幼稚園で起きた「正義の暴走」 娘に起きたトラブルを描いた漫画が考えさせられる(1/3 ページ)
大人になっても大切なこと。
幼稚園で子どもに起きた友達とのトラブルについて描いた漫画が、考えさせられる内容で胸に響きます。作者は数々の育児漫画の連載を持つエェコ(@nakiri_aik)さんです。
ある日、幼稚園から娘さんが友達とトラブルになったと電話を受けた作者のエェコさん。急いで幼稚園に向かうと、待っていたのは頬に冷却シートを貼ってもらい、泣いている娘さん。
発端は、よく「シールあげようか? でもやっぱりあげない」というようなことを言ってくる友達。娘さんがいつもと違ってきっぱり「いらない」と断ったところ、その反応にムッとした友達は「ヒドイこと言われた」と他の友達に話します。娘さんはそれを聞いた子たちに責められ、怖くなって言いたいことが言えなくなってしまいます。その上、「ナナちゃんがひどいことを言ったのに謝らない」と聞いた男の子が娘さんをたたいてしまったのです。
きっと「ヒドイ」と言った女の子もそれに同調した女の子たちも自分が正しいと思っていて、たたいた男の子も「みんな」が言うから娘さんが悪いと思った――多人数が主張したことでそれが“正しい”になってしまう、「正義の暴走」だとエェコさんは感じました。
友達は謝ったけれど娘さんにはショックだったようで、次の朝、幼稚園が大好きな娘さんが初めて行きたくないと言ってお休みしました。翌日の参観日は楽しく過ごすことができ、友達と保護者からも謝罪がありました。
そのとき、エェコさんは子どもたちに向かって、心に傷がついたら治らないこともあること、もしまたトラブルがあったらみんなが言ってるから正しいと思わず、両方の話を聞いてほしいと伝えたのです。「大人でもとても難しいことですが、とても大切なことだと思っています」
みんなが言っているからと物事を決めつけてしまうのは、大人でもありますよね。心の傷は一生治らないものもあること、物事は多方面から見ること、何事もうのみにせずに考えて自分で判断することの大切さを感じました。エェコさんの冷静な判断と子どもたちに分かりやすく伝える対応もステキですね。
読者からは「もし同じことが自分の娘に起こったらこんなに深く考えられるだろうかと考えるきっかけになりました」「放っておかず、しっかり言い聞かせる大人たち、素直に謝る子どもたち、みんなが素晴らしい。小さいうちからの教えが大事ですね」「心が傷つくともしかしたら一生治らないかもしれないってこと、大人はみんな知ってるはずだけど、それでも難しいですよね でも子供も大人も常に心に置いておいて欲しいですね」など共感の声が寄せられています。
エェコ(@nakiri_aik)さんは、ウーマンエキサイトでコミックエッセイ『ヲタママだっていいじゃない!』を、「健康ぴた」で育児中のケガなどについての体験談漫画を連載中です。ブログ「ヲタママだっていいじゃない!」でも育児エッセイをまとめて読めますのでのぞいてみてくださいね。
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