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「聖剣伝説 レジェンド オブ マナ」のHDリマスターを遊んだら軽く感情が暴走したので全力でお勧めする今日書きたいことはこれくらい(2/2 ページ)

武具作成だけで延々遊べるゲーム。

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※ここからストーリーのネタバレあり

3:LOMの主要シナリオについて感情だだもれで語り倒す

 ごめんなさい、ちょっとここから感情がだだもれ気味になるんですけど。冒頭で書いた通り、プレイ済み・クリア済みの人を対象とした内容になるのでご注意ください。

 何というか、ここしばらく遊んでいて、ドラゴンキラー編の味わい深さにようやく気付いたというか、「このシナリオすげー安定感あるな……」って一番評価が変わったのがドラゴンキラー編だったんですよ。何というか、「大人になるって、実はドラゴンキラー編の面白さが分かるってことだったんじゃないか……?」っていうくらいドラゴンキラー編が好きになりました。昔は「このシナリオちょっとシンプルすぎるかな……」とか思っちゃってたんですけど、ぜんっぜんそんなことなかった。

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 いや、アレなんですよ。まずもちろん宝石泥棒編は最高なんですよ? あの全体を貫く寂漠感と、王道と無常の折衷。「滅びを約束された種族」という珠魅に深く関わっていく主人公と、瑠璃や真珠姫たちが結ぶきずな。「涙石」というシステムの罪深さと、それをめぐる葛藤。当初は主人公を信用していなかった瑠璃が、「あんたの判断なら信じられる」とまで言う成長。当然のようにかわいすぎる真珠姫。「滅びし煌めきの都市」のあの「これが本当にシナリオのラストダンジョンなのか………!?」と思わせる、あまりにも穏やかなBGMと、もちろん最後の展開と主人公のあの一言。レディパールの反則すぎるシンクロ。

 こんなもん最高ですよ? そりゃ最高に決まってます。

 特に好きなのが、最後、コロナとバドが真珠姫や瑠璃の心配をしているところで、「ああ、主人公には見えないところでもNPC同士交流してるんだな……」って分かる部分が、なんというか一気に世界が広がるようで本当にいとおしい。マイホームに真珠姫がいついていたころ、一緒に遊んだりしてたんだろうなあ……って妄想が一気に広がります。真珠姫のことお姉ちゃん呼びしてるコロナが好きすぎる。

 一方でエスカデ編、これもものすごーく好きなシナリオではあるんですよね。昔は「エスカデやべーヤツだな……」と思ってたところが、遊び直すと「いやこれ、マチルダの方がやばいんじゃ……?」から「あ、ごめんなさい、これ登場人物全員やばかったですね……」ってくらいキャラクターはとがってるんですが、あの解そうにも到底解し切れない乱れた糸のような人間関係は、読めば読むほど癖になります。あの人たち基本的に全員主人公に興味なくって、ある意味主人公置いてかれてるんですけど、その分LOM独特のストーリー展開やセリフ回しが一切不純物なく楽しめる。

 さり気に賢人たちがいろんなところで関わって名言を投下しているのも非常に良い。オールボンが一番存在感あるシナリオだってのも重要でして、「相手も自分もどちらも勝利するのが本当の勝利」とかいう言葉の直後に「シリアスも行きすぎればギャグになるぞ」とか、なんでいきなりそんなセリフ出てくるの!?!! ってなります。素晴らしい。本当素晴らしい。

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 エスカデもダナエも、賢人たちの言葉ならある程度真摯に聞くんですよね。結局行動はなんも変わらないんですけど。

 エスカデ編で繰り返し繰り返し語られるのって「人を操ろうとすることの罪深さ」「他人を自分のイメージで決めつけることの罪深さ」という話でして、これってある程度LOM全体に通底するテーマでもあると思うんですよね。例えば宝石泥棒編の瑠璃も、真珠姫を「自分が持っている姫のイメージ」で固定しようとしたところでそれを一度失ってしまったわけですし、「レイチェル」なんかでもマークのイメージを押し付けられるレイチェルのしっぺ返しみたいなところがありました。

 ただ、宝石泥棒編とエスカデ編、まるで違うようで一つ強烈に共通している点は、「途中経過に主人公が介入できる部分は非常に限られている」ということなんです。エスカデたちの人間関係は最初から詰んでいるので、主人公がどんなに頑張ってもエスカデやダナエは救われないし、マチルダとアーウィンが幸せになるわけでもない。一方、宝石泥棒編では最終的には主人公の存在価値がカンストするものの、途中経過で宝石泥棒たちに襲われる珠魅たちを救うことはできない。

 そういう意味で、「自分で道を切り開く」感がやや薄いことは確かだと思うんですよね。

 で、ドラゴンキラー編って、そこのバランスが素晴らしいんですよ。

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 ドラゴンキラー編の主人公ってまさしく「主人公」でして、最初から最後まで話の焦点からずれないんです。最初に奈楽で出会ったティアマットも、「この人悪役としてものすごくまっとうにこちらを利用しようとしてる……!!」ってのがよく分かる立ち位置ですし、その後も(事情が分からないながらも)主人公はずっと話の中心になって竜殺しに関わり続けます。敵も味方も、すごくまっとうに「主人公の価値を認めて、交渉相手として主人公に相対する」シナリオがドラゴンキラー編なんですよね。協力を受けるのも、利用されるのも、全て主人公が主体なんです。

 竜殺しの罪深さも、そこからの清算も、全てを自分自身が引き受ける。そして最後は自分の力で大団円を引き寄せる。LOMで唯一、最初から最後まで主人公が「主人公」でいられるシナリオ。それがドラゴンキラー編なわけです。

 この安定感、この安心感が、20年以上のときを経てようやく実感できたと。そういう話なわけです。正直、昔は「LOMやるなら宝石泥棒編」って言ってたんですけど、今なら「まずはドラゴンキラー編をやれ!」と言うかもしれません。

 ラルクやシエラとの関係性も含めて、全員の行動指針や行動理由が無理なく理解できるシナリオってLOMでは割と貴重で、そういう意味で「ドラゴンキラー編はLOMのオアシス」と言ってもよいと思います。ティアマットさんとニキータは、「行動理由が分かりやすい」という一点において共通した、LOM随二の癒しキャラ。

 他にも「あらためて遊んでみると印象が変わるシナリオ」って結構たくさんありましたんで、このへんはぜひ、かつてLOMを遊び込んだ皆さんにももう一度経験してみていただきたいと思うばかりなんです。

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 ただ、カペラとディドル関連のシナリオだけは、あらためて遊んでみても「このシナリオって本当、LOMで唯一主人公が完全に置いてけぼりにされてるよな……」という感想が動かなかった……カペラ、もうちょっと主人公に興味もってくれ……。

 ということで、長々と書いてまいりました。

 結論については最初書いた通り、

「聖剣伝説レジェンドオブマナHDリマスター超面白いから、昔遊んだ人も未経験の人も今だからこそ遊ぼうぜ!」

 ですので、皆さんぜひともよろしくお願いします。世の中のLOM分を少しでも増やしたい。

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 今日書きたいことはこれくらいです。

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