【座談会】Flash、今までありがとう―― あのころ、僕らが夢中になった「Flashの時代」を振り返る(前編)(3/5 ページ)
いよいよあとわずかに迫った、Adobe Flash Playerのサポート終了。最後に「Flashの時代」を振り返っておこうと、いわゆる「Flash黄金期」に活躍した職人たちと、Flashについて語る座談会を行いました。
Flashとは切っても切り離せない、ファイルサイズと当時のネット回線
み~やさんや塚原さんが活躍されていたころって、FlashだけじゃなくてAdobe After Effectsで作る人もバンバン増えてきたような。「.MOV」で公開して、サイズよりもクオリティーを優先し始めたり。
ん~ネットではまだそこまで行ってない気がします。さっき言ったように僕はFlashの前に3D作品を作っていたんですが、MPGで何十MBもあるからネットで公開できなかったんですよ。だからCD-Rに焼いて通販やってました。でもオフラインのイベント上映会だと、Flashで作った作品をQuickTimeで書き出す人はいましたね。
特にPV系と呼ばれていたMotionGraphics作品は、コマ落ちの問題解消のため、後期のイベントでは「.MOV」の納品も増えた気がします。
あと美少女ゲームのオープニング風のMADムービーとか、「世界征服モララー」とかも、flaじゃなくて普通に動画で公開されていました。
めちゃくちゃ懐かしい!
Yahoo!BBが駅前でモデムを配りまくっていて、ADSLが普及してくるとFlashもストレスなく見られる時代に入ってくるわけですね。
ネット回線が太くなってきて、速度が10Mbps出て「やったー! 速いぞ!」って時代。そもそもFlashは細い回線でも動画が見られて、キレイな絵がベクター形式(※)で出るから流行した覚えがあります。
※ベクター形式=FlashやIllustratorなどで使われるデータ形式。ベクターだけで構成されたflash(swf)はサイズが小さいのでネットで閲覧するのには最適
gifでは曲が入らないし、「機動戦士のんちゃん」みたいな緻密な絵になると、gifなのに数MB越えちゃうし。Flashは圧縮が効くのとベクターを使えるってのがデカかった。
そのころはまずロード画面から作ったりしてましたからね。
作ってました! 「紅白FLASH合戦」の作品で大きいのは9MB超えているんですけど、ほとんどは1~2MBで、曲が入ってると3MB越えるのもちらほらあるかなって感じ。
今のスマホ画像1枚のサイズですもんねー。
サイズといえば、「ルパン三世タイトルメーカー」の4KBが超軽かった(笑)。
あ、それで思い出した。新宿ロフトプラスワンでオフラインイベントをやったとき(※2003年のFLASH★BOMB)をやったとき、、ひろゆき君(当時の2ちゃんねる管理人)も「Flash作品作ります!」って告知していたんですけど、届いた作品は「ルパン三世タイトルメーカー」にアクセスして、文字をカシャカシャってスクリーンに流させるものだったんですよ、ひでぇ(笑)。
遅刻してきた上にこれかよ、みたいな客席のどよめき、ありましたね!(笑) 一発ネタも本格的なアニメも、どんどん公開されていった時代で楽しかった。僕は青池良輔さんの「CATMAN」シリーズが本当に好きで好きで。
Shockwaveのサイトで公開されていたんだよね。あそこだったらティム・バートンの「ステインボーイ」も良かった。
Shockwaveの話でいえば、僕は加藤久仁生さんの「或る旅人の日記」が好きでしたね。
あれもすごかったなー……今はShockwaveがないから見られないんだよなー。
それと丸山薫さんもすごかった。
あと深谷英作(A.e.Suck)(@aesuck)さんはもともとプロのアニメーターなんで、普通にお金払ってセミナーに中割を習いに行きました。そうしたら「スレッドで見た名前の奴が来た!」ってA.e.Suckさんがビックリされてました(笑)。
業界にショートアニメの需要が増えていき、Flashを仕事にする機運が高まった
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