ひょっこり? キリキリ? 三陸鉄道リアス線の真ん中あたりが楽しい:月刊乗り鉄話題(2019年8月版おかわり)(1/5 ページ)
祝・復旧! JR山田線とJR大船渡線もついでに巡って、ついにJR東日本の路線を全線踏破。
前回は「SL銀河の旅」を紹介しました。実はこの旅には前編と後編があります。目的地は三陸鉄道リアス線の宮古〜釜石間、JR山田線、JR大船渡線。釜石線も合わせて、これで私はJR東日本の路線を全線踏破となります。東北地方は第三セクター、民営鉄道も乗車済み。残すは北海道新幹線の本州エリアだけになりました。
三陸鉄道は北リアス線(久慈〜宮古)と南リアス線(釜石〜盛)の2路線を運行していました。宮古〜釜石間はJR東日本の山田線の一部でした。しかし、東日本大震災の復興をきっかけにJR東日本から三陸鉄道に移管しました。復旧工事は2019年3月に完成し、3月23日から三陸鉄道となりました(関連記事)。北リアス線と南リアス線が結ばれたため、久慈から盛までをまとめて「三陸鉄道リアス線」としました。合計距離は163キロです。
私は北リアス線と南リアス線には乗車済みです。そのときは石巻から八戸まで海岸沿いに移動して、宮古〜釜石間はバスで乗り継ぎました。今回、あらためて全区間乗り通すことも考えました。しかし、前回の訪問で東西方向の山田線、釜石線、大船渡線を乗り残していました。今回はこれらの「乗り」を優先して、南北乗り通しは次の機会にします。
東京駅6時20分発の東北新幹線「はやぶさ1号」で出発します。JR東京駅、在来線プラットホーム下の「駅弁屋 祭」で朝食の駅弁を調達。早朝から開店しています。助かります。
晴天の列車旅日和。でも早起きしたせいでウトウト……。あっという間に盛岡駅に着きました。さすが新幹線、早いなあ。いや、寝ていたせいか。
JR山田線「さんりくトレイン宮古号」で宮古へ
続いて盛岡駅8時55分発の「さんりくトレイン宮古号」に乗ります。早起きした理由はこれに乗るため。JR山田線を乗り通すには都合の良い列車です。しかも車両が快適。ふだん青森県で活躍している観光車両「リゾートあすなろ」を使っています。ここにもJR東日本が三陸を応援する気持ちが表れています。
山田線は盛岡と宮古を結ぶ102.1キロのローカル線です。閉伊川の谷に沿うように、北上山地を東西に横断します。大正時代に盛岡と三陸地域を結ぶ路線として建設され、1939年(昭和14年)に釜石まで全通しました。宮古〜釜石間は三陸鉄道に移管されたため、現在の終点は宮古です。ちなみに路線名の由来となった陸中山田駅は移管された区間にあります。
深緑の車窓を楽しむこと約2時間半。11時16分に宮古駅到着。5年ぶりの訪問です。前回は石巻から北上し、ローカル線と路線バスを乗り継いで来ました。今回は東京から新幹線とローカル線を乗り継いで約5時間。改札口を出て、「はるばるやってきたなぁ」と周囲を見渡すと、正面に東京行きのバスの看板が。あらま、ここから乗り換えなしで帰れるんだ。そう思うと、なんだかモヤッとした気分。でもそれが面白い。
三陸鉄道の旧駅舎は閉鎖。朝の連続テレビ小説「あまちゃん」の主演女優「のん」さんのポスターがたくさん。旧北リアス線は「あまちゃん」の北三陸鉄道のモデルとなっていた。のんさんは朝ドラロケ地との縁を大切にされているようだ
駅前広場の片隅にまとめられた記念碑。鉄道開通記念、三陸鉄道開通記念、蒸気機関車の動輪、そして、1944年に起きた山田線列車転落事故で亡くなった機関士と、負傷した機関助士の尽力をたたえる碑が2つ。この機関助士のその後の人生をテーマに、三國連太郎主演の映画『大いなる旅路』が制作された
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