「そこは蒸気機関士の意地なんです」 「SL銀河」で感じた鉄道マンのカッコ良さ:月刊乗り鉄話題(2019年8月版)(1/4 ページ)
JR東日本もスゴいけど、現場の意地もスゴかった話。4時間乗り続けても飽きませんでした。てへ。【写真30枚】
2019年現在、日本で運行されているSL列車は主に12種類あります。その中でもっとも所要時間が長い、つまり、もっとも長時間で楽しめる列車はJR東日本が運行する「SL銀河」です。
運行区間は岩手県の花巻駅と釜石駅の間。所要時間は下り列車が4時間31分、上り列車が4時間22分です。な、長い……。いくら乗り鉄だからって、4時間も同じ列車に乗り続けて飽きないのか。先に結果を言うと飽きませんでした。てへ。
では、早速SL銀河の旅をご紹介します。
私が乗った列車は釜石駅10時58分発の花巻行き。前日まで三陸鉄道リアス線の新規開業区間を巡り、釜石のビジネスホテルに宿泊。たっぷり睡眠を取って、釜石港まで散歩して、アタマも身体もスッキリさせてから釜石駅へ。
プラットホームに上がると4両編成の青い客車が待っています。金色で花や鳥が描かれて、夜の星空のイメージです。SL銀河は宮澤賢治と代表作の1つ「銀河鉄道の夜」をモチーフに作られました。でも、銀河鉄道の夜でジョバンニとカムパネルラが乗った列車って、SL列車ではないんですけれどね。ジョバンニが「この汽車石炭をたいていないねえ」と言うと、カムパネルラが「アルコールか電気だろう」って答えるんです。ああ、無粋なこと書いちゃったな。ごめんなさい。
しかし、車内は宮澤賢治の世界です。座席や窓枠など室内のインテリアは大正ロマンがテーマ。ステンドグラスもあってきらびやか。宮澤賢治が生きていた頃の世界観のようです。そして最大の特徴はプラネタリウム!! 定員10人ほど、約15分間の上映です。しかもプラネタリウムは無料。アテンダントさんから時刻を指定した整理券をもらいます。今回は遠野で降りるお客さんが多かったので、花巻まで行く人は遠野出発のあとの回になりました。
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