【限界徹夜の体験談】「これが大人たちが作った会社なのか」 ブラック企業で約5カ月間、1日1~2時間睡眠の生活をしていた人のお話(1/2 ページ)
精神的に追い込まれて眠れなくなり、病院では双極性障害と診断されたそうです。
「徹夜はやめとけ」「寝たほうが良い」とよく言われますが、なぜなのか。それを考えるために、ねとらぼ読者から「限界まで徹夜してアカンことになった体験談」を聞いてみようという連載企画です。
今回は番外編で、寝なかったというより眠れなかった体験談。「ブラック企業で精神的に追い込まれ、1~2時間睡眠の生活を続けていた」というお話を伺いました。
「その後が怖かったので心を殺しながら出勤していました」
以前勤務していた職場がブラックで、2020年初めに退職するまでの約5カ月間、ほとんど寝られない日々が続いていました。睡眠時間は1~2時間程度。上司には日頃から「仕事ができないなら死んで」「まだ自殺してなかったんだ」などと人格否定されており、眠りに就いても似たような悪夢を見続けていたので、寝るのが怖くなっていたのもあると思います。
特に2019年秋ごろには、上司の圧力や仕事のプレッシャーから1週間まるまる寝ずに働いていました。頭が妙にさえて「自分は何でもできる!」と万能感すら覚えましたが、まやかしなので大体失敗して周囲に迷惑を掛けていました。
その一方、顔は土色になり、幻覚や幻聴も現れていました。通勤中、駅のホームで電車を待っていると、白い服を着た人物が男とも女ともつかない声で「早く死ね」と言い続ける幻覚が見え、怖くて無断欠勤も考えました。ですが、その後が怖かったので心を殺しながら出勤していました。
そのような生活が続くうちに、私はOD(オーバードーズ)を繰り返すようになり、友人に半ばムリヤリ病院に連れていかれ、双極性障害と診断されました。
―― かなり追い詰められていたようですが、どんな職場環境だったのでしょうか?
出勤は10時ということになっているのに7時に出勤したり、退勤も終電ギリギリだったり。前残業、残業ともに「自分の意志でやっていることだから」と残業代はもらえませんでした。いまだに納得がいきません。そもそも社内で報連相ができていなかったり、マニュアルもなかったり……これが大人たちが作った会社なのか、と。「信じられない」を超えて、笑いました。
家族や親族の忌引きなどで休んだ人のことを「死んだくらいで休むなよ」と陰口する人たちもいて、職場の人間関係が嫌になりました。周りが信じられなくなりました。
今は別の仕事をしているのですが、現在勤務している職場はみんな優しく、精神的に疲れることがほとんどありません。以前と比べて(以前がおかしかったのもありますが)かなり落ち着いた、安定した生活をしています。
ただ、今でも視界の端に映る電柱やポールが人間に見えたり、怒鳴り声を聞くと冷や汗や手の震えが止まらなくなったり。当時のことを思い出して、眠れなくなる日もあります。
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