福士蒼汰&横浜流星「4分間のマリーゴールド」今夜スタート ハイキックと悪女の菜々緒が悲劇のヒロイン? 原作から完全予習(1/2 ページ)
死の運命は見える、だが運命を変える力はない……なんて悲しい特殊能力。
金曜ドラマ「4分間のマリーゴールド」(TBS系金曜よる10時~初回は15分拡大)が本日スタートする。福士蒼汰演じる新米の救急救命士の花巻みことには、他人と手を重ねると「死の運命」が見えるという特殊な能力があった。
原作は『ビッグコミックスピリッツ』に連載されたキリエのコミック。キリエはかつて高橋留美子や青山剛昌も受賞した小学館新人コミック大賞の青年部門で大賞を受賞した逸材。
タイトルからうかがい知ることは難しいが、このドラマのメインストーリーは次のようなものである。
人の「死の運命」を見ることができる特殊な能力を持つ救急救命士の花巻みこと(福士蒼汰)が、義姉の沙羅(菜々緒)と禁断の恋に落ちる。しかし、沙羅の余命は1年だった……!
ちょっと落ち着こう。情報が多すぎて渋滞している。このドラマのあらすじには、
- 人の「死の運命」を見ることができる特殊な能力を持つ男
- 救急救命士
- 義姉との禁断の恋
- 余命1年
という、それぞれの要素だけでドラマが1本ずつ成り立つような大ネタが4つも詰め込まれているのだ。
しかし、原作者のキリエは、情報過多に陥ることなく、余白と余韻を持たせるような画作りで、わずか3巻でこの物語を描ききってみせて、しかも随所で泣けるという離れ業をやってのけている。
「おれには誰も救えない」
設定をあらためて紹介しよう。新米の救急救命士の花巻みことには特殊な能力があった。患者と手を重ねれば、その患者がいつどのように死ぬかが見えてしまうのだ。そして、彼にはその運命を変える力はない。
彼の家族は4人(と1匹)。父一人子一人で育ったみことだが、父の再婚によって異母兄弟たちと新しい家族を築いていた。元ヤンキーで警備員をしている長兄・廉(桐谷健太)、料理を担当する高校生の末っ子・藍(横浜流星)、そして画家の義姉・沙羅だ。みことの父は亡くなり、フリーカメラマンの義母(麻生祐未)はほとんど家にいないので、実質この4人と犬のシロで暮らしている。
みことは人の「死の運命」が見えてしまうが、それでも必死に命を助けようと頑張る心優しい青年だ。だが、どれだけ努力をしても運命が変えられず、患者の死と悲しむ家族たちを見届けることしかできない。
「おれには誰にも救えない」と落ち込む彼に寄り添って、一緒に泣いてくれるのが義姉の沙羅だった。みことは心優しい沙羅に惹かれていく。沙羅も思いは同じだった。相思相愛だが、許されぬ恋。そして、沙羅と手を重ねたみことは、沙羅の「死の運命」を知ってしまう。愛する沙羅は、あと1年で死ぬ……。
ドラマの鍵を握っているのは、とにもかくにも沙羅役の菜々緒だろう。沙羅は無邪気で天真爛漫、大きな口で笑い、人一倍涙もろく、黄色とオレンジのマリーゴールドの花が大好きという人物。モノトーンの服に身を包み、サイコパスな悪女役とハイキックがよく似合う菜々緒とは真逆と言っていいだろう。公式サイトには大きく「菜々緒がナチュラル系ヒロイン初挑戦!」と書かれているが、それだけ彼女の役柄がこれまでアンナチュラルだったということだ。菜々緒がどんな役でも演じることができる女優になれるかどうかの試金石のようでもある。
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