【好きなゲームが世間のクソゲーな人インタビュー】アクションRPGだけど“ゆるく遊べる4人対戦ゲー”としておすすめ「バウンサー」(1/2 ページ)

「スマブラ」などとは違う、何とも言いがたい独特な面白さがあるとか。

» 2020年12月30日 12時00分 公開
[ねとらぼ]
※本記事はアフィリエイトプログラムによる収益を得ています

 年末企画「自分の好きなゲームが世間ではクソゲーと言われている人インタビュー」。今回は2000年に発売されたPS2向けソフトとして発売されたアクションRPG「バウンサー」。

企画:好きなゲームが世間のクソゲー

「これはクソゲー」「あれはクソゲー」と世間は気軽に言うけれど、遊び方も感性も人それぞれ。むしろ、そんな風に言われている作品の魅力を知っている人に話を聞いてみよう。Twitterで募集をかけたら、2〜3人くらい手を上げてくださるのでは?

……と思っていたら、100人くらいから連絡が来ちゃった企画です。編集部のリソース的に可能な範囲で記事化。1日1本ペースだと公開しきるまでに数カ月かかるので1時間に1本ずつ公開します。

「バウンサー」が世間ではクソゲーと言われている理由(MOZ/モザンビーク斎藤さん/@DemonOfManjuu

 本作の魅力について語るために、まずはこのゲームがクソゲーと言われている理由から説明させてください。

ボリューム

 メインのストーリーモードは、ムービーをスキップすれば1時間で終わります。内容もよくあるヒロイン救出劇。周回要素もありますが、それを全てコンプリートしても5時間程度しかありません。

操作性

 「シンプルで取っつきやすい」といわれていますが、逆に言えば、深みがなくやり込みがいが感じにくい。戦闘自体は比較的遊べる部類ですが、挙動がもっさりしていて爽快感がありません。絵面も地味です。

被攻撃時の挙動

 戦闘で攻撃を食らうと、急に軟体生物のように体がグニャグニャしながら脱力します。ギャグみたいな見た目です。

 総評としては「骨組みは悪くないが、肉付けが足りな過ぎてすぐに飽きるタイプのクソゲー」です。

自分が遊び始めた理由

 私が「バウンサー」を遊び始めたきっかけは、兄が友達から借りてきたこと。その友達に返してから数年後、ふとこのゲームのことを思い出し、ゲームショップに買いに行ったところ、いわゆる中古ワゴンで100円でたたき売られているのを見て、いろいろと悟りました。

 それまでは「昔遊んだあの面白いゲーム」という認識だったので、まさか世間ではこんな扱いをされているとは思っていませんでした。最初はショックでしたが、評価を見てみたら「そりゃそうか」と普通に納得してしまいました。

 大人になったあるとき、私は「この『バウンサー』というクソゲーを、アクションRPGではなく格闘ゲームの文法で攻略したらどうなるか?」と考えながら遊んでいました。つまり「1対1の対戦ツールとして遊べるものなのか」と。思い出のゲームを、違う切り口で遊ぶワクワクがありました。

 2週間ほど真面目に取り組んだ結果、「あるキャラが強過ぎて、1対1で遊ぶにはゲームバランスが最悪。しかし、最大4人で対人対戦できるvsモードがあり、これが意外と面白い。『バウンサー』は4人対戦でワチャワチャ楽しんだほうがいい」との結論になりました。

 正直、4人対戦なら「スマブラ」など、このゲームよりも面白い作品はいくつも存在します。ただ、「世間ではクソゲーと言われている理由」で述べたように、絶妙な深みのなさや、キャラクターの特殊な挙動、そして誰でもすぐ遊べる操作性が絡み合って、このゲームの対戦には何とも言いがたい独特な面白さがあります。

 プレイヤーにとって「スマブラ」で勝つことは至上の喜びです。皆がガチで勝とうとして、本当にうまいやつが勝ちます。しかし、「バウンサー」は誰でも操作できて、誰でも勝てます。そして「ゲーム自体がゆるいので、プレイヤーもどこかゆるく楽しめる」的なところがあって、気楽に遊べるのです。

 きっとこの令和の時代に、PS2とPS2用マルチタップ、コントローラー4つを準備して、わざわざオフラインで4人集まって遊んだら、「バウンサー」は1週間くらい、笑いの絶えない時間を提供してくれることでしょう。

4人対戦ゲームとしての「バウンサー」

 「エアガイツ」(アーケード版は1998年登場)という格闘ゲームの第2次ブームが起こりつつあった2014年ごろ、ある知人がその体験会兼対戦会を開くということで、冗談のつもりで「隅っこで『バウンサー』というゲームを稼働させてもいいですか?」と連絡してみたら、その人は「対戦できるゲームなら大会にしちゃおう」と。そういう成り行きから、私は「バウンサー」の大会を開いたことがあります。

 参加者は、その場にいた人を半ば強制的にエントリー。操作性がシンプルなところが幸いし、かなり盛り上がりました。大会のもようはニコニコ動画に上がっているのでそれを見ていただくのが一番ですが、見どころをかいつまんで説明すると……

  • 「タイムアップになると体力比が高い人に勝ち星が付く」というよくあるシステムではなく「全員が勝ち星なしのドロー」の仕切り直しになるため、タイムアップの瞬間にスタートボタンを押して、ステータス確認画面から体力比を電卓で計算→一番体力が残っていた人にエア勝ち星を与えるというアナログなジャッジ
  • 4人対戦モードでの大会だったため、勝ち星が多いプレイヤーの集中狙い。それを利用した漁夫の利プレイが横行。最終的にはタイムアップまで壁を背に、お互いにらみ合う謎の時間が生まれる
  • 各キャラクターの移動スピードが一緒のため、広いステージで終わらない追いかけっこが始まる

