殺しのターゲットは“初恋の人” 殺し屋の娘が父から非情な指令を下される漫画のラストが優しい世界(1/2 ページ)
英才教育の成果を出せるやいなや。
殺し屋に育てられた少女が、初めて人を好きになった――。人並の感情を知って戸惑う乙女心を描いた漫画が、いろんな意味でハラハラドキドキさせてきます。作者は漫画家の屋乃啓人(@chimairasuzuki)さん。
「私の娘としてどこに出しても恥ずかしくないように」という教育方針の下、3歳のうちから野うさぎを殺すなどの試練を与えられてきた主人公。学校で友達と遊んで恋をするといった、普通の暮らしは諦めたまま成長してきました。
そんな彼女も、町中で転びかけたところを同じ年頃の好青年に助けられ、一瞬で恋に落ちました。一度は諦めた「普通」に心を大きく動かされながらも、「私にそんな資格……あるのかな」と思い悩みます。
娘の気持ちをよそに、最終試練を言い渡す父親。課せられたミッションは初めての殺人、ターゲットはある政治家の御曹司――よりによって、主人公が初恋をしたあの青年でした。あまりにも過酷な運命に顔を曇らせる娘へ、「色仕掛けで誘い込むんだ」「幸福の絶頂に浸らせて殺せ」と、父親は細かく指示を出します。
ところが、最後に告げた目標は「老いて病に伏したターゲットの手を最後まで握れ」。指定された殺しの手段は、まさかの「結婚して死別するまで相手を見届ける」なのでした。つまり好きな男と末永く幸せに暮らせってことだよ、言わせんな恥ずかしい。
ホッとする結末に、リプライでは「こういう優しい結末で良いんだよ……!」などと安堵(あんど)の声が。「2ページ目でお父さん既に娘の気持ちに気付いてたんだな」「ウサギを殺すのはシチューの具を調達する花嫁修業だった?」など、読み返してあらためて感心する人もみられます。
屋乃啓人さんの著書
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