4年かけてうごメモで描いた!? 自主制作アニメ「うごメモ戦士」のクオリティーに「伝説の始まり」と称賛の声(1/2 ページ)
短いPVかと思ったら、12月に34分尺の本編公開と明かされて2度びっくり。
YouTubeで公開された自主制作アニメ「うごメモ戦士」が「ネット界に新たな歴史を刻みそう」と称賛されています。というのもこの作品、主にパラパラ漫画を作るゲームソフト「うごくメモ帳3D」で作画されているのです。ニンテンドー3DSでよくぞここまで……!
作者のミラーパネル(@denntisinn/YouTubeチャンネル)さんが、4年がかりで取り組んでいるアニメ。基本の作画はうごメモで行い、PCで着色や編集をしています。
今回公開されたのは、アバンタイトルとオープニングで構成された約3分の予告編。主人公の久郷(くごう)モメが、3DSから出てきたうごメモの使い「ウゴ」との出会いをきっかけに、絵師を守る「うごメモ戦士」として戦う物語がていねいに描かれます。
モメが登場人物をバックに走ったり、仲間たちが能力を駆使して激しいバトルを繰り広げたり、アニメファンの心をくすぐるシーンもたっぷりのこの作品。YouTubeのコメント欄では、「3DSで描いているとは思えないほどすごい」「OPで走るアニメは神アニメ」「本当にテレビアニメ化してほしい」などと、多数の賛辞が寄せられました。
なお、本編の公開は12月4日19時30分で、ボリュームはなんと34分尺。オープニングだけでもこれだけの評判なのに、本編が出たらどうなっちゃうんだ……!?
本編の作画は完了しており、あとはエンディングを残すのみ。全390カットもの膨大な作画作業を経て、力作の完成が目前となったミラーパネルさんに制作の詳細を聞きました。
画力が戦闘力となる一風変わったバトルものに!
―― Twitterのプロフィールでは「アニメーターではない」とありますが、いったい何者なんですか……?
ミラーパネル すみません、実は思いっきりアニメーターなんです。ときどきTwitterのダイレクトメッセージに仕事の依頼が飛んでくることがあり、いちいち断るのが面倒になってアニメーターじゃないことにしてました。
―― 正真正銘“プロの犯行”だったんですね。具体的な作業環境をぜひ
ミラーパネル 3DS LLのうごメモで作画を、PCで着色と動画編集をしています。着色用のアプリは商業アニメでも使われているRETAS STUDIO。動画の編集・加工に関しては、フリーソフトのAviutlのみです。
―― うごメモを作業ツールに選んだのはなぜですか?
ミラーパネル 使い慣れていたのもありますが、私は凝り性なので、クオリティに制限をかけたかった部分もあります。解像度が上がれば上がるほどやれることも増えて、際限なく作り込んでしまいますから。また、あとにも先にもないようなクオリティのうごメモ作品を作りたいという意気込みもありました。
―― ここまでの作業期間はどれくらいですか
ミラーパネル 予告動画を公開した日にち(2020年8月31日)の、ちょうど4年前からプロジェクトを立ち上げたので、4年間飽きもせず作り続けてることにはなっています。
―― 動画の説明文に「根詰めすぎて救急車に運ばれました」とありますが、大丈夫でしたか……?
ミラーパネル 死ぬかと思いました。
―― そんななか苦労した点や、気に入っている点は?
ミラーパネル 苦労したのは制作中ずっとなんですが、うまく動かせなかったときは落ち込んでいました。
気に入ってる点は、うごメモ古参の方々の涙腺を崩しにかかる演出です。ふんだんに詰め込ませてもらっているので、ぜひ見て感じてほしいと思いますね。
―― 本編の内容について、差し支えのない範囲で教えてください
ミラーパネル 本編はバトルものなのですが、画力が戦闘力に還元される、一風変わった物語になっていると思います。けっこう謎を残したまま終わるので、本編を見たあとで予告編の見方も変わってくるかと思います。本編で回収しなかった内容が、予告編に隠されているといった仕掛けもあるので、考察すると2度楽しめるかもしれないですね!
動画提供:ミラーパネル(@denntisinn/YouTubeチャンネル)さん
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