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うまい・楽しい・懐かしい 「乗り鉄の宿命」と「ドラえもん電車つながり」で富山へ行ってきました月刊乗り鉄話題(2020年10月版)(4/4 ページ)

たった400メートルを乗りに行く、これが乗り鉄の宿命なのです。名物駅弁「ますのすし」のミュージアムにも行ってきたよ。旨かったです。

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(おまけ)今回は「自粛中にやりたいことをまとめた」ら、こうなった 皆さんも長野~新潟~富山の1本旅、ぜひ!

 乗り鉄の旅のきっかけはいろいろあります。「わずか数100メートルの延伸区間に乗る」も動機の1つ。実は今回の富山の旅は、自粛期間中にやりたかったことを並べたら、キレイに1本のルートになったからでした。

  • しなの鉄道の新型車両「SR1系」に乗りたい
  • 上田で展示している「元東急5200系」を見たい
  • 「万葉線」の延伸区間に乗りたい
  • 富山の「南北接続線」に乗りたい
  • 「ますのすしミュージアム」に行きたい

 いつにしようかなあ。差し迫った期限がないと、なかなか腰が上がりません。そんなとき、ピンポイントな情報がありました。

 銚子電鉄が制作した映画「電車を止めるな」に出演している女優、谷口礼子さんのツイートでした。元ツイートは消えていますが、9月26日に新潟県上越市の映画館「高田世界館」で電車を止めるなを上映するとの内容でした。銚子電鉄社長とえちごトキめき鉄道社長のトークイベントもあるといいます。最寄り駅はえちごトキめき鉄道「妙高はねうまライン」の高田駅です。

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今回行った長野~新潟~富山1本旅のルート

 「SR1系」のしなの鉄道と「元東急5200系」の上田電鉄は長野県。「万葉線」と「南北接続線」「ますのすしミュージアム」は富山県。そして、新潟県の高田はその中間地点……。何と、行きたかった目的地が北陸新幹線と並行在来線の鉄道ルートでつながりました。

 さらに、JR東日本が運賃・料金が約50%割引になる期間限定の「お先にトクだ値スペシャル」を実施中。北陸新幹線が安い!(関連記事)。しかも「Go To トラベル キャンペーン」を使ってホテル代も安くなる。というわけで今回の旅は、9月26日に高田のホテルを予約して旅を組み立てたのでした。

 では本編以外のオフショットをまとめてどうぞ。


大宮から軽井沢へ「あさま603号」です。いままでは東京駅から乗ってましたけど大宮駅~。埼京線の渋谷駅プラットホームが移転したため、東急線から乗り換えやすくなりました。湘南新宿ラインや埼京線で大宮に行くほうが近いのです

ふふふ。ちょっと贅沢にグリーン車。「お先にトクだ値スペシャル」の普通車が売り切れだったので。普通車指定席の正規料金より、「お先にトクだ値スペシャル」のグリーン車の方が安かった

軽井沢からしなの鉄道の新車「SR1系」に乗ります。「軽井沢リゾート号」として、座席指定の快速列車が運行されています

車内はクロスシート。普通列車として使用するときはロングシートに転換できます

「軽井沢リゾート1号」は事前予約制の食事付きプランもあります。人気が高く、感染拡大予防の観点から席数も少ないため、予約できませんでした……(泣)

SR1系にずっと乗りたかったけど、37分後の上田駅で下車。上田電鉄は2019年の「令和元年東日本台風」で上田~城下間が不通になっています。代行バスで城下駅に向かいます

バスの車窓から被災した千曲川橋梁が見えました。鉄橋の右端がありません……。復旧は2021年3月28日の予定です

城下駅に着きました。いましたよー。元東急5200系。東急時代は「銀ガエル」とか「ゆたんぽ」という愛称でした。渋谷駅前の展示で親しまれた「アオガエル」こと5000系のステンレス車体版として、4両1編成が製造されました。東急線を引退後、1986年に先頭車2両が上田電鉄に譲渡されました。1993年に引退して、この1両が保存されています。残り1両は製造会社の東急車輌製造(現・総合車両製作所横浜事業所)に返却され保存されています

