レビュー

福士蒼汰&菜々緒「4分間のマリーゴールド」衝撃の最終回へ 幸せの絶頂に突っ込んできたダンプカー、2人は“4分間”を超えられるのか(1/2 ページ)

原作通りでした、すみません。

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 「私、今、すごく幸せ。ありがとう」「俺もだよ」

 ブォーッ、ガシャーン!(ダンプカーが車とぶつかる音)。

 幸せの絶頂から突然死の間際へ。人生とは、運命とはそんなものかもしれない。福士蒼汰、菜々緒主演の「4分間のマリーゴールド」。人の「死の運命」が見える救急救命士・みこと(福士蒼汰)と、余命1年の義姉・沙羅(菜々緒)との禁断の愛を描く物語が最終章に突入した。

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車内でふたりきり。幸せでおだやかなみことと沙羅のシーンから、衝撃の9話ラストへ! イラスト/まつもとりえこ

 前回のレビューで「原作のあの終盤の衝撃の展開は描かれないような気がする」と書いたが、とんでもない見込み違いだった。申し訳ない。先週放送された9話のラスト、みことと沙羅が乗っている車が突然事故に遭うのは原作の通り(車の横腹にトラックが突っ込んできて壁と挟まってしまう原作のほうが事故の具合は激しい)。

 もうちょっと遠回しにラストに着陸するのかと思ったが、ドラマでもストレートに映像化してみせた。「次週、衝撃の展開!」などと煽らなかったドラマ側の上品さが良かった。視聴率は少し上昇して7.0%。

余命一年の沙羅(菜々緒)と救急救命士のみこと(福士蒼汰)は義理の姉弟の恋の行方は? 今夜運命の最終回 イラスト/まつもとりえこ

横浜流星&桐谷健太、愛の告白

 みことと沙羅の結婚が決まり、末弟の藍(横浜流星)も希望通り調理師の専門学校に進学できそうで長兄の廉(桐谷健太)も機嫌がいい。一時はドロドロだった花巻家だが、今は全体的に調子がいい。

 「ちょっと前までゴタゴタしてたもんね。私のこととか」

 「でも、だからみんな、自分の人生見つめ直して、本当の気持ちとかやりたいことを思い直してさ、今、毎日を大事にできてるんだと思う。前向きに」

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 沙羅の死の運命が解決したわけではないが、それぞれが人生は有限だと考えて、「本当の気持ち」を大事にするようになった。藍は同級生の琴(鈴木ゆうか)に思いを伝える。

 最初は「ありがとう」と感謝を伝えただけだが、積極的な琴の「あとは?」攻撃を浴びて壁際まで追い込まれる藍。そこで体勢をくるりと入れ替え、まっすぐ相手を見つめて一言。

 「俺は、琴のことが好き。……付き合ってください

 ベタだけど、これは嬉しいよねぇ。廉も負けてはいない。わざわざ金沢まで出向いて、元恋人の千冬(磯山さやか)に「本当の気持ち」を伝える。

 「俺は、俺は、またお前と付き合いたいと思ってる。……ちゃんと言おう。俺と一緒になってくれ

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 普段クールな分だけまっすぐな気持ちが強く伝わる横浜流星、もともと感情の出力が高い桐谷健太に比べて、ずっと弱火なままだった福士蒼汰、菜々緒カップルだったが、こうなると負けてはいられない。海辺で指輪を渡し、キスして見つめ合う。

 「幸せになろう

 「うん、ありがとう

 笑いながら額を突き合わせるところでオープニング。アバンタイトルだけでかなりのカロリー高めだった。

ひとめでわかる人物相関図 イラスト/まつもとりえこ

死の運命があるから懸命に生きられる

 「呼吸停止してから、2分以内に心配蘇生を開始すれば、助かる可能性は90%。3分で75%、4分で50%。もちろん処置は1秒でも早いほうがいいんだけど、なんとなくこの4分間って数字が運命の分かれ道のような気がして、いつも意識してる」

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 みことたちが救命の講師として小学校に出向く。そこには沙羅の旧友で教師の滝沢(市川知宏)と反抗的な少年の直哉(「僕らは奇跡でできている」の川口和空)がいた。ある日、直哉をかばって滝沢が負傷、急性硬膜外血腫で意識不明に陥る。

 直哉は滝沢が大切にしていた花壇を手入れし続け、涙ながらに呼びかけると、奇跡的に滝沢が意識を取り戻した。安堵する一同だが、みことは死の運命を見ることができなくなっていた

 「それが突然見えなくなって、正直不安で。でも、今は見えなくなって良かったと思ってる。……運命って何なんだろう」

 見えなくなって良かったと思うのは当たり前のような気がするが、とにかくみことは運命を知りたいと思い、それを変えようとあがいてきた。それでも変えられないから「運命」というのだと思うのだが。みことは沙羅に語り続ける。

 「もうずっと変えられない運命を変えてみせるって、そればっかりに必死で、本当に大切なことがわかってなかった気がする」

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 「大切なこと?」

 「運命が見えなくなってわかったんだ。ただひたむきに、目の前の誰かに全力を尽くすこと。そのために前を向くこと。それがきっと奇跡を起こすんじゃないかって」

 死の運命がわかるようになったときは、運命を変えることに必死だった。だけど、運命を変えるのではなく、目の前の誰かに全力を尽くすことが大切だと気づいたということだろう。ただ、運命が見えなくなったことがそのきっかけになった理由はよくわからない。

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