奇跡? 狙った? ファン歓喜「箱根駅伝ロマンスカー」の真相2019年新春乗り鉄話題8選(2/3 ページ)

» 2019年01月23日 11時00分 公開
[杉山淳一ねとらぼ]

「2019年、乗り鉄注目の列車」8選

 2019年は乗り鉄にとってどんな年になるでしょうか。注目すべき路線や車両をまとめました。新しい路線ができたり、被災路線が復活したりする中で、残念ながら終了する路線もあります。

【1】JR北海道石勝線夕張支線が廃止 3月31日に運行終了

 まずは悲しいことから。JR北海道の新夕張駅と夕張駅を結ぶ「石勝線夕張支線」が3月31日に運行を終了します。

JR北海道 石狩線夕張支線 3月31日廃止 3月31日に運行を終える石勝線夕張支線(2019年3月16日〜31日の期間はさよなら特別ダイヤで運行。石狩線新夕張〜夕張間で現5往復から8往復に増便される)

 石勝線夕張支線は、かつては南千歳駅から夕張駅を結ぶ「夕張線」として夕張炭鉱から石炭を輸送するための路線でした。しかし南千歳〜新夕張間は「石勝線」に組み込まれました。石勝線は札幌と帯広、釧路、根室を結ぶために作られた高規格な路線(時速100キロ以上の高速運転が可能な路線)です。新夕張〜夕張間は支線として残されましたが、石炭輸送が終わり、乗降客数も減ったことから廃止されることになりました。

 JR北海道の経営悪化問題で「JR北海道が単独では維持できない路線」が発表されています。沿線地域が廃止反対を表明する中で、唯一夕張市が石勝線夕張支線の廃止受け入れを表明。条件としてバスターミナルやバス路線の整備の協力をJR北海道に要請したというのが経緯です。まだ乗っていない乗り鉄さんは早めに訪問しましょう。

【2】JR北海道札沼線(学園都市線)北海道医療大学駅〜新十津川駅間の廃止 2020年5月7日廃止、5月6日運行終了

 JR北海道の札沼線は、札幌のとなりの駅、桑園と新十津川を結ぶ路線です。

 札幌都市圏近郊の通勤通学路線ですが、その役目は北海道医療大学駅までです。ここから新十津川駅までの区間は、石狩川を隔てて函館本線と並行しているために乗客数が少なかったそうです。そのために近年は列車の運行も減っており、末端の浦臼〜新十津川駅間は朝の1往復しかありません。

 今では「それが珍しい」と鉄道ファンや旅行ファンが訪れています。廃止は2020年の5月ですが、夏と秋の車窓を楽しむならば今年限りです。

【3】おおさか東線が全線開業 3月16日

 おおさか東線は大阪府東部の城東貨物線で旅客列車を走らせる事業です。南側の放出(はなてん)駅〜久宝寺(きゅうほうじ)間が2008年に先だって旅客運行を開始しています。

おおさか東線が全線開業 おおさか東線の各駅停車に使われている201系電車

 2019年は、残りの北側、新大阪〜放出間が開業。3月16日のダイヤ改正で運行を開始します。将来は新大阪から大阪駅北側の北梅田駅(仮称)に乗り入れる予定です。

 おおさか東線の開業に合わせて、新大阪駅と奈良駅を結ぶ「直通快速」の運行も始まります。所要時間は約1時間、1日4往復の運行予定です。

 大阪〜奈良間を約54分で結ぶ関西本線経由の「大和路快速」と合わせて、大阪〜奈良間の移動が便利になります。

 なお、大阪難波〜近鉄奈良間は近鉄特急で約34分です。乗り鉄目線では、新路線と既存路線を組み合わせて変化を付けながら乗ると楽しいと思います。

【4】三陸鉄道リアス線全線開業 3月23日

 岩手県の三陸鉄道は、盛(さかり)〜釜石間の「南リアス線」と、宮古〜久慈間の「北リアス線」に分かれていました。釜石〜宮古間はJR東日本の山田線、盛岡〜釜石間のうちの沿岸区間が結んでいました。しかし、2011年の東日本大震災で沿岸の全施設が被災しました。

三陸鉄道リアス線が全線開業 ドラマ「あまちゃん」に登場した北三陸鉄道のモデルは三陸鉄道

 あれから年月が経過し、三陸鉄道は先に復旧(関連記事)。残されたJR山田線の沿岸区間は、JR東日本が復旧した上で三陸鉄道に経営を移管します。その結果、三陸鉄道は盛〜久慈まで1本につながりました。路線名もまとめて「リアス線」に変わります。

三陸鉄道リアス線が全線開業 2019年3月に誕生する三陸鉄道リアス線(赤線)と、かつて運行されていたリアス・シーライナー(青線)。リアス・シーライナーが釜石線経由で復活してくれたらうれしいな(国土地理院地図を加工)

 三陸鉄道リアス線は総延長163キロ。第三セクターの路線としては日本最長です。東海道本線に例えると、川崎〜静岡まで行ける(約162キロ)くらい。かなり長距離ですね。ちなみに東日本大震災で被災する前は、仙台〜八戸間を三陸沿岸経由で走る快速列車「リアス・シーライナー」がありました。仙台発8時51分、八戸着18時40分。約10時間の運行でした。

 2019年1月現在は気仙沼線と大船渡線がBRT(バス高速輸送システム)になったので、仙台〜盛間を運行できません。ちなみにリアス・シーライナーの盛〜久慈間の所要時間は約5時間でした。復活を期待します。

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