「ワクワクする」「九龍城みたい」 145人のマイクラユーザーが作り上げた“違法建築”がカオス
主催者に詳しい話を聞きました。
「マインクラフト」プレイヤーが催した「Minecraft違法建築イベント」が、現実にはあり得ないカオスな建物が生み出されて話題を呼んでいます。「違法建築」とは穏やかでないですが、要はオンラインで集まり、建物を好きなように建て増しして遊ぼうという試み。そうして出来上がった、複雑怪奇な構造が壮観です。
主催はマインクラフト建築コミュニティ(@mc_kenchiku_com)。海に囲まれた世界で、人々が生き抜くために高い建物を作り、ひたすら“上”を目指す――そんな世界設定の下にプレイヤーを募りました。開催に際しては、あらかじめ素朴な土台を用意。そこに大勢で気ままに増築していこうという趣向です。
イベントには見学者を含め累計で168人が参加。ルールが「建築様式不問」だったこともあり、土台には和洋中入り交じった建築物が高密度に凝縮され、美しいまでの“雑多”が作り出されました。なお、完成したワールドは主催者のブログにて配布されています(利用時は再配布や改変の禁止など規約の確認を)。
開催期間中、多くの参加者が建築の様子をツイートしたことで、Twitterでは「ワクワクする」「九龍城などに通ずるものがある」などと話題に。盛況に終わったイベントの主催者に、編集部はくわしい話を聞きました。
“表現手段として楽しむマイクラ”を盛り上げる場として
―― イベントの開催を思い立ったきっかけは?
主催者 今回のような多人数で建築するイベントは4回目です。マインクラフトプレイヤーには、このゲームを創作や表現の手段と捉えている人が一定数存在しています。そんな人々が腕を磨いたり、一緒に建築する仲間を見つけたり、あるいは純粋に楽しむ機会となるようなイベントの企画運営を通して、シーンの盛り上げに一役買えればと考えています。
今回「違法建築」と呼んだ、建物が縦に密度高くつながる建築スタイルは、多くの人が興味がある一方で、なかなか自分では手を出しにくいジャンルですので、チャレンジするよい機会かなと考えて選定しました。……とかっこよく言いたいところですが、実は運営チームが事前準備で楽をしたかったがゆえのテーマ選定だったりします。
参加者の皆さんの建築クオリティが毎回非常に高いので、過去のイベントではベースとなる自然地形を運営チームが気合を入れて一から作成していたんです。今回は立方体の土台を用意するだけで済んだので、この点はかなり楽ができました(笑)。
―― 建築に参加した人数は何人ほどでしょう
主催者 145人です。ちなみに、完成までにかかった時間はきっかり72時間でした。
―― 完成した建築物の感想は
主催者 今までもイベントを開催するたびに、予想を超える高クオリティーのものが出来上がっていたため、「今回もいい物ができるといいなぁ」とは漠然と想像していましたが、今回はその想像をさらに大きく超えてきた印象です。
これだけの大人数が参加しているにもかかわらず、最終的にきれいに整合性がとれた状態で仕上がることには、毎回驚きしかありません。運営メンバーも建築に参加していますが、ほとんどの部分は一般参加者の皆さんによって作られています。これだけのすばらしい作品になったことに、感謝の気持ちでいっぱいです。
―― Twitterでの反響についてどう感じていますか
主催者 反響の大きさはもちろんですが、マインクラフトというゲームの枠を超えた、1つのアート作品として評価いただいている声も見られ、うれしく感じています。
―― マインクラフト建築コミュニティはいつごろどのような経緯で始まりましたか。参加しているプレイヤーはどのくらいいますか
主催者 2012年12月に設立し、現在7周年を迎えました。当初はニコニコ動画に「Minecraft建築部」タグで投稿する動画投稿者同士の交流が主目的でしたが、設立から半年がたったころからは、建築を楽しむかたへ向けてイベントやコンテストを開催するのがメインとなり、現在に至っています。
少人数の運営チーム(お休み中も含め15人)+一般参加の方々という、「ゆるいつながり」で成り立っているため、正確な人数は把握できていませんが、イベントに参加するようなアクティブなユーザーは200~300人規模と推計しています。
―― 次にやってみたいイベントはありますか
主催者 多人数での建築イベントやコンテストなどは今後も定期的に開催していきたいです。ただ、建築メインのプレイヤーにはいわゆる「普通のマイクラの遊び方」を忘れてしまっている人も多いので、みんなでサバイバルモードを遊ぶイベントもしたいです。過去に一度開催した際はとても盛り上がったので、ゲームに新要素が追加されるタイミングに合わせて、またやりたいねと話しています。
また、現在はPCのJava Edition(※1)を中心に活動していますが、家庭用ゲーム機でも遊べてユーザーの多い統合版(※2)にも建築を楽しんでいるユーザーがたくさんいらっしゃいますので、バージョンの垣根を超えて一緒に楽しめるイベントも考えていきたいと思っています。
※1:2009年から続く旧来のマインクラフト
※2:別名「Bedrock Edition」。Windows 10、Nintendo Switch、PS4など異なるプラットフォーム間でクロスプレイができる
協力:マインクラフト建築コミュニティ(@mc_kenchiku_com)
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作者はPC・Android・iOS版用の各ワールドデータを配布中。導入すれば自分で探険できる。
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