透明人間の苦悩を描いた漫画 「ぼくって男の子だと思う?」「ちょっと触ってみてよ」→予想を裏切る結末にゾワリ(1/4 ページ)
切ない話とも、怖い話とも、不思議な話とも。
誰にもその姿が見られない架空の存在、透明人間。もしも自分の姿が見えなくなったら、あなたはどんな悪事を働きますか? あるいはどのような悩みを抱えるでしょうか?
今回ご紹介する作品は、誰にも見られない「透明人間」の心情に注目したお話。読み手の受け取り方によって幅広い解釈が可能なストーリーをお楽しみください。作者はてらぱん(@pandagusu)さんです。
鈴木くんが小学生の頃のお話。彼のクラスにやってきた転校生は透明人間でした。「川島真琴です、よろしくお願いします」と自己紹介の声が聞こえますが、黒板の前には誰もいません。
「見えない」「すげえ」とざわつく教室。川島くんはすぐにクラスの人気者になりました。
鈴木君はふとしたきっかけから川島くんと仲良くなり、いつしか毎日一緒に遊ぶようになります。そして夏休みのある日のこと、ふたりは急な雨に振られ、近くの神社へ雨宿りに逃げ込みました。
雨宿りの最中、川島くんは気分が沈んでしまったのか、自身が透明人間であることに対する不安を吐き出します。それを励ます鈴木くんに対し、川島くんは「僕の声って中性的っていうか……どっちつかずだと思わない?」と、妙なことを言い出しました。そして鈴木くんの手を握り、自身の顔を触らせたのです。
触った頬の柔らかさ、少し長い髪の毛の感触から、鈴木くんは川島くんに「女の子」を感じます。その直後、川島くんはと妙なわめき声を上げて苦しみ始め、その日を境に姿を消してしまったのでした。
川島くんがいなくなってから10年後。彼女と一緒に歩いていた鈴木くんは、雨宿りした神社の前を通りがかります。ふと「あのときのこと」を思い出し、いなくなった友人の思い出を彼女に話す鈴木くん。そして……。
姿を見てもらえないことへの苦悩、川島くんは自分の性別をどう捉えていたのか、姿を消してしまった理由とは……。さまざまに読み取れる結末は、漫画を読み進めてお確かめください。
(たけしな竜美)
作品提供:てらぱん(@pandagusu)さん
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