「LANケーブルを増やしてもネットは速くならない」 家庭用Wi-Fiのトラブルをバッファローが注意喚起、理由を聞いた(1/2 ページ)
ケーブルのつなぎすぎはトラブルの原因に。
Wi-FiルーターのLANケーブルをたくさんつないでインターネット通信を速くしようとしても、ネットは速くならないとメーカーが注意喚起をして反響を呼んでいます。速くならないどころか、トラブルになったという声も……。メーカーに詳しく聞きました。
バッファローのTwitter公式アカウントは、Wi-Fiルーターをモデムなどに接続する際の注意点を図で説明。図解では、壁に取り付けられたケーブルの差込口とモデムを専用のケーブルでつなぎ、そこからさらにモデムとWi-FiルーターをLANケーブルでつないでいます。
モデムとWi-Fiルーターが持つインターネット用のモジュラージャックは、それぞれ1つのみ。複数のモジュラージャックを搭載していたとしても、モデムとWi-Fiルーターをつなぐためのものではなく、PCなどの機器をつなぐために使用します。
たくさんのケーブルでつなぐと、何倍もネット通信が速くなりそうに見えるかもしれませんが、むしろトラブルが起こってしまうようです。バッファローにツイートの経緯やLANケーブルを増やしても速くならない理由を聞きました。
「LANケーブルは1本まで」の理由
── なぜ突然このようなツイートを?
バッファロー:日頃から、Twitter上で弊社商品やインターネットに関する豆知識など役立つ情報を発信できないかとネタ集めをしており、サポートセンターで実際にどういったお問い合わせがあるのか聞き取りをしていました。
決して多いわけではないですが、たまにツイートのようなご相談をされるお客さまがおり(いくつかあるのですが)その中からこの投稿になりました。
実際ここまでの反響は予想していなかったので驚きましたが、内容に衝撃を受けた方や「実はやったことある~」という方など、多くのコメントをいただきました。
── 実際にLANケーブルを増やしたトラブル事例がありましたか?
バッファロー:「インターネットにつながらない」というお問い合わせに対して、お客さまの接続環境を確認し原因を切り分けしていくのですが、その中で複数LANケーブルをつないでいるのが判明し、正しい接続方法をご案内した事案がありました。
── どうして2本以上つなげてもネット回線が速くならないのでしょうか?
バッファロー:ネットワークの構成として、LANケーブルを束ねて用いる「リンクアグリゲーション(ポートトランキング)」という使われ方があります。これは、複数のLANケーブルを束ねて帯域を広げ、冗長性を持たせることができます。
この技術はNASなどでも用いられていますが、少なくとも弊社で一般向けに販売しておりますWi-Fiルーター「AirStation」シリーズではその技術は採用していません。
技術としては存在しますが、対応していない機器で接続してしまうとループ(上流機器とルーターの間で本来意図せぬルートが確立してしまい、ループ内にデータが転送され続けてしまう状態)してしまうため、機能しません。
LANケーブルを増やしてネットを速くする機能は一般向けの機器では未対応。一般的なWi-Fiルーターで複数LANケーブルをつなぐと、速くなるどころかトラブルになる可能性が。職場のWi-Fiルーターを自宅で再現しようとして起こるトラブルなのかもしれません。
Twitterでは、実際の体験談や複数ケーブルをまとめるアイデアに驚く声が飛び交っています。「日曜日に呼び出された友人宅がまさにそれでした」とトラブルに巻き込まれた人の体験談や「束ねれば早くなりそうという気持ちは分からなくもないけど…うん」と複数のケーブルを使うアイデアに納得する人からの意見も寄せられました。
取材協力:バッファロー(@BUFFALO_melco)
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