花王化粧水の英文パッケージをよく見たら関西弁 裏コンセプトは「そんなに頑張らんでもええんやで」
「メンズビオレSMART」のパッケージがイケてます。
セブン-イレブンで買った男性用化粧水の英文パッケージが、よく見たらローマ字で、しかも関西弁だったと話題です。製造者である花王に「なぜ関西弁にしたのか」を聞きました。
話題となっている商品はセブン&アイ・ホールディングスと花王が共同企画した「メンズビオレ SMART」。化粧水ミストのパッケージには「Are! Yo mitsuketana. Kore, nihongo yanen.Mainichi isogashii Men's ni relax to refresh wo todokeru Smart skin care yade.(あれ! よう見つけたな。これ日本語やねん。毎日忙しいメンズにリラックスとリフレッシュを届けるスマートスキンケアやで)」とあります。
この商品は、2019年6月19日からセブン-イレブンとイトーヨーカドーの一部店舗限定で販売されています。
花王によると、パッケージに関西弁の表記を入れたのは、商品に裏コンセプトがあったから。表向きは“速攻スキンケア”など機能をアピールしていますが、裏には、頑張るメンズがお母さんに「そんなに頑張らんでもええんやで」「肩の力抜いて行こうよ」といわれるような、スキンケアがそういうリラックスできる時間になるようにとの思いが込められています。
関西弁なのは、たまたま両社の開発メンバーに関西出身者が多かったことも理由にあります。関西弁の「ええんやで」「ええねん」が英語に響きが似ていることもあり、この肯定する言葉を使いたかったんだそうです。
パッケージの表記はなかなか読んでもらえない実情があります。どうせ読んでもらえないなら、よりスマートに、デザインのようにしてはどうだろうと考えました。小さい文字で書かれているため、もしかしたら、永遠に気付かれないかもしれないという気持ちはあったそう。それでも気づいた人が、使うときにほっこりした気持ちになってくれればという思いで入れました。
ネットで話題になることを狙った意図はなく、「Are! Yo mitsuketana.(あれ! よう見つけたな)」という書き出しは担当者の本音です。現在、話題となっていることは担当者も驚いており、素直に喜んでいるそうです。
「メンズビオレ SMART」のシリーズには「ジェル洗顔料」「化粧水ミスト」「洗顔シート」がラインアップされています。それぞれパッケージの文言は微妙に異なります。洗顔シートは「Ganbarandemo,eenyade.(頑張らんでも、ええんやで)」と温かい一文で締めくくられています。
(高橋ホイコ)
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