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「1分たりとも残業は許さん」 “残業”と“遅刻”、捉えられ方が逆だったら? 「もしもの世界」描く漫画に反響

楽そうに聞こえるけれど、実際はどうなんだろう。

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 「日本人は始業時刻に厳しい反面、終業時刻にはルーズで残業が多い」といった言説をしばしば見かける昨今、そんな社会を皮肉った漫画「もしも残業と遅刻の捉え方が逆だったら」が好評を博しています。つまり、遅刻には寛容で残業には厳しい「もしもの世界」……我々の世界とどう変わってくるのか?

働き方はどう変わる?

 イラストレーターの橋本ナオキさんが手がける「毎日でぶどり」シリーズの1編(関連記事)。漫画は主人公のでぶどりが、2時間遅れで出社するシーンで始まります。普通なら上司にこってり絞られそうなところですが、ここは価値観が異なる世界。怒られるどころか周囲には当たり前のように見られ、でぶどりもやむを得ず遅刻している口ぶりです。

 でぶどりいわく、「本当は始業時間ピッタリに来たいけど、みんなが遅刻するなかで1羽だけちゃんと出社するのは気が引ける」。なかなか混乱させられるセリフですが、我々の世界でありがちな「みんなが残業しているのに自分だけ帰るのは気が引ける」にあたることを言っているようです。そうか、まわりに合わせて遅刻しろと、同調圧力がかかる世界なのか。

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 そんな会話を聞いて、上司は「遅刻するのはけっこうだが、月の遅刻時間は45時間までだぞ」と注意。でぶどりの「時代ですなあ……」というつぶやきから察するに、たぶん昔は月100時間単位の遅刻も当たり前だったところが、「働き方改革」で制限されるようになったんでしょうね。

 そして業務について7時間後。わずかながら規定の終業時刻を超えていることに気付き、でぶどりは大あわてで帰宅します。必死さが、我々が寝坊したときのそれ。

 こっそり会社を出ようとしたそのとき、でぶどりは上司に見つかり「1分たりとも残業することは許さん! 明日意地でも遅刻して帳尻を合わせろ!」としかられてしまいました。「毎日定時退社するよう気をつけます」と謝ると、上司は「余裕を持って15分前に退社しろ」と指導。甘やかされているようにも聞こえますが、きっとその語気の通り、この世界における厳しい叱責なのでしょう。

 その夜、でぶどりは「5分も残業してしまうなんてみんなに申し訳ないな」と反省。明日はいつもより多めに3時間半は遅刻していこうと決意して就寝するのでした。ぐっすり眠ってゆったり出勤できそうですが、あまり幸せそうには見えません。作中の「残業」と「遅刻」を入れ替えて我々の世界に当てはめて考えたら、彼の職場はとても健全ではありませんから。

 このシリーズは『会社員でぶどり』として書籍化されており、9月13日に2巻が発売されています。

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作品提供:毎日でぶどり公式アカウント

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