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スピリット・オブ・JNR! 胸アツすぎる注目列車、えちごトキめき鉄道の「急行電車」を昭和のおじさんが語り尽くす月刊乗り鉄話題(2021年7月版) えちごトキめき鉄道「観光急行」(1)(2/2 ページ)

早速乗ってきました! 「昭和の鉄道ファン」に胸アツすぎる注目の列車。何が魅力なのか、どんな工夫があるのか、じっくり愛でていきますよ。

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 えちごトキめき鉄道の観光急行に使われる車両「455系」の形式名は、百の位の「4」が交直両用、十の位の「5」は急行用、1の位は「0と1」「2と3」「4と5」「6と7」の組み合わせで、奇数を型番とします。「5」は3番目の形式です。413系も百の位の「4」が交直両用です。ただし十の位の「1」は普通列車用です。

 つまり455系と413系は、厳密には種別が異なる組み合わせです。455系は全ての席がボックスシートでした。しかし、後にロングシートに改造されて、普通列車用に使われていました。だから内装はほぼ同じ。よくみると乗降扉のカタチが違います。


1両目の「クハ455-701」は急行用電車として製造された。「ク」は運転台付き「ハ」は普通車。乗降扉は1枚で2箇所。扉の位置は端にあり、座席数を増やしている

2両目の「モハ412-6」は普通列車用として製造された。乗降扉は両開き2枚で間口が大きく、通勤時に乗降しやすい。「モ」はモーター付き

3両目の「クモハ413-6」も普通列車用。扉の位置は少し中央寄りで、乗客が左右に分散しやすいように配慮されていた

昭和世代は「懐かしい」平成世代は「珍しい」 だから若い鉄道ファンも高い関心

 興味深いことに、この列車は10代~20代の若い鉄道ファンも関心を寄せているようです。

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JR西日本時代に取り付けられた乗客落下防止ガードで、413系同士の連結面は確認できなかった……

運転席。マスコンとブレーキハンドルが分かれているところがレトロ。最近の電車はマスコンとブレーキを1本のハンドルで操作する方式が多い

 懐かしいというより「珍しい」からでしょうか。それはちょうど、ワタシたちが蒸気機関車に抱いた気持ちに近いかもしれません。ワタシたちは蒸気機関車の現役時代を知らないから「懐かしい」という感情は希薄です。懐かしいと思うのはもう少し上の親の世代、70~80代でしょう。ワタシたちの世代より若いと、蒸気機関車は珍しい・面白い・迫力があると感じます。

 似たような感覚で、国鉄時代の電車には「レトロ」な面白さがあるかもしれません。クルマに例えれば、名車、クラシックカーといったカテゴリーですね。

(続く)

 次回は、国鉄時代を感じられるトキてつ急行列車の「ここもかよ……!」な、言われるとハッと気が付くこだわりすぎな再現ポイントもじっくり解説します。お楽しみに。

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杉山淳一(すぎやま・じゅんいち)

乗り鉄。書き鉄。1967年東京都生まれ。年齢=鉄道趣味歴。信州大学経済学部卒。信州大学大学院工学系研究科博士前期課程修了。出版社アスキーにてPC雑誌・ゲーム雑誌の広告営業を担当。1996年よりフリーライター。IT・ゲーム系ライターを経て、現在は鉄道分野で活動。鉄旅オブザイヤー選考委員。ITmedia ビジネスオンラインで「週刊鉄道経済」連載。著書に『(ゲームソフト)A列車で行こうシリーズ公式ガイドブック(KADOKAWA)』『ぼくは乗り鉄、おでかけ日和。(幻冬舎)』『列車ダイヤから鉄道を楽しむ方法(河出書房新社)』など。公式サイト「OFFICE THREE TREES」ブログ:「すぎやまの日々」「汽車旅のしおり」。日本鉄道全路線の完乗率は100%(2021年4月時点)

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