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「ページをめくるごとに2倍の大きさになる本」の漫画が「壮大な哲学を感じる」と話題に 人、国、星、全てを飲み込んだ本はやがて……?(1/2 ページ)

倍々チャンスはとんでもないことに。

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 豊臣秀吉と家臣の逸話に「褒美に米粒を1日1粒頂きたい、期間は100日間。ただし1日ごとに米粒の数を2倍にして欲しい」というものがあります。「1、2、4、8~」と計算してみると、14日目を過ぎるころにはとんでもない量になることがわかるでしょう。

 この逸話では「100日」の期限付きでしたが、もしも物理法則を無視して物体の体積が倍々に増え続けたとしたら――。そんな恐ろしい空想は『ドラえもん』のひみつ道具「バイバイン」をはじめ、フィクション作品でも扱われてきたテーマです。

 今回ご紹介するのは「ページをめくるごとに2倍の大きさになる本」の漫画。私たちの手元からこの世の成り立ちまでへと話が広がる、不思議で哲学的な物語がTwitterで話題となっています。

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倍々に大きくなる本のページを、最後までめくったらどうなるのか?

 主人公の女性は、SNSを通じて接触した人物から奇妙な物を託されます。それは文庫本の半分ほどの大きさで、見知らぬ言語でつづられた本でした。一見すればただの本、おかしな点は見当たりません。ですが本には「新しいページを1枚めくるごとに、本の大きさが2倍になる」という、奇妙な特性があったのです。

どんなに小さな紙でも理論上はそうなるのですが、実際にできるかどうかは別問題

 女性は本のページをめくります。1ページめくるごとに、本は2倍の大きさになっていきます。場所を自室から学校の運動場へと移し、女性はページをめくり続けました。1ページ、1ページ、1ページ……2倍、2倍、2倍……本はどんどん大きくなります。

 やがて本は、人間ではめくれないほどに大きくなりました。すると不意に強い風が吹き、さらにページがめくられます。何者かの意思のように風は吹き続け、本はどんどん大きくなり……学校を、街を、人々を、山々を覆い潰し……やがて日本を、地球の全てを覆いました。

 本は際限なく巨大化し、やがて地球を、太陽系の全てを、遠く離れた星雲を、文字通りあらゆる存在を飲み込んでしまいます。

 それでもなお、何者かの意思に従うかのように、本のページはめくられ、めくられ、めくられます。無限に2倍の拡大を続け、本はどこまで大きくなるのか。不思議な本の経過と、哲学的な結末をお楽しみ下さい。

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 作者は漫画家の黒谷知也(@kuroyatomoya)さん。短編集『二鳥翠 黒谷知也作品集』が発売中です。また、漫画家としての活動内容は黒谷知也さんのnoteにて随時公開されています。

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