しているような構成。

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 既視感ありまくるオタクたちと違って、アイドルの裏の顔は見たことがない世界だが、集団で起こるこの手のいざこざが「ありそうだなー!」というリアルさで描かれていた。

 ただ前回の、推しが大舞台に立って感涙するオタクを見て、こっちまで感情移入して涙を流しちゃうような没入感はなかった。物語の中心がハナなのか愛なのか、はたまた花梨なのか……主体がボンヤリしていたせいだろうか。

それぞれのメンバーを支えるオタクたちの思いが危機を救う イラスト/北村ヂン

オタクとの絆で解散は回避されたが……

 解散発表寸前までいっていた「サニーサイドアップ」を救ったのはオタクたちだった。

 花梨は、アイドルになる以前からの古参・小豆沢大夢(細田善彦)から説教され。凛怜は、これまた古参オタクのカッキー(榎田貴斗)が書いた「凛ちゃん論」を読んで考えを改めた。

 アイドルの危機をオタクが救うという、「サニーサイドアップ」とオタたちの絆を感じるいい話ではあるのだが、まったくホッとできないのは、近いウチに結局、解散ライブとなってしまうからだ。

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 第1話のスタートは、愛が取り調べを受けている時点から1年2カ月前の2018年4月だった。つまり。サニサイの解散ライブが行われる「現在」は2019年6月ということになる。

 第4話の「アイドルサマーフェスティバル」はおそらく2018年8月ごろ。そして今回の話が「アイサマから9カ月後」。つまり2019年5月ごろ……。本当の解散ライブまで残り1カ月程度しかないのだ。

 何だかんだで今回の確執が尾を引いて解散に至ってしまうのか、それともまた別の要因が生まれるのか?

 そして解散ライブと時を同じくして、厄介オタだった瓜田勝(笠原秀幸)が何かしらのもめ事を起こし、愛が警察に捕まるような事態を引き起こすわけだが、ライブ会場で激昂して退場させられて以来、瓜田が回想パートにまったく登場していないのが不気味。いつ再登場するのか……。

 かと思えば、現在パートでは瓜田が死んだと思われる発言が。愛自身が突き落としたにしろ、誰かをかばっているにしろ、傷害と殺人ではかなり罪の重さが違う。ますますツライ展開が予想されてしまう。

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