「テラスハウス東京編」35話、衝撃の“腹筋パタン” 新野社長の鋼メンタルに湧くリスペクト(2/2 ページ)
こんな「パタン」初めて見た。
そして35話も勢いが止まらない。クリスマスパーティーの夜、2人でプレイルーム(ゆったりできる共有スペースをこのように呼んでいる)に抜けた夢と志遠を追いかけ、扉の外で待ち伏せ。出てきたところで声をかけ、夢と2人きりに。そして何をするかと思えば……突然「足持って」と夢に頼み、腹筋運動を始めたのである。
「なにこれ」と困惑する夢と視聴者を置き去りに、「(腹筋に)効いてる」「いいよ」「気持ちいい」と呟きながら腹筋を続ける新野。テラスハウスは毎話「パタン」という扉の閉まる音で締められるのだが(すごい引きのある話もあればそうでないときもある)、酔った男が腹筋を続ける映像→パタン……という今までにないラストだった。
冒頭に書いた「身もだえした」というのは一連の新野の行動すべてに対してだ。「こんな人が世の中に存在しているのか!?」という混乱と、なんだか大変なものを見せられているという感覚、そして「この姿を全世界にさらされている人間がいる」という共感性羞恥に近い感情。ヒエーっとキャーッの入り混じった声が出た。
見終わったあと、SNSを見て二度驚く。新野がメチャクチャ積極的にSNSを更新しているのだ。
メチャクチャ有能な新野のSNS
テラスハウスには「台本」はないが「思惑」はある。
つまり、番組側が用意している筋書きは存在していないが、メンバーひとりひとりが「テラハ出演を通じてこうなりたい」と野心や、「こういう面は見せたくない」といった思いを持っており、それに向けて行動や態度を自分なりに演出している。例えば2016年の「テラスハウス東京編」は、カメラの前では恋人未満のピュアな関係に見せていたが、カメラが入っていないときにはもっと進んだ関係になっていたことが暴露される“キス事件”というものがあった。
だが、見せたい自分と実際に映される自分というのは一致しない。実際の生活と放送までは2カ月弱のタイムラグがあるが、メンバーたちは放送を見て「あのときの自分は他人から見るとこうなるのか」と鏡を突き付けられることになる。しかも番組の撮影は「とにかくいっぱい映像を撮って、それを編集する」という方式を取っているが、演出は時々意地悪で、実際に起こったこと以上に感じがよく見えたり悪く見えたりする。スタジオトークパートで批判されると悪印象のイメージがふくらむこともある。
先日卒業した水越愛華(大学生)は、出演したばかりのころはSNSを更新していたが、「ネタバレになる」といった批判やアンチコメントを受けてテラスハウス関連の投稿を控えるように。放送された自分の姿を見てボロボロと泣き、「しんどすぎる、出るべきじゃなかった」という言葉を残して卒業した。
他のメンバーも、テラスハウスの出演中は写真をあまり積極的には上げない(ストーリー機能などでは時折上げることもある)。先述のタイムラグがあってやりづらいのもわかるし、事務所がアカウントを管理している場合もあるのでしょうがないのだが、なんとなく物足りなくなる気持ちもある。
しかし新野は、(今のところ)かなり積極的にSNSを運用している。しかも公開されているエピソードに合わせ、Instagramではメンバーとのオフショット投稿、Twitterでは自らを「キモい」と語るテラハ視聴者たちの声を紹介するなど、ゆ、有能~……と思わされてしまう。自社商品をいじるのがうまい広報のような仕事ぶりだ。
「東京編」に出てきたこれまでの出演者たちは、「(アンチを含め)視聴者の声を全く気にしない」タイプか、「視聴者の声を気にし、好感度の高い面だけを見せたい」タイプのどちらかだったように思う。ここに来て、「とにかく爪痕を残す」バラエティタイプが登場した。スタッフは「やった~!」という気持ちになっているのではないだろうか。しばらくテラハには、新野を中心にした嵐が沸き起こりそうだ。
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