【好きなゲームが世間のクソゲーな人インタビュー】CMだけ見てギャルゲーだと思わないでほしい「ワンダープロジェクトJ2」(1/2 ページ)
「老若男女が楽しめるものだと思うので、ぜひ食わず嫌いせずに」。
年末企画「自分の好きなゲームが世間ではクソゲーと言われている人インタビュー」。今回はCMが“セルフネガキャン”になってしまったと言われる「ワンダープロジェクトJ2 コルロの森のジョゼット」。
企画:好きなゲームが世間のクソゲー
「これはクソゲー」「あれはクソゲー」と世間は気軽に言うけれど、遊び方も感性も人それぞれ。むしろ、そんな風に言われている作品の魅力を知っている人に話を聞いてみよう。Twitterで募集をかけたら、2~3人くらい手を上げてくださるのでは?
……と思っていたら、100人くらいから連絡が来ちゃった企画です。編集部のリソース的に可能な範囲で記事化。1日1本ペースだと公開しきるまでに数カ月かかるので1時間に1本ずつ公開します。
「ワンダープロジェクトJ2 コルロの森のジョゼット」(YUNAさん/@azul_0807)
私の好きなゲームは、1996年に発売された「ワンダープロジェクトJ2」(NINTENDO64)です! 生死も感情も何も知らないロボットの少女・ジョゼットに一から教えていき、成長を見守る、という内容。プレイヤーが指導した通りに育っていくジョゼットはとても純粋で、本当に自分の娘のように感じてしまいます。
しかし、このゲームは誤解を招くCMのせいで(※)敬遠されてしまいました。非常にもったいないと思います。
※暗い部屋で本作を遊ぶ若い男性が、少女ジョゼットが映るゲーム画面にキスしようとするシーンがあり「CMの内容が悪く、ギャルゲーと勘違いされてしまった」と言われている(本物のギャルゲーのCMだってそんな演出しないのでは、という疑問も湧くが)。
このゲームの魅力
このゲームのOPで、ジョゼットは「自分を作ってくれた恩義のある博士の死」に直面します。先輩ロボットは「人間の生死」という知識を持っているため泣いてしまうのですが、彼女は明るい声で「死ぬってなあに?」と無邪気に問います。
博士が人間としてのさまざまな知識を教える前に亡くなってしまったので、ジョゼットは「あいさつ」が何なのかすら分かりません。どんな言葉で、どんな表情で、どんな振る舞いですべきなのか、全てプレイヤーが教えます。
彼女は純粋に受け止め全て聞き入れるので「ゴキブリは食べるもの」と教えれば食べてしまいますし、「本は投げるもの」と教えればその通りに行動します。プレイヤー次第で性格も変わっていき、優しくも怒りっぽくも、アホキャラにも根暗キャラにもなり、「人(子ども)を育てるとは、こういうものなのか」と考えさせられます。
ジョゼットはまるで本物の人間のように社会に加わり、悪口を言われて悲しんだり、恋をする楽しさを知ったりしながら育っていきます。ラストでは(以下ネタバレ防止のためボカします)誰かのために自己犠牲が払えるほどに成長した彼女を通じて、人間もまた、考え方次第で素晴らしくも卑劣にもなりうることが描かれます。
私は何度OPを見ても泣いてしまいます(いずれ、大切な人と会えなくなる悲しみを学ぶのだと思って)し、ラストもやはり号泣してしまいます。最終盤のセーブデータから始めてラストだけ見ることもあり、「『ワンダープロジェクトJ2』を何回クリアしたのか」と聞かれても、どう数えていいものか分かりません。
私がこのゲームを初めて遊んだのは小中学生のころ。姉がカセットを持っていたのがきっかけで、発売当時どんなCMが流れていたのかは知りませんでした。ジブリ映画のようなキャラクターデザインや、怒濤(どとう)のシナリオ展開は老若男女が楽しめるものだと思うので、ぜひ食わず嫌いせずに遊んでみてほしいです。
自分はもう20年近く、最新ゲーム機への移植、リメイクを待ち望んでいます。
※2010年にiモード版が登場したものの、家族で別の携帯キャリアを利用していたため、遊べなかったとのこと。なお、配信元のスクエニモバイルは2018年にサービス終了している
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