ディズニー、動画配信サービスで「スプラッシュ・マウンテン」の原作映画を配信せず 「時代にそぐわない」と会長
挿入歌「ジッパ・ディー・ドゥー・ダー」はディズニーの代表曲として知られています。
ディズニーの動画配信サービス「Disney+(ディズニー・プラス)」では、「スプラッシュ・マウンテン」の原作映画「南部の唄」(1946年)を提供しないと、2020年定時株主総会で言及されました。ウォルト・ディズニー・カンパニー会長のボブ・アイガー氏は、「時代に適していない」として配信しないと決定したことを明かしています。
「南部の唄」は実写とアニメーションを組み合わせた映画作品。白人の少年と黒人の「リーマスおじさん」の交友を描いています。挿入歌「ジッパ・ディー・ドゥー・ダー」は、1947年アカデミー歌曲賞を受賞しており、ディズニー映画を代表する曲として人気があります。また、ディズニーランドのアトラクション「スプラッシュ・マウンテン」のBGMとして使用されている楽曲です。
株主総会では、参加者から「Disney+」の収録作品についての質問が寄せられました。「もしすべての作品が収録されるのであれば『南部の唄』は収録されるのですか」という問いに対して、アイガー氏は「すべての作品が配信されるわけではない」と答え、「南部の唄」については「今の時代状況に適切ではない」として配信しないと言及しています。一部シーンを編集するなどの対処ではなく、配信自体を行わないようです。
質問者が具体的な作品名を挙げたように、「南部の唄」は議論されてきた作品です。黒人英語やいくつかの偏見を含む内容が、アフリカ系アメリカ人に対して人種差別的であり侮辱的であるとする声があります。また、舞台となる南部の農場を美化して描いているため、視聴者が歴史認識を誤解する可能性も指摘されています。
いくつかの作品では、時代にそぐわない内容の作品であっても、冒頭で「時代遅れの文化的描写」を含むと免責事項を表示することで提供する場合があります。「ダンボ」も人種差別や偏見を含む作品とされていますが、今のところ米国では免責事項を表示して配信中のようです。
なお日本での「Disney+」サービス開始について、具体的な日程は発表されていません。
関連記事
ディズニー公式、8月9日に「なんでもない日おめでとう」と投稿し物議
なぜ今日……? 長崎「原爆の日」と関連づけてネットでは「無神経」「よりによって今日じゃないだろう」「なんでもない日じゃない、長崎被ばくの日」と厳しい反応。「エルサは黒人じゃない」と言われたアボリジニの3歳の少女、ディズニーに招待されてエルサ女王になる
人種差別、ダメ、絶対。BSチャンネル「Dlife」が2020年3月31日で放送終了へ ネットでは「嘘だと言って」「ショックです…」の声
ディズニーが約8年前に放送開始した無料BSチャンネルでした。ディズニーの動画サービスは米国で11月開始 月額6.99ドル 2年以内に世界の主要地域で展開
早く日本にも来てほしい。ディズニーの動画サービス、名称は「Disney+」 「ロキ」のドラマシリーズも配信
「スター・ウォーズ ローグ・ワン」のカシアン・アンドーのシリーズも製作予定。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.