連載

女子鉄アナウンサー久野知美さんと振り返る「2019年の乗り鉄話題ベスト10」月刊乗り鉄話題(2019年12月特別編)(3/3 ページ)

ムフフ~今回はいつもよりウッキウキ。皆さん、2019年はどんな乗り鉄を楽しみましたかー?

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【3位】「おおさか東線」延伸

杉山 2019年3月16日、新大阪駅と放出駅を結ぶ区間が開通して「おおさか東線」は新大阪~久宝寺間で全線開通しました。貨物線に駅を作って旅客化して路線です。


全線開通したおおさか東線。新しい線路に国鉄時代製造の電車が走る

久野さん 延伸区間乗りに行きました! 赤川の鉄橋、歩けたころが懐かしいなぁ(笑)

杉山 さすが関西出身の久野さん。赤川鉄橋は正式には「城東貨物線淀川橋りょう」といいまして、複線用の鉄橋です。しかし当面の間は単線で使用されて、空いたスペースが歩道になっていました。間近で貨物列車を見物できる名所だったそうです。おおさか東線への改良工事でこの橋は複線になり、歩道はなくなってしまいました。

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おおさか東線の赤川鉄橋こと「淀川橋りょう」。もう歩道はありません

“歩けた”ころの赤川鉄橋の様子(写真:久野知美)

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【2位】「相鉄・JR直通線」が開業

杉山 「相鉄・JR直通線」の開業は首都圏のビッグイベントでした(関連記事)


横浜羽沢国大駅と相模鉄道12000系

海老名にJR埼京線の電車が来た

 これまで横浜発着で神奈川県内だけを走っていた相模鉄道が、西谷駅から横浜羽沢駅まで新線を建設し、JRの東海道貨物線を活用してJR埼京線をここまで延長して、相互直通運転が始まりました。相模鉄道の「ヨコハマネイビーブルー」の車両はJR渋谷駅や新宿駅でも注目を集めました。

久野さん 大出世した「西谷駅」、新駅「羽沢横浜国大駅」をはじめ、沿線の皆さんの熱気がすごい! 私がMCを務めるNHKラジオ「鉄旅・音旅 出発進行!」でも直通開業当日に特集をしました。試運転の時にJR線で相鉄12000系(関連記事)を見た感動も計り知れませんでしたが、開通しても、あの横浜ネイビーブルーの列車を目線で追いかけている自分に気づかされる毎日です。

杉山 ああ、分かります。都内の電車はほとんど銀色だから、相鉄線の車両は異彩を放ちますよね。でもワタシ、あの前面デザインを見ると、なぜか「三年鬼面組」「ハイスクール鬼面組」の出瀬潔クンを思い出します。どうでもいい話でスミマセン。

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【1位】「三陸鉄道」が全通

杉山 東日本大震災で被災したJR山田線の沿岸区間をJR東日本が整備して三陸鉄道に譲渡しました。これで三陸鉄道北リアス線と南リアス線の間の区間も三陸鉄道となって、2019年3月23日に「三陸鉄道リアス線」になりました。


2019年3月23日「三陸鉄道リアス線」が全通(写真:久野知美)

久野さん 2011年の東日本大震災から8年。甚大な被害を受けながら震災発生から5日後には一部区間で運行を再開し、地元の方々をはじめ日本中に勇気を与えてくれた三鉄。山田線区間の移管を受け、盛駅から久慈駅までつながり、日本一長い(路線延長163キロの)第三セクター路線が誕生♪

 もちろん程なくして乗りに行きましたが、何度も番組取材で訪れていた山田町で営業を再開した「陸中山田駅」「織笠駅」に心から感動しました。台風19号からの復活も、今から心待ちにしております。

杉山 そうなんです。せっかく全通した三陸鉄道リアス線は、2019年10月の台風19号で被災し、一部区間が不通になっています(2019年12月時点)。少しずつ復旧しており、全線復旧は2020年3月20日の予定です。3月22日には東京オリンピック・パラリンピックの聖火も運びます。

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ラッピング車両「キットDreams号」(写真:久野知美)

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 関西出身の久野さんのおかげで、うまいこと東西のバランスが取れたランキングになりました。久野さんにお願いして良かった。ありがとうございました。

 あ、いや、ちょっと待って、久野さん、今年の大事なニュースを忘れていますよ。

【番外】「久野知美」著書続々

杉山 そうです。女子鉄アナウンサーの久野知美さんが、2019年11月5日に3冊目の著書「京急ファンと大研究読本」(関連記事)を出版しました。5月に「女子鉄アナウンサー久野知美の かわいい鉄道」を出していて、今年は2冊。2018年の「鉄道とファン大研究読本 ~私たち車両限界、超えました~」も含めて、もう3冊も出しているじゃありませんか。女子鉄アナウンサーには収まらない、女子鉄ライターですね。


今回は久野さんの出版イベント会場で聞きました

 今回の「京急ファンと大研究読本」は、京急ファン、京急好きのタレントさんもたくさん登場してインタビューに応じられています。この中で映画「シン・ゴジラ」の監督、樋口真嗣さんのお話が面白い。映画の序盤で八ツ山橋など京急の名所が登場しますが、京急電鉄は「どの電車を飛ばしてもいいよ」って協力っぷりだったそうです。あれってやっぱり800形だったのね。ここはゴジラファンも読むべきです。

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 京急ファンと大研究読本は京急電鉄も全面協力しており、運転士さんなど「中の人」の声も多数収録しています。とある事業所の食堂にも潜入して食レポ。京急を研究し尽くしていますよー。正月はこの本をじっくり読んで、川崎大師へお参りしに行くとしますかね。


「京急ファンと大研究読本」は早くも重版決定だそうで!!

制作現場の秘密エピソードも明かしていた久野さん

久野さん たくさんの皆さんのお力添えにより 約1年ちょっとで3冊も書籍を刊行させていただきました! 大好きな鉄道界へ微力ながら貢献できるように、テレビ、ラジオのお仕事に加えて書籍や世界各国の鉄道旅ルポなどライター業も複線で頑張りますので、2020年もよろしくお願いいたします! なお、お問い合わせは……ホリプロアナウンス室担当チーフマネージャーの南田裕介までよろしくお願いいたします!(笑)


(写真:久野知美)

杉山淳一(すぎやま・じゅんいち)

乗り鉄。書き鉄。1967年東京都生まれ。年齢=鉄道趣味歴。信州大学経済学部卒。信州大学大学院工学系研究科博士前期課程修了。出版社アスキーにてPC雑誌・ゲーム雑誌の広告営業を担当。1996年よりフリーライター。IT・ゲーム系ライターを経て、現在は鉄道分野で活動。鉄旅オブザイヤー選考委員。ITmedia ビジネスオンラインで「週刊鉄道経済」連載。著書に『(ゲームソフト)A列車で行こうシリーズ公式ガイドブック(KADOKAWA)』『ぼくは乗り鉄、おでかけ日和。(幻冬舎)』『列車ダイヤから鉄道を楽しむ方法(河出書房新社)』など。公式サイト「OFFICE THREE TREES」ブログ:「すぎやまの日々」「汽車旅のしおり」。


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