 ちなみに私はこの大会でやり込みを見せつけ過ぎて集中狙いされ、すぐに敗退。出る杭は打たれることを学びました。そして、この「バウンサー」大会は翌年も開催されたのですが、うわさを聞きつけた本物のガチ勢が登場し、そのやり込みっぷりを見せつけて優勝していきました。

       1|2 次のページへ

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

昨日の総合アクセスTOP10
  1. /nl/articles/2501/06/news042.jpg ハードオフに1650円で売られていた“まさかの掘り出し物”→修理すると…… 見事な復活劇に「相場が上がってしまうw」
  2. /nl/articles/2501/06/news014.jpg 食べ終わったパイナップルの葉を土に植えたら……3年半後、目を疑う結果に大反響 2024年に読まれた植物、家庭菜園記事トップ5
  3. /nl/articles/2501/05/news001.jpg 幼稚園の「名札」を社会人が大量購入→その理由は……斜め上のキュートな活用術に大反響 2024年に読まれた面白記事トップ5
  4. /nl/articles/2501/06/news043.jpg 「こんなおばあちゃん憧れ」 80代女性が1週間分の晩ご飯を作り置き “まねしたくなるレシピ”に感嘆「同じものを繰り返していたので助かる」
  5. /nl/articles/2501/06/news090.jpg 【編み物】10年前祖母が教えてくれた編み物、まさかの作品を生み出して…… 二度見必至の完成品に「信じられない」
  6. /nl/articles/2501/05/news006.jpg 目からウロコな“ビニール袋のたたみ方”が100万再生 超便利な“裏技”に「こっちの方が絶対いい」
  7. /nl/articles/2501/05/news033.jpg 「昔はモテた」と話す母→全然信じていない息子だったが…… 当時の“異彩を放つ姿”に驚き「わぁ!」「とても魅力的」【海外】
  8. /nl/articles/2412/27/news137.jpg 男性に「きみの友だちを紹介してよ」と言われてきた女性、40キロの減量に成功し…… 人生激変した姿が120万再生「自信がついてさらに輝いている!」【独】
  9. /nl/articles/2501/06/news046.jpg 北海道の用水路で“巨大な外来魚”を捕獲→さばいてみると…… 中から出てきた“ヤバすぎる物体”に大興奮「ずっと釘付け」
  10. /nl/articles/2501/05/news015.jpg 【編み物】白と黒の毛糸をひたすら編んでいくと…… “あの人気キャラ”の完成に「あなたは魔法使いですか?」
先週の総合アクセスTOP10
  1. 東京美容外科、“不適切投稿”した院長の「解任」を発表 「組織体制の強化に努めてまいる所存」
  2. 大谷翔平、妻・真美子さん妊娠公表→エコー写真に“まさかの勘違い” 「デコピン妊娠?」「どう見てもデコピンで草」
  3. 「すごい漢字!」 YouTuberゆたぼん、運転免許証公開 「本名の漢字」に衝撃の声続々
  4. 「麻央さんにそっくり……」 市川團十郎の11歳息子・勸玄の成長ぶりに驚きの声 「大きくなってる!」「すでに貫禄がある」
  5. チェジュ航空社長、日本語で謝罪 犠牲者は170人以上との報道 公式サイトは通常のオレンジからブラックに
  6. 「スマホ入荷しました」 ハードオフ店舗がお知らせ→まさかの正体に大横転 「草しか生えない」
  7. 母「昔は数十人もの男性の誘いを断った」→娘は信じられなかったが…… 当時の“想像を超える姿”が2800万再生「これは驚いた」【海外】
  8. 毛糸で作ったお花を200個つなげると…… “圧巻の防寒アイテム”完成に「なにこれ作りたい……!!」「美しすぎる!」と100万再生【海外】
  9. 「思わず泣きそう」 シャトレーゼの“129円クリスマスケーキ”に衝撃 「すごすぎない!?」「このご時世に……」
  10. 「デコピンを抱き寄せたのはもしかして」 妻・真美子さん第1子妊娠発表で大谷翔平の発言と行動に再注目 「“もう帰る?”は気遣っていたのかも」
先月の総合アクセスTOP10
  1. ザリガニが約3000匹いた池の水を、全部抜いてみたら…… 思わず腰が抜ける興味深い結果に「本当にすごい」「見ていて爽快」
  2. パパに抱っこされている娘→11年後…… 同じ場所&ポーズで撮影した“現在の姿”が「泣ける」「すてき」と反響
  3. 東京美容外科、“不適切投稿”した院長の「解任」を発表 「組織体制の強化に努めてまいる所存」
  4. ズカズカ家に入ってきたぼっちの子猫→妙になれなれしいので、風呂に入れてみると…… 思わず腰を抜かす事態に「たまらんw」「この子は賢い」
  5. 母親から届いた「もち」の仕送り方法が秀逸 まさかの梱包アイデアに「この発想は無かった」と称賛 投稿者にその後を聞いた
  6. イモトアヤコ、購入した“圧倒的人気車”が思わぬ勘違いを招く スーパーで「後ろから警備員さんが」
  7. 「何があった」 絵師が“大学4年間の成長過程”公開→たどり着いた“まさかの境地”に「ぶっ飛ばしてて草」
  8. フォークに“毛糸”を巻き付けていくと…… 冬にピッタリなアイテムが完成 「とってもかわいい!」と200万再生【海外】
  9. 「何言ったんだ」 大谷翔平が妻から受けた“まさかの仕打ち”に「世界中で真美子さんだけ」「可愛すぎて草」
  10. 鮮魚スーパーで特価品になっていたイセエビを連れ帰り、水槽に入れたら…… 想定外の結果と2日後の光景に「泣けます」「おもしろすぎ」