アルコール依存症の夫に寄り添う妻の漫画『だらしない夫じゃなくて依存症でした』に注目集まる 厚労省・専門家監修で依存症を描く(1/2 ページ)
愛を持って接するほど重篤化してしまう悪循環。恐ろしい病気です。
著名人が酒気帯び運転の疑いで逮捕されたことを受け、ネットで公開中の漫画『だらしない夫じゃなくて依存症でした』が注目を集めています。アルコールで大きな失敗をした人がなぜまた繰り返してしまうのか、その理由が読めば分かるかもしれません。
漫画では、いつの間にかアルコール依存症になっていた「山下ショウ」と、その妻「ユリ」の夫婦生活が描かれます。大学の頃から交際していた2人ですが、学生時代のショウはむしろ飲み会が苦手なタイプでした。
しかし、就職してから仕事の疲れを癒やすためや、付き合いで飲む量が日に日に増加。だんだん日常的に飲むようになっていき、夫婦生活は徐々に破綻していきます。
だんだんと酒での失敗が増えていくショウ。居酒屋ではツケを溜めながら飲み、仕事は酒で遅刻が増え、家の付近ではお隣家の前で嘔吐(おうと)を繰り返すなど人に迷惑をかけるようになっていきます。
ユリはショウが酒でやらかすたびに尻拭いをし、酒を止めるよう言いつけ続けます。妻としてあまりに献身的ですが、後半で実はこれらの行動が依存症を加速させていたという事実が判明。依存症についての知識がない人にとっては、非常に学ぶところの多い内容となっています。
この漫画を描いたのは、三森みささん(@mimorimisa)。厚生労働省など監修の元、依存症全般に関する知識を普及する目的で制作されています。登場人物は全て架空ですが、依存症者や関係者からの実体験と見聞を参考に造形したとのこと。
漫画が公開されたのは2019年ですが、アルコール依存症が話題になり今になってTwitterでトレンド入りをしました。三森さんは、「今回のトレンド入りで読まれた方から『批判はナンセンス』『見方が変わった』との感想」をもらったとコメントしています。
『だらしない夫じゃなくて依存症でした』は、書籍版も販売中。内容は50ページ以上加筆されているとのことです。
画像提供:三森みささん(@mimorimisa)
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