「マスクをつけた2000人の前でマスクなしの僕が1人で歌うという経験が自分を変えた」 城田優が語る新型コロナとの新しい暮らし(1/3 ページ)
【チェキプレゼントキャンペーン】実施! SNSとの付き合い方についても聞きました。
「マスクをつけた2000人のお客さんの前で、マスクをつけない僕が大好きな歌を1人で歌う。その経験が大きかったです」――。俳優・歌手などマルチに活躍をする城田優さんをインタビュー。Stay Home期間中の過ごし方やインスタライブをきっかけに実現したGLAYのTERUさん、HISASHIさんとのコラボ曲「それでも」。コロナと共存するための新しい暮らし方などについてリモート取材で聞きました。
2月のライブで芽生えた新型コロナへの危機感
城田さんがCOVID-19(新型コロナウイルス感染症)に対する危機感を覚えたのは、2月24日に開催された「城田優 Concert Tour 2020~Mariage~」東京公演での出来事がきっかけでした。
「マスクをつけた約2000人の来場客の前で、自分1人がマスクをせずに大好きな歌を歌っている」という状況を経験した城田さんは、「その光景が正義と悪みたいに見えてしまいました。あの感覚は想像はできても実感してもらわないと分からないかもしれないのですが、もしかしたら自分の倫理観というか、ポリシーに反することをしているんじゃないかと、複雑な気持ちでした。あの時期に公演をされていたアーティストの皆さんは同じような気持ちだったのではないかと思います」と当時の心境を振り返ります。
ライブの帰り道では近いスタッフに対して「残りの公演を延期できないか」と提案。山崎育三郎さん、尾上松也さん、城田さんの3人によるプロジェクト「IMY(アイマイ)」の公演についても、スケジュールの見直しを考えるようになったと言います。
しかし当時周囲には新型コロナウイルスに関してそこまでの緊迫感や切迫感はなかったと言い、どちらかというと「お客さまが来てくださるのならばやった方が良いのではないか」「できるのであればやった方が良い」という意見が多数派。城田さんの葛藤が始まりました。
ところが2月26日に安倍首相から「大規模イベントの自粛要請」が出されたことから事態は一転。東京国際フォーラムで予定されていた「IMY歌謡祭」の中止が発表されたほか、2月27日には「城田優 Concert Tour 2020~Mariage~」の大阪、福岡、愛知の3公演を公演延期すると決定しました。
自粛要請が出た当時の心境について、「どこかで救われた気持ちでした」と城田さん。「いわゆる“気分が乗らない”とは根本的に違う問題ですが、心配な気持ちのまま、人を集めてパフォーマンスしても100パーセントの自分の愛や感情は届けられないと思いますし、チケットを購入してくださった方に命にも危険があるようなリスクを冒してまで会場に来ていただくという状況に、複雑な気持ちでいっぱいでした。人それぞれの捉え方、価値観があるので大げさに思われるかもしれませんが、『もしかしたら自分が誰かの命を奪うきっかけになってしまうかもしれない』と当時の僕は思っていましたから」と語りました。
ミュージカル界のトップ俳優、自粛期間中の過ごし方は
そんな城田さんにStay Home中の過ごし方について聞いてみると「堕落した生活を送っておりました」と意外な返答。「こんなに好きなものを食べて好きなものを飲んで、好きな時間に起きて好きな時間に寝る――そんな生活を2カ月間もしたことはこれまでなかった」と語り、「そのなかでどれだけ自分が自分なりにベストを尽くせるかというところが大きかった」と率直な気持ちを明かします。
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