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「くまのプーさんのホームランダービー!」RTA世界記録がまたも更新 人類vsプニキの戦いはついに24分切り目前に

なぜ人はプニキRTAを更新してしまうのか。

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 ゲームクリアまでの時間を“現実時間”で競い合う「リアルタイムアタック(RTA)」。多くのタイトルで輝かしい記録が生まれるなか、先日“神コップ”氏(@gotcoppu)により「くまのプーさんのホームランダービー!」のRTA記録が更新されました。

 この記事ではかつて「プニキ」の愛称とともに多くのゲーマーの心を折ってきた本作の難易度を振り返りつつ、神コップ氏のコメントもお届けします。

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強肩に丸太一つで立ち向かうプーさんのアニキ

 本作は「Yahoo!きっずゲーム」というサイト内で遊べるゲームの一つ。バッターのプーさんを操作してホームランを狙うのが基本ルールです。

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複雑なルールはないので、このスクリーンショットだけで基本的なルールは把握できるはずです

 ゲームに不慣れな子どもでも遊べるタイトルが豊富に用意されている「Yahoo!きっずゲーム」ですが、その中でも本作は数少ない例外。

 ホームランを打つためにはミートポイントに合わせて的確にバットを振り抜く必要があり、少しでも位置やタイミングがズレれば失敗です(ヒットやファウルもミスと同じ)。しかもバットを振る速度が一般的な野球ゲームではありえないほど素早いため、最初はタイミングを合わせるのも一苦労。プレイしたことがない人には“飛んでくるボールを居合い斬りで仕留める”くらいのスピード感だと思ってもらえれば間違いないでしょう。

 さらに、ステージが進むと左右に蛇行する球消える球などの魔球を投げる森の仲間たちがプーさんの前に立ちはだかるように。これらの相乗効果で本作は、子どもはもちろん歴戦のゲーマーをもうならせる難易度になっています。

ノルマが加速度的に上がっていくのも、本作の難易度を高めている点。最終ステージ(正確にはクリア後のスペシャルステージ)のロビンは、50球中40球のホームランで初めて負けを認めてくれます

 その一方で、バッターのプーさんは(ゲーム的な都合もありますが)タイミングと立ち位置さえよければ軽々と飛距離130メートル以上のホームランを打つ剛腕。東京ドームのセンターがバッターボックスからセンターまで122メートルと書けば、プーさんの恐ろしさが実感できることでしょう。そんな豪打者っぷりを発揮するプーさんを一部のプレイヤーは“プーのアニキ”略して「プニキ」と呼び、そこから本作自体も「プニキ」の通称で愛されるようになりました。

構えているのは成形されたバットではなく、丸太。ここにもプニキの恐ろしさが垣間見えます

無駄なヒットを打たないことがタイムのカギ

 さて、そんな「プニキ」のRTAでは、ヒットやファウルを極力減らすのが重要視されます。これは同じミスでも、“打球の飛ぶ演出が入らない空振りのほうが短時間で次の投球に移れる”ためです。

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 そしてこれを踏まえると、実はRTAで一番のネックになるのはラスボスの“ロビン”ではなく、6番目に登場する“オウル”だといわれています。オウルの球は高速で左右に蛇行するのが特徴で、ホームランを打とうとしても微妙に芯をとらえきれず、ヒット止まりになってしまうことが多いため。

ホームランを狙っているのに、根本に当たってヒットになってしまう図

 この対策として神コップ氏はどうしたかというと、ジグザグのボールの“中央”を狙うのではなく、あえて“手前(内角)側”を狙うという作戦に。ここならジグザグのボールが内側にブレればホームランになり、外側にブレれば空振りになってくれるという算段です。当然、これはボールの機嫌にものすごく左右されるため、外側にブレる球が多いと空振りばかりになってしまいそもそもクリアできないのですが、これについては「手前にブレる球が多いパターンを引く」まで何度もプレイを重ねることで強引に解決したそうです。

神コップ氏によるわかりやすいイラスト解説。ジグザグの“手前側”をあえて狙うことで不本意なヒットを減らしています

ロビンから1日30ホームランを奪うことが自身へのノルマ

 こうした工夫で大きな記録更新となった「プニキ」RTA。ここからは、その立役者である神コップ氏からいただいたコメントをお届けします。

―― 神コップさんが「プニキ」のRTAを始めたきっかけを聞かせてください。

神コップ:「プニキ」のプレイを始めたのは今から約2年前。初クリアには40時間ほどかかりました。その後、なんとなく2回目のプレイに挑戦してみたら初クリアとは比べものにならないほどすんなりクリアでき、自分のプレイと当時ニコニコ動画にアップされていた「プニキ」の動画を比べて25分は切れるだろうと思い、本格的に練習を始めました。RTAを始めた理由としては「世界1位を取ればバズるだろう」みたいな、しょうもない理由が大きかったですね(笑)。

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―― 今回は昨年(2019年)に出したご自身の記録を更新した形になりますよね。

神コップ:そうですね。昨年のRTA動画はあまり視聴数が伸びなかったのですが、今回は多くの方に見てもらえて多数のコメントをいただくくことができたので、やってきたことは無駄じゃなかったなと実感しました。

―― タイム更新につながった一番のポイントはどこになりますか?

神コップ:やはりオウル戦でのミスを極限まで減らしたことですね。ラビットの加速する魔球やティガーの消える魔球を含めて、直線的なボールはほぼミスなしでクリアできるようになっていたので、最大の壁になるオウルでのタイムを縮めるために、今回のような試行回数を増やす攻略法になりました。多くのプレイヤーさんはロビンが嫌いらしいですが、RTAをしている身からしたらオウルの方が嫌いですね。オウルの機嫌しだいで何回リセットしたことか……。

―― 記録を出すまでに、どのような練習をしましたか?

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神コップ:日々の練習としては、毎日1回ロビンを相手に30本以上のホームランを打つことを目標にしていました。最初は30本も打てず日に何度もやり直すこともありましたが、練習のかいあって40本を平然と打てるようになりましたね。あとはRTA自体の試行回数を増やしてタイムを切り詰めていきました。

―― RTA動画の視聴者や、「プニキ」プレイヤーにメッセージを!

神コップ:もっと多くの方にこのゲームのRTAに挑戦してほしいですね。あっ、これを読んでいる人が「プニキ」を遊びたくなっている気がしますのでURLも用意しました! https://kids.disney.co.jp/game/3018.html

ハランデイイ

Flash終了までに“夢の23分台”に突入できるか

 かつて多くのプレイヤーが挫折した同作。神コップ氏は25分を切れると思いRTAを始めたそうですが、今では24分切りが目前。一方で本作はAdobe Flashを使用しているため、Flashのサービスが終了する2020年末にはプレイできなくなってしまいます。

 果たして残り約8カ月で夢の23分台に突入できるのか? 挑戦できる期間にリミットがあるRTAは、どこまでも記録が伸びる可能性がある他のRTAとはまた違ったワクワクがありますね。もちろん、神コップ氏ではなく今この記事を読んでいる人が記録を更新しても構いません。URLはすぐ下に用意しましたので。

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