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妊娠って大変なの? 男が育児休暇を取るって? 妊娠中の妻の逆鱗に触れまくる夫が動物に命の尊さを教わる漫画『こちらアニマル社商品企画部育児課』が勉強になる(1/2 ページ)

1話+3話試し読みあり!

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 妊娠中の妻に理解のない夫が、「知性動物」の先輩社員たちから動物たちの生態を学ぶことを通じて自身のあり方をかえりみ、ヒトとして夫として父親として少しずつ成長していく姿を描いた漫画『こちらアニマル社商品企画部育児課』。

 妊娠・出産の大変さを考えさせられる内容ながらも、個性的な「知性動物」たちにクスっと笑えるコメディタッチな部分も面白い作品です。


『こちらアニマル社商品企画部育児課』(イースト・プレス)

 人間と同等の知性と感情を持つ動物「知性動物」が人間社会で暮らす世界。つわりで苦しむ妻に心ない言葉を投げつける田中タカナリ(ヒト・オス)は「知性動物」の会社「アニマル社」への出向が決定。「知性動物」が人間社会でよりよく暮らすための商品を企画開発するこの会社で田中が配属されたのはよりにもよって「育児課」!

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 育児への関心も知識もない田中が、先輩社員の皇帝さん(ペンギン・オス)たちに教えられる動物たちの妊娠・出産の過酷さや生まれてくる子どもへの思い。田中は少しずつ、自分たちの「子育て」を考え始める――というストーリー。


妻が妊娠中の田中タカナリ。妊娠・出産に対する理解は……かなり問題アリです

先輩社員の皇帝さんや他の“知性動物”によって田中がいろいろなことを知っていきます

お腹が重いということ

 漫画は、田中と田中の妻が直面している問題(田中は全然大したことがないと思っている!)について、他の動物たちの妊娠や子育てエピソードを通じて理解が深まっていくという構成になっています。

 第3話で取り上げられているのは、「お腹が重いということ」。田中は、妻(妊婦)が感じている体の重さや体調不良に全く理解をもてず、妻の逆鱗(げきりん)に触れてしまいます。

 そのころ会社では知性動物用の「腹帯」の企画開発中。来社したタツノオトシゴの夫婦(タツノオトシゴはオスが出産するのです)の卵が入った重そうなお腹を見た田中は、妊婦の体についてネットで検索。胃や心臓の負担のことを知り妻への思いやりのなさを反省するのでした。


オスが稚魚を生むタツノオトシゴ

タツノオトシゴ夫妻の話を聞き、田中はあらためて妻の大変さを意識します

帝王切開

 第6話は「帝王切開」! 妊婦健診で逆子と言われ、浮かない顔の妻に「帝王切開のほうが楽だろ?」とあまりにも的外れな励ましをする田中。しかし動物病院で知性動物のワンちゃんの帝王切開を見学、そのリスクを医師に説明され母体の負担を考えていなかった自分をまたもや反省。お腹の子に「頭を下に出て来いよ~」と話しかけるのでありました。

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励ましのつもりが…………

自然分娩も帝王切開も、どちらもリスクがあり、どちらも負担がある

出産がこわい!

 少しずつ理解が進んできたといっても、まだまだ田中は妻の気持ちに寄り添えないところが。妻から提案された立ち合い出産を、頭から拒否してしまうのですが……そんなエピソードが描かれるのは第8話の「出産がこわい!」。

 アニマル社に「産道が狭いため痛みが強そうで、出産がこわい」と相談に訪れたブチハイエナの妊婦。何かいい方法はないかと聞かれ、田中は妻に助言を求めます。「無痛分娩もあるが、何より大切なのは夫がそばにいてくれることだ、それだけで心の支えになる」という妻に、拒否していた立ち合い出産の同意書にサインをする田中なのでした。


ブチハイエナの出産は過酷

田中、成長したな……!

 さまざまな動物の妊娠・出産・育児を学び、今までの自分の考えを改める田中は良い父親になれるのか? 先輩・皇帝さんが1年の育児休暇(卵を温めるのです!)を取る間、まともに仕事ができるのか? 動物たちの生態も学べるミニコーナーもあり、ヒトと動物の「子育て」を楽しめる内容です。

 イースト・プレスから10月17日に発売(価格は税込1100円)。作者は人気育児ブロガーの内野こめこ(@nokonokomeko)さん。監修は「ざんねんないきもの事典」で知られる生物学者の今泉忠明さんです。

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