隠しページを知らないと入店できない……? 表向きはコーヒースタンド、実は「裏でこっそりバー」なお店が恵比寿にオープン(1/2 ページ)
憧れの隠れ家感がたまらないお店です。
東京・恵比寿にオープンした「JANAI COFFEE」は、一見するとただのコーヒースタンド。シンプルでおしゃれな雰囲気の公式サイトも特に変わったところはない……ように見えますが、実は凝った“仕掛け”があります。そして「裏でこっそりバーを営んでいる」なんて、小説に出てきそうな秘密も。コーヒーだけ、じゃない?
「JANAI COFFEE」のサイトにある、いわゆる“隠しページ”を知らないとバーには入店できない仕組み。ヒントは「私たちが提供したいのはコーヒーだけではありません」と書かれたページ部分にありますが、そもそも仕掛けがあることを知らないと見つけるのは難しいかもしれません。その下にあるお店のコンセプトをつづった文章を“縦読み”すると、現れるメッセージは「時計回りになぞる」。
そこでサイトトップにあるロゴの周りをぐるっとなぞってみると……?
なんと白背景だったコーヒースタンドのサイトが、まるでスマホのダークモードのようにバー仕様のデザインに変化。変わる途中では画面にコーヒーが注がれていくようなビジュアルの面白さもあり、一度この仕掛けだけでも体験してほしいくらいです。
この「JANAI COFFEE」のルールは、
- 隠しページを見せないと絶対にバーには入れない
- たとえバーのことを聞かれたりしても、(隠しページを見せない限り)店員はバーの存在を明かさない
という、ある意味で今どき珍しいくらいの頑固さでできています。テスト営業でも「10組中、4組が入店できなかった」そうですが、なぜそんな“コーヒー屋のフリをしたバー”にしたのか、同店のオーナーに聞いてみました。
「この仕組みがちゃんと広まっていくとうれしい」
――隠しページで入れるという形にした理由を教えてください。
会員制という仕切りは設けず、この仕組み自体を楽しいと共感してくださった方が集まるお店にしたいと思ったからです。「楽しいね!」という所から体験が始まるので、お店の中の雰囲気もすごくポジティブなものになっていると思います。
――テスト営業で10組中4組が入店できなかったとのことですが、入店できた人はすぐに解けましたか?
入店できた人は、口コミ経由で既に解き方を知っていた方なのでスムーズにご入店頂けました。ただ、まれにサイトだけを見て仕掛けに気づいてくださる方もいて、びっくりしています。
――グランドオープン後、入店できない人はいましたか?
たくさんいます。こちらとしてはせっかく足を運んでくださった皆さんにバーに入っていただきたいのですが、ルール上、絶対にバーの存在は明かさないということになっているのでスタッフの胸も痛んでおります(笑)。どうかこの仕組みがちゃんと広まっていくとうれしいなと思っています。
※お客さんの口コミや、スタッフが個人として教えるのはOKで、お店の公式は発信しないという設定
ちなみに、隠しページを見せないと入店できないという仕組みにしているため「バーがあるって聞いてきたんですが……」と聞かれても隠しページを見せてくれない限り「コーヒー屋です」とご案内することになっています。
――表のカフェだけの利用はできるんでしょうか。
はいできます。隠しページを知らない近隣にお住まいの方はコーヒー屋さんだと思っていらっしゃるので、コーヒーだけテークアウトしてお帰りになる方もいらっしゃいます。
店長は複数のお店で修行を積んだバリスタで、名物は「コーヒーカクテル」。営業時間は18時~24時で、21時までは近隣のお店と提携して、おいしい料理も提供しているとのこと。さらにバーはインテリアや内装にもこだわっており、落ち着く隠れ家といった雰囲気だそうです。
なお、現在は3密対策としてバーは基本的に事前予約制となっており、例の隠しページにあるWebフォームからのみ予約可能です。お店の詳細や“お金の話”といった裏事情はnoteで語られているので、興味のある方はそちらものぞいてみるといいでしょう。
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