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【好きなゲームが世間のクソゲーな人インタビュー】アクションRPGだけど“ゆるく遊べる4人対戦ゲー”としておすすめ「バウンサー」(1/2 ページ)

「スマブラ」などとは違う、何とも言いがたい独特な面白さがあるとか。

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 年末企画「自分の好きなゲームが世間ではクソゲーと言われている人インタビュー」。今回は2000年に発売されたPS2向けソフトとして発売されたアクションRPG「バウンサー」。

企画:好きなゲームが世間のクソゲー

「これはクソゲー」「あれはクソゲー」と世間は気軽に言うけれど、遊び方も感性も人それぞれ。むしろ、そんな風に言われている作品の魅力を知っている人に話を聞いてみよう。Twitterで募集をかけたら、2~3人くらい手を上げてくださるのでは?

……と思っていたら、100人くらいから連絡が来ちゃった企画です。編集部のリソース的に可能な範囲で記事化。1日1本ペースだと公開しきるまでに数カ月かかるので1時間に1本ずつ公開します。

「バウンサー」が世間ではクソゲーと言われている理由(MOZ/モザンビーク斎藤さん/@DemonOfManjuu

 本作の魅力について語るために、まずはこのゲームがクソゲーと言われている理由から説明させてください。

ボリューム

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 メインのストーリーモードは、ムービーをスキップすれば1時間で終わります。内容もよくあるヒロイン救出劇。周回要素もありますが、それを全てコンプリートしても5時間程度しかありません。

操作性

 「シンプルで取っつきやすい」といわれていますが、逆に言えば、深みがなくやり込みがいが感じにくい。戦闘自体は比較的遊べる部類ですが、挙動がもっさりしていて爽快感がありません。絵面も地味です。

被攻撃時の挙動

 戦闘で攻撃を食らうと、急に軟体生物のように体がグニャグニャしながら脱力します。ギャグみたいな見た目です。

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 総評としては「骨組みは悪くないが、肉付けが足りな過ぎてすぐに飽きるタイプのクソゲー」です。

自分が遊び始めた理由

 私が「バウンサー」を遊び始めたきっかけは、兄が友達から借りてきたこと。その友達に返してから数年後、ふとこのゲームのことを思い出し、ゲームショップに買いに行ったところ、いわゆる中古ワゴンで100円でたたき売られているのを見て、いろいろと悟りました。

 それまでは「昔遊んだあの面白いゲーム」という認識だったので、まさか世間ではこんな扱いをされているとは思っていませんでした。最初はショックでしたが、評価を見てみたら「そりゃそうか」と普通に納得してしまいました。

 大人になったあるとき、私は「この『バウンサー』というクソゲーを、アクションRPGではなく格闘ゲームの文法で攻略したらどうなるか?」と考えながら遊んでいました。つまり「1対1の対戦ツールとして遊べるものなのか」と。思い出のゲームを、違う切り口で遊ぶワクワクがありました。

 2週間ほど真面目に取り組んだ結果、「あるキャラが強過ぎて、1対1で遊ぶにはゲームバランスが最悪。しかし、最大4人で対人対戦できるvsモードがあり、これが意外と面白い。『バウンサー』は4人対戦でワチャワチャ楽しんだほうがいい」との結論になりました。

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 正直、4人対戦なら「スマブラ」など、このゲームよりも面白い作品はいくつも存在します。ただ、「世間ではクソゲーと言われている理由」で述べたように、絶妙な深みのなさや、キャラクターの特殊な挙動、そして誰でもすぐ遊べる操作性が絡み合って、このゲームの対戦には何とも言いがたい独特な面白さがあります。

 プレイヤーにとって「スマブラ」で勝つことは至上の喜びです。皆がガチで勝とうとして、本当にうまいやつが勝ちます。しかし、「バウンサー」は誰でも操作できて、誰でも勝てます。そして「ゲーム自体がゆるいので、プレイヤーもどこかゆるく楽しめる」的なところがあって、気楽に遊べるのです。

 きっとこの令和の時代に、PS2とPS2用マルチタップ、コントローラー4つを準備して、わざわざオフラインで4人集まって遊んだら、「バウンサー」は1週間くらい、笑いの絶えない時間を提供してくれることでしょう。

4人対戦ゲームとしての「バウンサー」

 「エアガイツ」(アーケード版は1998年登場)という格闘ゲームの第2次ブームが起こりつつあった2014年ごろ、ある知人がその体験会兼対戦会を開くということで、冗談のつもりで「隅っこで『バウンサー』というゲームを稼働させてもいいですか?」と連絡してみたら、その人は「対戦できるゲームなら大会にしちゃおう」と。そういう成り行きから、私は「バウンサー」の大会を開いたことがあります。

 参加者は、その場にいた人を半ば強制的にエントリー。操作性がシンプルなところが幸いし、かなり盛り上がりました。大会のもようはニコニコ動画に上がっているのでそれを見ていただくのが一番ですが、見どころをかいつまんで説明すると……

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  • 「タイムアップになると体力比が高い人に勝ち星が付く」というよくあるシステムではなく「全員が勝ち星なしのドロー」の仕切り直しになるため、タイムアップの瞬間にスタートボタンを押して、ステータス確認画面から体力比を電卓で計算→一番体力が残っていた人にエア勝ち星を与えるというアナログなジャッジ
  • 4人対戦モードでの大会だったため、勝ち星が多いプレイヤーの集中狙い。それを利用した漁夫の利プレイが横行。最終的にはタイムアップまで壁を背に、お互いにらみ合う謎の時間が生まれる
  • 各キャラクターの移動スピードが一緒のため、広いステージで終わらない追いかけっこが始まる

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 ちなみに私はこの大会でやり込みを見せつけ過ぎて集中狙いされ、すぐに敗退。出る杭は打たれることを学びました。そして、この「バウンサー」大会は翌年も開催されたのですが、うわさを聞きつけた本物のガチ勢が登場し、そのやり込みっぷりを見せつけて優勝していきました。

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