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多すぎる蔵書を手放すために開いた「わたし書店」 やってきたのは…… 本がもたらす出会いを描いた漫画に引き込まれる

温かい絵柄とストーリーがほっこりさせる。

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 本を手放すためにお店を開いた女性と、お客さんとしてやってきた男性。本が大好きな2人が出会い、文字を追っていた視線が互いを追いかけるようになるまでを描いた漫画「わたし書店」に引き込まれます。作者は漫画家のイマイマキさん(@koguma_kanoko)です。

創作漫画「わたし書店」

 集めた本が部屋からあふれだしてしまった読書家の女性。床が抜けることを心配したお母さんから、本の山を捨てるように命じられます。本の重みで床が抜けるところを想像して愉快な気持ちになりつつも、足元がミシミシと軋む音を聞いて処分すると決意。

 女性は庭にレジャーシートを敷き、「わたし書店」を開店します。値段は決めずに応相談としました。果たしてお客さんは来るのでしょうか?

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 いくら待てども「わたし書店」には閑古鳥一羽訪れません。あまりに退屈だったのか、お茶と軽食まで用意して、木漏れ日の下で読書を始めてしまう女性。彼女がすっかり目的を忘れたころ、ようやく初めてのお客さんが来店します。

 本の値段を尋ねられ、目を見開いて驚く女性。反応から察するに、そもそも最初から売る気はなかったのかもしれません。

 女性の答えは「…いちまんえんです…」。1万円を持っていなかった男性は、代わりにいろいろな話を始めます。この本が欲しい理由、本の作者への愛、本という「もの」に対しての愛。

 ふと我に返った男性は「なんか俺 気持ち悪いっすね」と照れ臭そうに笑います。そんな彼の姿を見て、女性もまた照れ臭そうに、無償で本を譲り渡すのでした。

 翌日から彼は足しげくお店に通うようになります。肩が触れ合うような距離で本について語り合い、本を手渡してお別れする毎日。そんな日々が続くうち、売り物の本はすっかりなくなってしまいました。

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 「わたし書店」閉店の日。女性は本を失った喪失感よりも、もう男性と会えないことを悲しみ涙します。

 ところが、その日も男性は「わたし書店」があった庭を訪れました。

 「もう差し上げられる本がないんです」と悲しむ女性に対し、男性は「あなたがほしくて来ました」と告白の言葉を伝えます。

 彼女の本は彼の本になり、彼の家は彼女の家になりました。何より幸いだったのは、男性の家の床が頑丈だったことでしょう。2人は大好きな本に囲まれながら、大好きな人と日々を過ごせるようになったのでした。

 温かみのある絵柄とストーリーにほっこりする人が続出。Twitterでは「短い台詞に多くの感情や情景が詰め込まれていて世界に引き込まれた」「素敵な運命とオチが好き」「かわいいし台詞が好き」と物語の世界にどっぷりと引き込まれた人たちのコメントが寄せられています。

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画像提供:イマイマキ(@koguma_kanoko)さん



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