私は横浜の保存車も見ています。なぜこちらを見に来たかというと「急行灯」を点灯したから。「急行灯」運転席窓の上の左右にある小さなランプです。東横線で急行として走るときに識別灯として使われていました。私が5200系に乗った時期は大井町線に転属してからなので、「急行灯」を見ていなかった。見たい……。それだけの理由でした(展示は10月15日に終了)

上田に戻り、しなの鉄道で先へ進みます。旧国鉄の115系電車で長野へ。長野から妙高高原行きに乗り継いだら、「SR1系」と再会しました。また乗れたラッキーだ

妙高高原駅からえちごトキめき鉄道妙高はねうまラインに乗り換え。元JR東日本のE217系電車です

ロングシート車ですが、空いていたので連続窓のパノラマを楽しめました

高田駅到着で本日の列車旅は終了。駅舎がカッコいいと思ったら、これは駅舎ではなく、駅前のアーケードの一部だそうです。この奥に駅舎があります

ここが高田世界館。この建物は映画館としては日本最古だそうです

 こうして翌日から本編の旅となりました。もう少し路面電車の写真をご覧いただきましょう。


万葉線の高岡駅

隣にバスの待合室があります。ドラえもんポストは伝統産業の「高岡銅器」で作られています。このポストに投函すると、特別な消印を押してくれるそうです

レトロ電車との対比が面白い

万葉線は単線です

万葉線の主力車両7000形

ドラえもんトラムが来ました

ドラえもんトラムと同じ形式、1000形。愛称は「アイトラム」

万葉線の越ノ潟駅から富山県営渡船で向こう岸へ行けます。ここはもともと富山地方鉄道射水線の鉄橋がありました。しかし富山新港を整備するため鉄橋は撤去されました。つまりこの船は代行バスならぬ代行船です

富山県営渡船に乗って、対岸の堀岡へ。そこから土日だけ運行するバスに乗り継いで、岩瀬浜に来ました。旧富山ライトレール、現富山地方鉄道富山港線の岩瀬浜駅。車両は富山地方鉄道のT100形、愛称はサントラム

三連接車体という、日本では珍しい構造です。両端の車両に車輪があり、中央の車体は両側の車体に支えられています

富山駅前のサントラム。スッキリしたデザインです

富山地方鉄道のデ7000形。モーター音も合わせてザ・路面電車という趣き

元富山ライトレールのTLR0600形、愛称はポートラム。左側が旧富山北口駅の敷地だったところ

富山駅北口を行くポートラム。駅前で交通広場の建設工事が続いています

元富山ライトレール区間へ進むサントラム

富山地方鉄道市内線区間へ進むポートラム

富山駅南口は路面電車が頻繁に現れます。眺めるだけでも飽きない

この写真だけだとヨーロッパのトラムみたい

コンコース2階の無料休憩所から路面電車の富山駅を眺めた

北陸新幹線プラットホームから在来線のプラットホームが見えます。奥の電車は観光列車「一万三千尺物語」ですね。手前は国鉄時代から走っている413系電車

杉山淳一(すぎやま・じゅんいち)

乗り鉄。書き鉄。1967年東京都生まれ。年齢=鉄道趣味歴。信州大学経済学部卒。信州大学大学院工学系研究科博士前期課程修了。出版社アスキーにてPC雑誌・ゲーム雑誌の広告営業を担当。1996年よりフリーライター。IT・ゲーム系ライターを経て、現在は鉄道分野で活動。鉄旅オブザイヤー選考委員。ITmedia ビジネスオンラインで「週刊鉄道経済」連載。著書に『(ゲームソフト)A列車で行こうシリーズ公式ガイドブック(KADOKAWA)』『ぼくは乗り鉄、おでかけ日和。(幻冬舎)』『列車ダイヤから鉄道を楽しむ方法(河出書房新社)』など。公式サイト「OFFICE THREE TREES」ブログ:「すぎやまの日々」「汽車旅のしおり」。JR路線の完乗率は100%、日本鉄道全路線の完乗率は99.69%(2020年10月時点)


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