震災で夫を亡くした先生の涙と笑顔 新人漫画家による賢い柴犬の漫画『柴ばあと豆柴太』連載第2回(1/3 ページ)
東北の郷土菓子「雁月(がんづき)」も登場します!
新人漫画家・ヤマモトヨウコ(@YY0905)さんによる、自分を人間だと思っている柴犬が主人公の漫画『柴ばあと豆柴太』の連載第2話です。講談社協力のもと、ねとらぼ生物部では日曜日に最新エピソードを掲載。漫画本編は次のページからすぐに読めます。
前回の第1話では、柴犬「豆柴太」と一緒に暮らすおばあちゃん「柴ばあ」が営む弁当屋での日常が描かれました。“3.11”から9年たった東北の町の実情を伝えるような、柴ばあと復興現場で働くひとのセリフは、深く考えさせられるものがありました。
今回のエピソードでは、賢いワンコの豆柴太が「ボクの恋人」と呼ぶ高校の先生が登場。最後には柴ばあ特製の郷土菓子のレシピも掲載していますよ。
いつもやさしい先生が心に抱えているもの
柴ばあと一緒にお弁当の配達で学校にやってきた豆柴太が一目散に向かったのは、やさしくて大好きな京都出身の「ひろこ先生」がいる場所。しかし今日の先生はなんだか怖く、だけれど落ち込んでもいて、どうしようと悩む豆柴太がかわいいです。
ひろこ先生が怒っていた原因はその日受けたパワハラでしたが、彼女には不満をため込むようになってしまった――言いたいことが何も言えなくなってしまった――大きな理由がありました。震災で夫を亡くし、いまも「うちには健吾さんが居らんとやっぱりダメかもしれん」とつぶやく姿は、何年経とうとも癒えないその傷の深さを物語っています。
そんなひろこ先生をなんとか励まそうと身を寄せる豆柴太と、言葉ではなくおいしい郷土菓子「雁月(がんづき)」を渡して元気付ける柴ばあ。そして雁月を食べて、その味に生きていた頃の彼の言葉を思いだし、涙を流しながらも表情をやわらかくして笑う先生の姿と前向きな言葉は心に響きます。
ひろこ先生が「甘いだけじゃなくてどこかなつかしいような……」と味に感動した雁月は、黒ごまにハチミツ、さらに隠し味として醤油や味噌も入っている、蒸しパンのような素朴な郷土菓子。漫画の最後には作り方も載っているので、気になった方は参考にして作ってみるのもいいかもしれません。
次回は7月5日更新。豆柴太の4コマ漫画を掲載予定です。
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