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優等生はなぜクラスメイトの私物を盗んだのか “自分らしさ”の意味を問う漫画に「勇気貰った」(1/2 ページ)

好きなものを好きと言える世界であってほしい。

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 クラスメイトの私物を盗んでしまった小学生の悩みを描いた漫画「ぼくらのりとるちゃれんじ」が人気を博しています。「自分らしさ」について考えさせられるお話です。作者は漫画家の桐島由紀(@yukirishima0212)さん。

 クラスの男子に人気の女の子、宮原さんの消しゴムや鉛筆が盗まれる事件が発生します。犯人は見つからず、男子は「女子のあてつけかも」とうわさしますが……犯人は優等生の藤井くんでした。かわいい柄の入った文具を「欲しかったから」盗ったのです。


クラスメイトの消しゴムを盗ってしまう藤井君

 学級委員としてクラスをまとめ、先生の評価も高い藤井くんですが、やがて盗んだことがバレてしまいます。「ガッカリした」という先生の言葉にショックを受け、重い気持ちを抱えた帰り道で偶然宮原さんと出会います。

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 宮原さんは、盗まれたのは「ママが勝手に買ってくる、いらないもの」だから気にしていないと言いますが、藤井くんは人としてやってはいけないことをした、先生の期待や周りの信頼を裏切って「みんなをガッカリさせた」と涙をこぼします。その言葉に、「勝手に決めつけて勝手にガッカリするなんておかしい!」と憤る宮原さん。彼女もまた、かわいいからと着たくないフリフリの服を着せられたり、劇で勝手にお姫様役にされたりと、周囲の期待に苦しんでいたのです。


“周囲の期待”に苦しむ宮原さんだから、藤井君の気持ちが分かったのでしょう

 翌日、宮原さんは藤井くんを買い物に連れ出し、それぞれ本当に欲しかったものを買います。宮原さんが欲しかったのはかわいいグッズではなくヒーローの変身ベルト。そして藤井くんが買ったのはファンシーグッズ――周りの目が怖くて買えず、宮原さんから盗んでしまっていたもの。「いつかはちゃんと一人で好きなことが出来ると良いなって思う」。そんなことを思いながら、2人は「また明後日」と分かれるのでした。

 自分らしさや自分が好きなものと、周りの人から見た自分。それが隔たっていると、自分を押し殺して期待に応えようとして苦しむことも……。自分の気持ち、自分の「好き」を大事にしないといけないな、と思うお話です。読者からは「彼らが堂々と好きなものを好きって言える世界であって欲しいなって感じました」「勇気貰った」といったコメントが寄せられています。

 その後、10年後の2人の後日談も公開されており、ロックなファッションに身を包んだ宮原さんと、カバンにファンシーグッズを入れている藤井くんが描かれています。2人とも、一人で好きなことをできるようになってよかった!

 同作は、桐島さんのデビュー作。桐島さんは読み切り作品としてゲッサン12月号に「ホワイトクリスマス」、さんでーうぇぶりに「Famiiy」を掲載しています。

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「ぼくらのりとるちゃれんじ」

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