ニュース

「お母さん食堂」改名は「批判があったからではない」―― ファミリーマートの新プライベートブランド「ファミマル」が生まれた理由

ネットで物議を醸した件は無関係だそうです。

advertisement

 10月11日、ファミリーマートの新プライベートブランドが「ファミマル」へと大きく変更されることが発表されました(関連記事)。これまで主にチルドやパウチなどのお総菜や食事寄りの商品は「お母さん食堂」、お菓子や飲料などは「ファミコレ」という2つのブランドに分かれていましたが、10月19日以降はこれが統合されることになります。お母さん、引退か……!

これからは「ファミマル」になります
このへんの商品も全部ファミマルだそう
食べ物だけではなく、飲み物や生活用品も全部ファミマルです

 このリニューアルに先駆け、10月11日にはメディア向けに新ブランド「ファミマル」の商品に関する説明、ならびに新旧両バージョンの商品を並べて食べ比べることができる試食会が実施されました。試食会で食べることができたのは、「バターの香り広がる!海老グラタン」「痺れて旨い!四川風麻婆豆腐」「じゅわっと肉汁!!!鉄板焼きハンバーグ」の3種。これら3種の旧バージョン商品も、横に並べての試食です。

今回試食できた3品。全て左が旧、右が新だけど、見た目では違いがあんまり分からない

 いざ並べて食べ比べてみると、確かにちょっと味が違うような……。全体的にどの商品も旧バージョンの方が塩気のアタックが強いのですが、新バージョンのファミマルの方は旧バージョンよりも塩味以外の味が前面に出ている感じがします。例えば海老グラタンならバターの味が、ハンバーグなら肉の風味が口に入れた瞬間に感じられるような気が……。一番新旧の違いが分かりやすかったのが麻婆豆腐で、並べて食べてみるとファミマルの方は明らかに味が複雑になっていました。「あ、なんかこれは調味料の数や味付けの工程が増えてそうだな……」と感じられるくらいで、なるほどこれがリニューアルと納得。

advertisement

 しかし、やはり気になるのは「お母さん食堂」のブランドが消滅した点。過去に「ジェンダーバイアスを助長しかねない」という理由で改名要望の署名が行われたこともあり、そのネーミングをめぐってはいろいろと物議を醸してきました。また、グリーンカレーやガパオなどの国際色豊かなメニューや、「ごま油香る塩だれやげん軟骨焼き」「炙り焼き味噌ホルモン」といったガチめの居酒屋のようなお総菜が並んでいたことから、「このお母さんの人物像って?」「お母さん、なんでも作れすぎでは?」という方向で話題になったことも。実際、これらの事情は今回のリニューアルに関係があるのでしょうか?

お母さん食堂(ファミリーマート公式サイトより)
過去にはしばしば「お母さんそこまで頑張らなくていいよ」など話題に

 この疑問を試食会でファミリーマートの担当者にぶつけてみたところ、「もちろんお母さん食堂に関する事情の把握はしていますが、今回のリニューアルとは無関係です」という回答が。ざっくりいうと「お母さん食堂がネットで話題になったからファミマルに一本化した」というわけではなく「プライベートブランドをよりお客さんに訴求するため、2つに分かれていたブランドを統合した」という理由が大きかったとのこと。

 担当者によれば、もともとお母さん食堂は「あくまで食堂」という意識で運営していたそう。いわゆる「お母さん」という立場の人も移り変わっているし、今は自宅でも普通の和食以外にいろいろなメニューが出ているはず。「それらを手軽に買って帰って、家で食べられるような食堂」「働く女性の食卓も応援する食堂」「消費者が本格的だと感じられるいろいろな料理を提供する食堂」が、当初のお母さん食堂のコンセプトでした。だからタイカレーとかやげん軟骨とか売ってたのか……!

 しかし、ファミリーマートによる調査の結果、お母さん食堂というネーミングではファミリーマートのプライベートブランドであるという認知度が十分に上がっていないことが判明。また、従来のプライベートブランドだったファミコレから食事系のメニューが抜けたことで、こちらもボリュームダウンして見えてしまっているという問題もあったそう。そういった事情から「ファミリーマートのプライベートブランドを競合他社に負けないようにアピールするには、ブランドを分けることのデメリットも無視できないのでは」という議論が社内で起こったそうです。

 というわけで、ファミリーマートのプライベートブランドを訴求することに重きを置いて検討を重ねた結果、今回の一本化に繋がった、というのがリニューアルの大きな理由です。一本化によって効率も上がり、なおかつお客さんにも分かりやすくなるはず、という狙いがあるとのこと。「物議を醸したからお母さん食堂を消し去りたい」という意図に基づいたリニューアルではなく、あくまでプライベートブランドの訴求のための判断だということになります。

advertisement
というわけで、新プライベートブランドは19日からの発売です

 突然のお母さん引退には「何があったの!?」となりましたが、理由を聞いてみればそりゃそうか……という気持ちに。確かに名前に社名が入っていないプライベートブランドはいろいろと不都合もあったのかもしれません。あのなんでも作れるスーパーお母さんは店頭から順次姿を消していく予定(フードロスを考えて一斉に商品を入れ替えたりはしないとのこと)ですが、お母さんをしのびつつ新しくなったメニューを手に取ってみるのもいいかもしれません。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

記事ランキング

  1. ザリガニが約3000匹いた池の水を、全部抜いてみたら…… 思わず腰が抜ける興味深い結果に「本当にすごい」「見ていて爽快」
  2. “プラスチックのスプーン”を切ってどんどんつなげていくと…… 完成した“まさかのもの”が「傑作」と200万再生【海外】
  3. 100均のファスナーに直接毛糸を編み入れたら…… 完成した“かわいすぎる便利アイテム”に「初心者でもできました!」「娘のために作ってみます」
  4. 鮮魚コーナーで半額だった「ウチワエビ」を水槽に入れてみた結果 → 想像を超える光景に反響「見たことない!」「すげえ」
  5. “月収4桁万円の社長夫人”ママモデル、月々の住宅ローン支払額が「収入えぐ」と驚異的! “2億円豪邸”のルームツアーに驚きの声も「凄いしか言えない」
  6. ズカズカ家に入ってきたぼっちの子猫→妙になれなれしいので、風呂に入れてみると…… 思わず腰を抜かす事態に「たまらんw」「この子は賢い」
  7. 柄本佑、「光る君へ」最終回の“短期間減量”に身内も震える……驚きのビフォアフに「2日後にあった君は別人」「ふつーできねぇ」
  8. 「巨大なマジンガーZがお出迎え」 “5階建て15億円”のニコラスケイジの新居 “31歳年下の日本人妻”が世界初公開
  9. 「秋山さん本人がされています」 “光る君へ”で秋山竜次演じる実資の“書”に意外な事実 感動の大河“最終回シーン”に反響 「実資の字と……」書道家が明かす
  10. 「私は何でも編める」と気付いた女性がグレーの毛糸を編んでいくと…… 「かっけぇ」「信じられない」驚きの完成品に200万いいね【海外】