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【好きなゲームが世間のクソゲーな人インタビュー】発売前に期待が高まり過ぎたRPG「ラジアータ ストーリーズ」(1/2 ページ)

「クソゲーには程遠い良作だと考えています」。

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 年末企画「自分の好きなゲームが世間ではクソゲーと言われている人インタビュー」。今回はPS2向けソフト「ラジアータ ストーリーズ」ファンの方に、同作の魅力を伺いました。

企画:好きなゲームが世間のクソゲー

「これはクソゲー」「あれはクソゲー」と世間は気軽に言うけれど、遊び方も感性も人それぞれ。むしろ、そんな風に言われている作品の魅力を知っている人に話を聞いてみよう。Twitterで募集をかけたら、2~3人くらい手を上げてくださるのでは?

……と思っていたら、100人くらいから連絡が来ちゃった企画です。編集部のリソース的に可能な範囲で記事化。1日1本ペースだと公開しきるまでに数カ月かかるので1時間に1本ずつ公開します。

「ラジアータ ストーリーズ」

 私が愛してやまないこのゲームには、妖精と人間が共存し監視者たる龍という存在に管理される世界観、運命に翻弄される主人公・ジャックとヒロイン・リドリーを中心とした心あたたまるとともに容赦のないストーリー、170人を超える仲間や「蹴りバトル」をはじめとした挑戦的なシステムなど、語りきれないほどたくさんの魅力があります。

 しかし発売当時の2005年、クソゲー・オブ・ザ・イヤー(KOTY)にノミネートされてしまいました。

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世間ではクソゲーと言われている理由

 その理由はいくつかありますが、まず「発売前に高まった期待に対して、プレイヤーが満足できなかった」というものがあります。

 ゲームでの重大なシーンを思わせる場面(主人公がヒロインに武器を突きつける)がアニメとなりCMで放映されましたが、ゲーム中にそのものずばりという展開はありませんでした。

 また、開発を務めたトライエースは、バトルシステムに特徴のある長編大作RPGに定評がありましたが、「ラジアータ」のバトルは主人公しか操作ができないうえに爽快感があるとは言えず。また、ストーリー本編もボリュームがあるとは言いがたいもので、価格もディスク1枚のPS2作品としては高価(税別8000円程度)でした。

 そして何より、ゲームのエンディングがユーザーの解釈に委ねられたため、演出が非常に淡泊で消化不良に感じられたのだと思います。

 しかし、作品にしっかり触れることでその奥深さを感じられる、クソゲーには程遠い良作だと考えています。

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このゲームの魅力

 私が好きな点を箇条書きで挙げていくと……

  • 王道ファンタジーで、ジャックとリドリーが織りなすボーイミーツガールなストーリーがコミカルに描かれる
  • コミカルでありながらも、ほのめかされる絶望的な状況の世界(資源の枯渇、戦争機運の高まり、奇病のまん延、繰り返される文明のリセット)
  • ゲーム内に時間の概念があり、200人を超す全キャラクターに24時間のタイムスケジュールが組まれているため、生きた世界を感じられる
  • 170人を超す仲間や仲間にならないNPCも含めて全員が個性的で、名前のないキャラクターを探す方が困難
  • 仲間の増やし方が楽しい、中にはアイドルの正体をつかむようなものも(なお、このアイドルは「ナミタマキ」といって、本作の主題歌を歌う玉置成実さんがモチーフです)
  • キャラクターが豊富なぶん、サブイベントも多数
  • ストーリーに分岐があり、「人間の国を救うためにヒロインを敵に回す人間編」「ヒロインと妖精を救うために人間を敵に回す妖精編」
  • 人間編ではメインヒロインが不在となる代わりに、24人のサブヒロインとデートイベントやエンディングを迎えることができる
  • 人間編で味わえる容赦のないエンディング
  • 妖精編のエンディングは細かい説明はなく、見方によってはハッピーエンドにもバッドエンド(大方がこの解釈)にも見えるもの
  • 絵本や童話の世界を思わせる、あたたかみのあるCG
  • 作品を盛り上げる、バラエティに富んだ音楽(楽曲は「グランディア」シリーズでおなじみの岩垂徳行氏)
  • 主人公は武器・防具の装備を変えることで見た目が変わる(リクルートスーツや主人公がロボ化するものもある)
  • 拠点となる城下町には下水道を兼ねた隠し通路があり、ゲーム世界の暗部を垣間見ることができる
  • ゲーム随所にあふれる遊び心(何でも蹴れる、主人公がくねくねと競歩、裏ボスがパンツ姿のマッチョだったりぺらぺらのラクガキだったり)
  • 一部の仲間キャラクターに設定された見応えのある必殺技
  • 簡単な操作ながら、リンク(陣形)システムと命令システムによりやり応えのある戦闘

 本当はもっと多く細かく、キャラクター一人一人に触れたいほどあります。

 もしもの話ですが、「ストーリーの展開に人間と妖精が敵対するものだけでなく、共存を目指すようなものがあれば評価は全く異なっていたのではないか」と思うことがあります。

 実際、発売直後に「隠し要素として共存編があるのではないか」という臆測が飛び交い、多くの人がそれを探し求めました。人間と妖精が手を取り合い、戦争も起きず、誰も死なない大団円の優しい世界なら、分かりやすくてウケが良かったと思います。

 しかし、そんな都合の良いエンディングがないのが「ラジアータ」が「ラジアータ」たるゆえんで、それゆえに記憶に残る作品になっているのではないかと思います。

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 他に上げるとすれば、戦闘がもう少し軽快で、仲間キャラも自分で操作し装備が変更できて、共通ルートがもっと長く感情移入がしやすくて、最後のダンジョンがあと少しやさしければ良かったかなと思います。

もしもこれからプレイする人にアドバイスするとしたら

 ダウンロード配信やリメイク版もないため、今となってはなかなか気軽にプレイできるものではありませんが、もしもプレイしていただけるのであれば、最初から仲間を全員集めようと躍起になるのではなく、作品の雰囲気通り、気ままに楽しんでもらえたらと思います。

 その中で気に入るキャラが出てきたときには、しっかり24時間付きまとって愛でていただきたいです。そして、それぞれのエンディングでそのキャラがどうなったか思いをはせれば、きっとこの作品は忘れられないものになると思います。

 主人公ジャックとリドリーの話がもっと欲しくなったら、漫画や小説がおすすめ。ゲームとは違った展開、エンディングを味わうことができます。

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